【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとお
りであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残るものの、ワクチン
接種等の対策が推進され、行動制限の緩和等が進んだことにより、徐々に回復基調となっております。一方、原
材料価格の高騰等の約40年ぶりとなるインフレ水準にあること、ウクライナ及びロシアの情勢による経済活動へ
の影響懸念、米国の金利上昇による急激な円安進行等、経済環境の先行きは不透明な状況が続くことが予想され
ています。
このような経済状況の中、当社は、国内屈指の実績を持つ成果報酬型コストマネジメント・コンサルティング
を中心としたコンサルティング事業の成長に取り組んだほか、前連結会計年度より当社独自のDXプラットフォー
ム「プロサイン」に対する本格的な開発投資を始めました。
まず、コンサルティング事業においては、顧客企業数を継続的に増加させ、当社が特に重視する企業規模(顧
客売上高100億円以上5,000億円未満の中堅・大企業)に該当する顧客企業の割合を全体の8割程度まで上昇させ
るなど、当社の顧客基盤を着実に強化することができました。加えて、2020年1月に実施した報酬体系の改定が
順調に進捗したこと、及び、インフレ状況下においても継続的にサービス提供を行うための、柔軟な報酬体系の
導入等を実施した結果、当社コンサルティング収益の持続的な成長を実現するための事業基盤が整いつつあると
いえます。
一方、足元における急激な物価上昇により、当初想定していたコスト削減の実現が困難となっていること、及
び、2020年以降現在も継続する、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を大きく受けた顧客業種からの当
社売上高が当初想定よりも下回って推移していることから、厳しい事業環境が続いております。
当社としては、当社が強みを持つ成果報酬型コストマネジメントに対する潜在需要は依然大きく、当社の市場
ポジションも強固であると考えており、営業リード獲得の加速、新事業領域の拡大等の施策を実行することによ
り、当該事業が早期に成長軌道に回帰するよう事業運営を行ってまいります。
プロサイン事業については、当連結会計年度末である2022年10月末時点において396社の導入を完了しており
ます。一方、急激なインフレ進行に伴い、当初想定していたプロサイン導入を契機としたコンサルティング収益が低下したことにより、当連結会計年度において、当該事業に係るソフトウエア及びソフトウエア仮勘定の帳簿価額783百万円の全額を減損損失として特別損失に計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,718百万円(前期比25.5%減)、営業損失148百万円(前期は
726百万円の営業利益)、経常損失209百万円(前期は523百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損
失871百万円(前期は533百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。なお、当社はコンサルティ
ング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ430百万円増加し、9,322百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ131百万円増加し、5,536百万円となりました。これは主に現金及び預金が
162百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ298百万円増加し、3,786百万円となりました。これは主にソフトウエア
及びソフトウエア仮勘定が288百万円減少した一方で、投資有価証券が645百万円増加したことによるものであり
ます。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ771百万円増加し、1,802百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ193百万円増加し、1,012百万円となりました。これは主に短期借入金が
100百万円減少した一方で、未払金が78百万円増加し、その他流動負債が144百万円増加したことによるものであり
ます。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ577百万円増加し、790百万円となりました。これは主に社債が80百万円減
少した一方で、長期借入金が656百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ340百万円減少し、7,519百万円となりました。こ
れは主に非支配株主持分が530百万円増加した一方で、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純損失の計上によ
り871百万円減少したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末より162百
万円増加し、4,729百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は
次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は186百万円(前期は307百万円の獲得)となりました。これは主に、減損損失が
783百万円、売上債権の減少が141百万円であった一方で、税金等調整前当期純損失が995百万円であったことに
よるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,109百万円(前期は2,679百万円の支出)となりました。これは主に、投資有
価証券の取得による支出662百万円、無形固定資産の取得による支出596百万円があったことによるものでありま
す。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,459百万円(前期は985百万円の獲得)となりました。これは主に、非支配株
主からの払込みによる収入962百万円、長期借入による収入712百万円があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しており
ます。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はコンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
サービスの名称
当連結会計年度
(自 2021年11月1日
至 2022年10月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
コンサルティング事業
2,718,380
△25.5
合計
2,718,380
△25.5
(注)主な相手先の販売実績は、いずれも総販売実績に対する当該割合が100分の10未満のため記載を省略しており
ます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについ
ては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に
記載のとおりであります。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
②経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、売上高2,718百万円(前期比25.5%減)となりました。これは主に、足元におけ
る急激な物価上昇により、当初想定していたコスト削減の実現が困難となっていることによるものでありま
す。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、1,358百万円(前期比7.8%減)となりました。これは主に、当社のコスト構
造の見直しにより費用抑制に努めたことによるものであります。
この結果、売上総利益は1,359百万円(前期比37.5%減)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損失
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,508百万円(前期比4.1%増)となりました。これは主に、
プロサイン事業に伴う人件費及び業務委託費用が増加したことによるものです。
この結果、営業損失は148百万円(前期は726百万円の営業利益)となりました。
d.経常損失
当連結会計年度において営業外収益が198百万円(前期比1,723%増)、営業外費用は主に投資事業組合管理
費の計上により258百万円(前期比21.2%増)発生しております。この結果、経常損失は209百万円
(前期は523百万円の経常利益)となりました。
e.特別損益、包括利益
税金等調整前当期純損失は995百万円(前期は523百万円の税金等調整前当期純利益)となりましたが、
法人税等合計112百万円(前期比36.9%減)の計上により包括利益は△1,107百万円(前期は346百万円の
包括利益)となりました。
③財政状態の状況
財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フ
ローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照ください。
④キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャ
ッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照くださ
い。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、人件費等や従業員等の採用に係る人材関連費用、並びに販売費及び一般管理費等の営業費用への資金需要があります。
当事業年度における資金の主な増減要因については、「第2 事業の概況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、人材の
確保等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニ
ーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適
切に対応を行ってまいります。
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