【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響の下で、経済活動は当初抑制の状態から、政府の観光助成の効果を受けて、回復する兆しを見せましたが、いわゆる第3波による感染者数が増加する事態を受けて、2020年11月下旬以降、都市部の自治体が新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした飲食店の休業・営業時間の短縮を要請し、また、緊急事態宣言について、2021年1月上旬以降の2度目に続き、2021年4月下旬以降、3度目の緊急事態宣言が発令されるなど、先行きにつきましては、不透明な状況で推移いたしました。一方で、新型コロナワクチンの接種が2021年6月以降本格化し、接種が進んでいくことで、生活や経済活動における規制が緩和され、回復に向かうものと考えられます。
当飲食業界におきましても、上記の営業時間短縮要請やテレワークの広がり等によりお客様のご来店が減少する等、経営環境は厳しいものとなりました。
このような状況の下、当社グループは飲食事業において、2020年7月、東京都豊島区の大規模商業施設「ハレザ池袋」内にハンバーグにデミグラスソースをはじめ様々なソースやトッピングを組み合わせることで365日毎日ハンバーグを楽しむことが出来る「グリルデミ玉」の1号店をオープンいたしました。また、2020年12月、神奈川県平塚市の大規模商業施設「ららぽーと湘南平塚」内に、「健康と美容は毎日のおいしい食事から自分に」をテーマにした韓国料理専門店「VEGEGO(ベジゴー)オヌレシクタン&CAFE」をオープンいたしました。この店舗は、出店に際し、既存設備を引き継ぐことで初期投資を合理化することができております。現在商業施設による一定額の投資を負担頂く形態での出店を協議できる環境にあり、今後こうした取組みを進めることで、当社グループの競争力をより強化することが可能となってまいります。更に、2021年4月、兵庫県神戸市の大規模商業施設「EKIZO(エキゾ)神戸三宮」における、グローサラント「キッチン&マーケット」内に、本場イタリアの食文化に地元丹波産の旬の食材を掛け合わせた心躍る料理をライトな感覚で、気軽に手軽にお楽しみ頂くことをテーマにした、イタリア食材&デリ「ローマ商店」をオープンいたしました。
続いて、飲食事業において、既存店舗でのテイクアウトやデリバリーの販売強化を積極的に進めました。ティーラテ専門店「CHAVATY」のスイーツ等の商品を自社の公式オンラインショップで販売を進めており、また、有力ファッション誌「婦人画報」のECサイトにて販売が開始する等、ブランド力の認知度が高まり、非対面型サービス事業を強化することができました。石窯焼きにこだわったハンバーグ専門店「いしがまやハンバーグ」初のグローバル旗艦店「いしがまやGOKU BURGER」において、オープン当初から人気を博している「BLTチーズバーガー」とアンガス牛の血統に拘った「アイオワ・プレミアム・ビーフ」の2商品をEXILEはじめ著名なアーティストが多数所属するLDH JAPANのグループ会社である、株式会社LDH kitchenが運営する大人のエンタテインメントレストラン「Live & Restaurant LDH kitchen THE TOKYO HANEDA」への提供を始めることができました。いわゆるコロナ禍での競合優位性を確保する新たな取り組みに注力するとともに、エリアごとにお客様の嗜好に合わせて、メニューの内容を改変し、それぞれの業態において、単価が向上いたしました。このように多様化する消費者のニーズに対応するため、新たな業態の取組や、付加価値の高い料理の開発にも尽力しております。
プラットフォームシェアリング事業については、外食企業向けの更なるプラットフォーム強化を進めると共に、異業種のブランドホルダーに対する出店支援コンサルティング業務の提供も増加しており、今後につきましても、あらゆる可能性を模索しながら、事業の拡大に努めたいと考えています。
フランチャイズ事業については、西日本最大級の総合スーパーであるイズミが展開するショッピングセンター「ゆめタウン」への出店を行っており、今後も同社施設内への継続的な新規出店を進めるとともに、新規のクライアント開発も積極的に行ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、5,615百万円(前年同期比30.2%減)、営業損失1,371百万円(前年同期は営業損失368百万円)、経常損失560百万円(前年同期は経常損失366百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失544百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失609百万円)となりました。 なお、当社はセグメント情報の記載を省略しているため、セグメント業績の記載を省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は8,215百万円となりました。
流動資産合計は5,398百万円となり、前連結会計年度末と比較して258百万円減少しております。減少の主な要因は、現金及び預金が809百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産合計は2,817百万円となり、前連結会計年度末と比較して138百万円増加しております。増加の主な要因は、繰延税金資が109百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は7,347百万円となりました。
