【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における世界経済は、中国における景気減速や米国をはじめ世界各国におけるインフレや金融引き締めなどの影響の継続、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に加え中東情勢が緊迫化するなど先行き不透明な状況が続いております。わが国経済は生産、輸出に一部持ち直しの動きが見られたものの、物価上昇や海外景気の下振れによる景気の下押し圧力が継続いたしました。当社グループを取り巻く経済環境は、世界的に脱炭素化などの社会課題解決に向けた動きが加速していることを背景として、EV、再生可能エネルギー、労働生産性向上などに関連した需要が拡大しているものの、部材・エネルギー価格の高止まりや中国、米国などの景気低迷の影響などにより厳しい状況が継続いたしました。このような経済環境のもとで、当社グループは当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画「経営改革プラン」に基づき、高収益企業への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、資本効率(ROE)の向上を目指した財務戦略の実行を推進しております。2023年度の業績予想(2023年5月15日公表)は、「経営改革プラン」最終年度(2023年度)の売上高、営業利益、営業利益率の目標値を超過する計画としており、達成に向けて引き続き各種施策を遂行いたします。当第3四半期連結累計期間の前年同期比における受注高は中国を中心に減少したことにより、917億1百万円(前年同期比33.7%減、海外比率68.8%)となりました。売上高は中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の大幅な増加により、1,095億4千8百万円(前年同期比23.7%増、海外比率74.0%)となりました。損益については、規模増加などによる増益効果により、営業利益は96億5千4百万円(前年同期比188.9%増)、経常利益は105億8千3百万円(前年同期比271.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は相模物流施設の事業化に係る当社相模工場の南側一部敷地の売却益の計上などにより、153億7千9百万円(前年同期比504.2%増)となりました。なお、当社相模工場の一部敷地の売却益については、等価交換方式のため譲渡先が譲渡資産土地上に建設した建物の持分取得に充てられております。当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末に比べ432億4千7百万円増加し、2,483億4千7百万円となりました。増加の主な内訳は、商品及び製品が272億3千2百万円、仕掛品が22億2千6百万円、建物及び構築物(純額)が101億4千万円増加したこと等によります。負債は、前連結会計年度末に比べ284億1千6百万円増加し、1,443億9千9百万円となりました。増加の主な内訳は、支払手形及び買掛金が21億8千6百万円、契約負債が243億9千8百万円増加したこと等によります。純資産は、前連結会計年度末に比べ148億3千万円増加し、1,039億4千8百万円となりました。増加の主な内訳は、利益剰余金が120億5百万円増加したこと等によります。この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は41.9%となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 成形機事業[射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など]射出成形機においては、販売及び受注は国内で増加したものの、北米、中国において景気減速による市況悪化の影響により減少いたしました。ダイカストマシンにおいては、自動車向けが、販売は北米、東南アジアで増加、受注は国内、韓国、中国、北米で増加いたしました。押出成形機においては、リチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が、販売は中国で大幅に増加、中長期のEV拡大予測を背景に需要は引き続き高水準で推移しておりますが、EV用電池の生産過剰等が懸念されるなかセパレータフィルムの生産性を向上させる次世代機種への切換時期において仕様決定に時間がかかっており、受注は中国で減少いたしました。この結果、成形機事業全体の受注高は683億5千5百万円(前年同期比38.0%減、海外比率79.7%)、売上高は840億9百万円(前年同期比35.7%増、海外比率84.9%)、営業利益は90億7千万円(前年同期比241.0%増)となりました。
② 工作機械事業[工作機械(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤など)、超精密加工機など]工作機械においては、販売は北米におけるエネルギー関連向けが増加したものの、国内及び中国における産業機械向けが減少いたしました。受注は北米におけるエネルギー関連向けが増加したものの、国内における産業機械向け及び中国における風力発電向けが減少いたしました。超精密加工機においては、販売は中国における車載用光学系金型向けが増加したもののスマートフォン用光学系金型向けが減少いたしました。受注は中国におけるスマートフォン用光学系金型向けが減少いたしました。この結果、工作機械事業全体の受注高は167億3千1百万円(前年同期比17.1%減、海外比率49.0%)、売上高は171億1千5百万円(前年同期比12.3%減、海外比率54.6%)、営業利益は2億1百万円(前年同期比19.5%減)となりました。
③ 制御機械事業[産業用ロボット、電子制御装置など]制御機械においては、販売は国内における電子制御装置及びシステムエンジニアリングが増加いたしました。受注は国内、中国における産業用ロボットが減少いたしました。この結果、制御機械事業全体の受注高は56億5千8百万円(前年同期比17.0%減、海外比率7.1%)、売上高は75億2千9百万円(前年同期比19.6%増、海外比率5.8%)、営業利益は4億3千5百万円(前年同期比37.1%増)となりました。
④ その他の事業その他の事業全体の受注高は9億5千7百万円(前年同期比8.0%減、海外比率1.3%)、売上高は8億9千3百万円(前年同期比4.0%増、海外比率2.0%)、営業損失は8千万円(前年同期は営業利益8千8百万円)となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、23億3千2百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。