【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社は、前第3四半期連結会計期間より四半期連結財務諸表を作成しているため、前年同四半期連結累計期間との比較分析は行っておりません。文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況当第1四半期連結累計期間(2022年10月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の段階的緩和等により個人消費に持ち直しの動きが見られる等、回復の兆候が見られます。一方で、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しすることが懸念され、ウクライナ情勢に関連した供給制約や急速な円安進行に伴う物価上昇、中国における感染動向やグローバルサプライチェーンへの影響等、先行きは依然不透明な状況にあります。当社グループを取り巻く事業環境といたしましては、主要分野であるヘルスケア領域において、政府・総務省が推進する医療ICT政策にて「ネットワーク化による情報の共有・活用」「医療等データの利活用」が挙げられており、また、2021年9月に新設されたデジタル庁の医療分野構想においても「オンライン診療の原則解禁」等も発表されております。これらの実現の為には当社主要販売商品である医療用画像管理システムは必須アイテムとなっております。また、新型コロナウイルスの新たな変異株出現により、PCR検査・抗原検査等の新型コロナウイルス関連商品の需要もより一層高まっております。今後も新型コロナウイルスによるPCR検査の需要が見込まれることから商品の販売だけでなく受託検査機関を設けるべく当社100%子会社である株式会社ワン・サイエンスを2022年5月に設立いたしました。地球環境領域においては、日本国内において、2050年までに温暖化ガスの排出量を全体として実質ゼロにする政府目標が示されております。再生可能エネルギーの積極的活用を図るため規制の緩和や普及促進を見込んだ制度変更、また、エネルギー基本計画において再生可能エネルギーの主力電源化の検討が開始されていることにより、当社再生可能エネルギー分野の社会的需要は今後も高まるものと考えられます。トリチウム除去事業においては、東京電力ホールディングス株式会社(以下、「東京電力」)・廃炉プロジェクトホームページで、2022年3月10日に公開されている「ALPS処理水等からトリチウムを分離する技術の公募に係る第1回募集の二次評価と第2回募集の一次評価について」(p.3)に記載されている、東京電力及び第三者による「フィージビリティスタディ」に関するプロセスに対して、当社は2022年5月16日付けで「参加希望」の回答をしております。今後は、「フィージビリティスタディ」の進捗に関して、継続してご報告してまいります。当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高694,143千円、営業損失98,104千円、経常損失114,456千円、親会社株主に帰属する四半期純損失119,037千円となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりです。
ヘルスケアソリューション事業ヘルスケアソリューション事業の当第1四半期連結累計期間は、売上高596,162千円、セグメント利益26,106千円となりました。当セグメントの業況といたしましては、メディカルサプライ事業においては、当社グループ売上全体に占める割合が大きい傾向に変わりはないものの、抗原検査キット、医療用グローブ、PCR検出試薬等の受注活動は、新型コロナウイルス感染症の第7波が終息後、第8波の感染拡大が続いている状況の中、当社グループが想定した受注を下回りましたが、一定の売上高、利益は確保できました。政府は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更等に関る対応方針について発表しましたが、当社グループとしては、コロナ渦で高騰している医療衛生材料を可能な限りコロナ渦以前の価格水準で安定供給することを継続し、病院経営を支える役割を果たしてまいります。メディカルシステム事業においては、『PACS』(医療用画像管理システム)及び『i-HIS』(クラウド型電子カルテ)の売上は、当連結会計年度の予算には未達ではありますが、一定の売上計上は出来ました。また、医療機関のDX化が注目を集める中、統合viewer・医用文書スキャンシステムの販売も開始しております。統合viewerは一画面で患者様の情報が俯瞰できるため情報を探す手間が省け、業務の効率が上がり、医療従事者の働き方改革にも役立つシステムになります。院内に紙媒体で散見する医用文書をファイリングできる医用文書スキャンシステムは、患者様の同意書や各種検査の検査結果用紙などの医用文書にタイムスタンプを付与し原本としてデジタル保存することで膨大な紙文書の保管から解放(ペーパーレス化)を実現いたします。これからも医療ITの進化と共に新しいサービスを提供してまいります。
地球環境ソリューション事業地球環境ソリューション事業の当第1四半期連結累計期間は、売上高97,981千円、セグメント損失25,357千円となりました。当セグメントの業況といたしましては、エネルギー事業として、再生可能エネルギーのセカンダリー市場の動向に注視しつつ、「販売用不動産」として、セカンダリー市場での売買のための営業活動を開始しましたが、売買取引の成立までには至りませんでした。GEOソリューション事業については、当社が販売するPix4D社製の三次元画像処理ソフトウェア『Pix4Dmapper』は堅調に推移し、商材の拡販や代理店販売も好調であり、利益も確保出来ている状況にあります。また、地理空間情報や三次元画像処理による大型設備の保守メンテナンスや、AIを活用したソリューションサービス事業に関しては多種多様な業界からあらゆる要望がきており、成長の見込めるマーケットになります。2021年12月より新設したESG事業は、EVマーケットの中から派生した再生バッテリーを事業用ポータルバッテリーとしてリユースレンタルする環境配慮型の事業内容となります。しかし、当該事業については、四半期連結財務諸表「注記事項(四半期連結貸借対照表関係) 2 偶発債務」に記載のとおり、2024年1月15日に受領した第三者委員会の調査報告書における調査結果を踏まえ、実体のない可能性がある業務についての売上及び売上原価の取消を行っております。トリチウム除去分野では、トリチウム分離技術実装プレパイロット装置の製作を創イノベーション株式会社及び慶應義塾大学理工学部大村研究室と共同で進めております。東京電力より依頼されている二次評価の次のステップとなるフィージビリティスタディで求められる「提案社の技術能力および処理能力達成可能性」「廃棄物等」「運用性」「法令適合性等」「その他」の検討項目を明確にした実証試験に関する提案を行うことと、その更に次のステップとなる「福島第一原子力発電所構外における小規模実証試験」での使用を目的としています。また福島原発のALPS処理水だけでなく、世界の重水炉等で大量に発生するトリチウムの分離と再利用を目指しております。
(2) 財政状態の分析(資産)当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、2,410,874千円(前連結会計年度末比26.2%増)となりました。これは、販売用不動産が669,692千円増加したこと等によります。固定資産は、653,132千円(同50.4%減)となりました。これは、機械装置が703,927千円減少したこと等によります。この結果、当第1四半期連結会計期間末における総資産は、3,064,006千円(同5.0%減)となりました。
(負債)当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、688,515千円(前連結会計年度末比4.9%減)となりました。これは、買掛金が171,086千円減少し、その他が101,626千円増加したこと等によります。固定負債は、28,270千円(同19.6%減)となりました。これは、長期借入金が4,305千円、その他が3,379千円減少したこと等によります。この結果、当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、716,786千円(同5.6%減)となりました。
(純資産)当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、2,347,220千円(前連結会計年度末比4.8%減)となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失119,037千円を計上したことによります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動該当事項はありません。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社の資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。