流動負債合計は1,997百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,236百万円減少しております。減少の主な要因は、短期借入金が3,725百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債合計は5,349百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,627百万円増加しております。増加の主な要因は、長期借入金が3,633百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は868百万円となりました。前連結会計年度末と比較して511百万円減少しております。減少の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失544百万円を計上したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における当社の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて816百万円減少し、4,236百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は856百万円(前連結会計年度は399百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失643百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は307百万円(前連結会計年度は484百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出92百万円、投資有価証券の取得による支出80百万円、無形固定資産の取得による支出51百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は338百万円(前連結会計年度は4,978百万円の増加)となりました。これは主に、借入金の純増加額338百万円(前期は4,886百万円の増加)によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので生産実績は記載しておりません。
(b)受注実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので受注実績は記載しておりません。
(c)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
前年同期比(%)
飲食事業(千円)
1,639,703
71.5
報告セグメント計(千円)
1,639,703
71.5
その他(千円)(注)3
-
-
合計
1,639,703
71.5
(注)1.金額は仕入価格によって表示しており、セグメント間の内部振替はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.その他は「プラットフォームシェアリング事業」「フランチャイズ事業」であります。
(d)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
前年同期比(%)
飲食事業(千円)
5,517,546
69.9
報告セグメント計(千円)
5,517,546
69.9
その他(千円)(注)3
98,002
62.1
合計
5,615,549
69.8
(注)1.金額は販売価格によって表示しており、セグメント間の内部振替はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.その他は「プラットフォームシェアリング事業」「フランチャイズ事業」であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当業界の参入障壁が比較的低いことから新規参入企業が増加する等、同業他社との競争がますます激化した場合に、当社グループが考える出店条件に合致する立地に出店できず、想定どおりの出店ができない可能性があり、また当社グループの展開する業態が多様化する顧客のニーズに応えられない場合が考えられます。加えて、食品表示偽装や食中毒事件等により、消費者の食の安全・安心に対する意識が一層高まり、外食そのものを倦厭する環境となった場合等も重要な影響を与える要因となります。当社グループにおいては、安全・安心を第一に考えた仕入ルートの確保や、店舗の衛生管理、従業員への衛生教育を引続き徹底してまいります。また、顧客のニーズを捉えた業態開発・商品開発を積極的に行うとともに、想定どおりの出店を進めるべく、物件情報の入手ルート及び商業施設のディベロッパー様とのパイプ強化等、物件開発体制の強化を図ってまいります。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について、当社グループでは、高い収益性と財務健全性を維持しながら株主の皆様に利益還元したいとの考えから、売上高営業利益率4.0%以上、ROE10.0%以上、配当性向30.0%を目標とする経営管理を行っております。
当連結会計年度においては、売上高営業利益率△24.4%、ROE△52.9%となりました。これは、当連結会計年度の大半の期間において、新型コロナウイルスの感染症拡大を受けて、緊急事態宣言等の発令により、売上高が減少したためであります。また、当期業績に鑑み、2021年6月30日を基準日とする剰余金の配当を見送っております。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループ資本の財源及び資金の流動性については、資金需要の多くは新規出店と既存店改装のための設備投資資金であり、投資活動によるキャッシュ・フローに示した有形固定資産の取得による支出が主なものとなっております。今後は、新規出店と既存店改装は営業活動によって得られる資金によって賄う方針でありますが、出店の拡充や、大型出店の判断に至った場合には、金融機関からの借入または資本市場からの直接資金の調達によって、必要資金の確保を進めていきたいと考えております。資本の財源についての分析は、(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、新型コロナウイルス感染症の影響を含め、第5 経理の状況、1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。