【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社グループは、国内屈指の実績を持つ成果報酬型コストマネジメント・コンサルティングを中心としたコンサルティング事業の成長に取り組んでおります。
コンサルティング事業においては、インフレ進行の影響により想定以上にコスト削減の実現が困難となっていることから、厳しい事業環境が続いております。他方で、コストマネジメントに対する需要及び成果報酬型ではサービス提供が難しい企業活動への様々な支援に対する需要は依然として高い状況が続いており、これらに応えるためサービスの拡充を進めております。当社グループとしては、成果報酬型コストマネジメント・コンサルティングの立て直しに加え、固定報酬型コンサルティングサービス拡充による事業の成長により、成長軌道に回帰するよう事業運営を行ってまいります。
プロサイン事業については、BSMにおいて事業譲渡が完了し、事業譲渡益215百万円を計上しております。なお、賃貸借契約書を含む店舗情報を一元管理できる賃貸借契約書管理(店舗情報管理)サービスについては、引き続き当社が開発及び運営しております。
また、当社グループが出資している投資事業有限責任組合の運用の結果、投資事業組合運用益5,075百万円を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,715百万円(前期比0.1%減)、営業損失372百万円(前期は148百万円の営業損失)、経常利益4,378百万円(前期は209百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益818百万円(前期は871百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。なお、当社はコンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ2,655百万円増加し、11,978百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ636百万円増加し、6,172百万円となりました。これは主に売掛金及び契約資産が51百万円減少したものの、現金及び預金が674百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,018百万円増加し、5,805百万円となりました。これは主にのれんが30百万円減少したものの、投資有価証券が2,019百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ108百万円増加し、1,911百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ91百万円減少し、920百万円となりました。これは主に未払費用が67百万円、買掛金が48百万円、賞与引当金が41百万円、1年内返済予定の長期借入金が22百万円増加したものの、その他流動負債が192百万円、未払金が100百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ200百万円増加し、991百万円となりました。これは主に社債が80百万円減少したもの、長期借入金が274百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2,546百万円増加し、10,066百万円となりました。これは主に減資により資本金が2,015百万円減少したものの、資本金からの振替により資本剰余金が2,015百万円、非支配株主持分が1,667百万円、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により818百万円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末より674百万円増加し、5,404百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は579百万円(前期は186百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,590百万円があった一方で、投資有価証券運用益5,075百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は3,250百万円(前期は1,109百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出2,385百万円があった一方で、投資有価証券の売却による収入5,365百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果として使用した資金は、1,996百万円(前期は1,459百万円の獲得)となりました。これは主に、非支配株主からの払込みによる収入1,993百万円、長期借入れによる収入342百万円があった一方で、非支配株主への分配金の支払額4,205百万円があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はコンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
サービスの名称
当連結会計年度
(自 2022年11月1日
至 2023年10月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
コンサルティング事業
2,715,262
△0.1
合計
2,715,262
△0.1
(注)主な相手先の販売実績は、いずれも総販売実績に対する当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、売上高2,715百万円(前期比0.1%減)となりました。これは主に、足元における急激な物価上昇により、当初想定していたコスト削減の実現が困難となっていることによるものであります。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、1,952百万円(前期比43.7%増)となりました。これは主に、新規事業に係
る人件費を販管費から売上原価へ変更したこと及び、人材配置の見直しを行ったことによるものです。
この結果、売上総利益は763百万円(前期比43.9%減)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損失
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,135百万円(前期比24.7%減)となりました。これは主に、新規事業に係る費用を販管費から売上原価へ変更したことによるものです。
この結果、営業損失は372百万円(前期は148百万円の営業損失)となりました。
d.経常利益
当連結会計年度において主に投資事業組合運用益の計上により営業外収益が5,082百万円(前期比246倍)、営業外費用は主に投資事業組合管理費の計上により332百万円(前期比28.4%増)発生しております。この結果、経常利益は4,378百万円(前期は209百万円の経常損失)となりました。
e.特別損益、包括利益
税金等調整前当期純利益は事業譲渡益の計上により4,590百万円(前期は995百万円の税金等調整前当期純損失)となりましたが、法人税等合計87百万円(前期比21.9%減)の計上により包括利益は4,513百万円(前期は△1,107百万円の包括利益)となりました。
③財政状態の状況
財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照ください。
④キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、人件費等や従業員等の採用に係る人材関連費用、並びに販売費及び一般管理費等の営業費用への資金需要があります。
当事業年度における資金の主な増減要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、人材の確保等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
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