【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による休業要請や人の移動の制限などにより、経済活動が大きく抑制され個人消費も低迷するなど、景気は急速に悪化し極めて厳しい状況となりました。ワクチンの先行接種が始まり経済活動の正常化への期待が高まっていますが、一部地域において三度目の緊急事態宣言並びにまん延防止等重点措置が講じられるなど、先行きにつきましては依然として不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社グループは当期を2年目とする3か年の中期経営計画『ISHIZUKA 2021 ~次の100年に向けて~』において、前中期経営計画から引き続き「グループ横断機能の更なる強化」を推進するとともに、最終年度である2021年度に「営業利益率5%の達成」及び「非容器事業を連結売上高の10%まで拡大」をめざして取り組んでおります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛や消費の低迷により大部分の主要セグメントの売上高が減少し、グループ全体の売上高は64,940百万円(前期比11.9%減)、営業利益852百万円(前期比65.9%減)、経常利益1,153百万円(前期比46.7%減)となりました。また、ガラスびん関連事業の減損損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失3,023百万円(前期は1,180百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)と前年を大きく下回る結果となりました。セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
<ガラスびん関連事業>ガラスびんは、飲食店用途向けのビールびんや清酒びん及び焼酎びん等の出荷が大幅に減少したことなどにより、売上高は13,868百万円(前期比16.8%減)となりました。 <ハウスウェア関連事業>ガラス食器は、アルコールメーカー向けの業務用品及び景品の受注が減少したほか、一般市場向けの販売も落ち込みました。陶磁器は、海外のエアライン及び国内外のホテル・レストラン向け並びに国内の企業向けの受注が減少したことなどにより、セグメント全体の売上高は9,661百万円(前期比26.5%減)となりました。 <紙容器関連事業>紙容器は、小学校の臨時休校による学乳向けの受注とテレワーク等による都市圏のオフィス需要の減少などにより、売上高は7,252百万円(前期比2.0%減)となりました。 <プラスチック容器関連事業>プラスチック容器は、テレワークの実施などでオフィス街を中心に自動販売機やコンビニエンスストアでの販売が落ち込んだことによりPETボトル用プリフォームの主要ユーザーからの受注が減少し、売上高は27,550百万円(前期比11.1%減)となりました。 <産業器材関連事業>産業器材は、巣ごもり需要の増加に伴い調理器用トッププレートの受注が増加したことなどにより、売上高は2,042百万円(前期比3.2%増)となりましたが、当該影響を除くと概ね前期並みです。 <その他事業>抗菌剤は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響もあり、特に海外市場の需要が大きく増加したことにより販売が拡大しました。金属キャップは医薬品向けの受注が増加し、セグメント全体の売上高は4,564百万円(前期比28.2%増)となりました。
生産、仕入、受注及び販売の実績は次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
ガラスびん関連
11,816
76.3
ハウスウェア関連
5,789
68.1
紙容器関連
6,987
96.5
プラスチック容器関連
26,800
86.7
産業器材関連
2,091
111.4
報告セグメント計
53,486
83.5
その他
3,514
131.4
合計
57,000
85.5
(注) 1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
ガラスびん関連
665
73.2
ハウスウェア関連
1,045
53.0
紙容器関連
118
297.8
プラスチック容器関連
117
68.4
産業器材関連
2
98.8
報告セグメント計
1,948
63.0
その他
67
64.8
合計
2,016
63.0
(注) 1.金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前期比(%)
受注残高(百万円)
前期比(%)
ガラスびん関連
13,052
80.0
3,418
84.5
ハウスウェア関連
5,013
58.6
871
76.8
紙容器関連
7,051
96.0
1,178
98.2
プラスチック容器関連
27,670
89.9
5,179
98.7
産業器材関連
1,978
96.5
37
36.6
報告セグメント計
54,766
84.2
10,685
91.1
その他
3,461
145.1
242
138.2
合計
58,228
86.4
10,927
91.8
(注) 1.ハウスウェア関連のうち、直需専用品等は受注生産を行っておりますが、一般品等は見込生産を行っております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
ガラスびん関連
13,868
83.2
ハウスウェア関連
9,661
73.5
紙容器関連
7,252
98.0
プラスチック容器関連
27,550
88.9
産業器材関連
2,042
103.2
報告セグメント計
60,375
86.0
その他
4,564
128.2
合計
64,940
88.1
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
13,064
17.7
11,281
17.4
アサヒ飲料株式会社
9,876
13.4
8,314
12.8
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 翌連結会計年度の目標とする経営指標2022年3月期の連結経営成績につきましては、売上高70,000百万円、営業利益2,100百万円、経常利益1,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,700百万円を見込んでおり、中期経営計画最終事業年度において基本方針に掲げた定量的目標である『営業利益率5%の達成』及び『非容器事業を連結売上高の10%まで拡大』の達成は難しい状況ですが、骨子である「営業利益率」、「非容器事業の売上高拡大」及び「グループ横断機能の更なる強化」を引き続き追求してまいります。
(3) 財政状態 当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は80,564百万円(前期比2,250百万円減)、負債合計は53,905百万円(前期比970百万円減)、純資産合計は26,659百万円(前期比1,280百万円減)となりました。資産は、減損損失の計上などにより有形固定資産が大きく減少し、受取手形及び売掛金並びに現金及び預金が増加しました。受取手形及び売掛金は一部回収サイトを見直し、現金及び預金は手元資金の流動性を確保したことによるものです。負債につきましては、設備取得に係る未払金が大きく減少し、有利子負債が増加しました。純資産は、株価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加はあったものの、利益剰余金の減少により自己資本比率は28.6%(前連結会計年度末は30.1%)となりました。
(4) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ973百万円増加し、3,598百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、4,211百万円(前年同期は5,756百万円の資金増加)となりました。資金増加の主な要因は、減価償却費及び仕入債務の増加によるものです。一方、資金減少の主な要因は、税金等調整前当期純損失及び売上債権の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、4,376百万円(前年同期は5,419百万円の資金減少)となりました。資金減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果増加した資金は、1,107百万円(前年同期は1,238百万円の資金減少)となりました。資金増加の主な要因は、社債の発行による収入、長期借入金による収入及びセール・アンド・リースバックによる収入によるものです。一方、資金減少の主な要因は、長期借入金の返済による支出、リース債務の返済による支出及び社債の償還による支出によるものです。
また、新型コロナウイルス感染症に関するリスク対応策として、金融機関と総額2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保しております。
(5) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原燃料や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。必要な手元資金を確保しつつ、突発的な資金手当てにつきましては、短期資金調達枠の利用により機動的に対応することで流動性リスクに備えています。また、今後の事業戦略に必要な設備投資やM&A等の資金需要につきましては、必要に応じて資金調達を行ってまいります。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。(固定資産の減損)当社グループは、主として事業セグメントを基礎に資産のグルーピングを行い、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。連結財務諸表作成時に入手可能な情報をもとに作成した事業計画により将来キャッシュ・フローの見積りを行っていますが、経営環境や市場動向の変化により、その見積りの前提とした条件又は仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降に減損処理が必要となる可能性があります。なお、当連結会計年度においては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※5 減損損失」に記載のとおり、ガラスびん関連事業について減損損失3,648百万円を計上しております。(繰延税金資産の回収可能性)当社グループでは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の見積り及び回収可能性の判断にあたっては、連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、今後の経営環境の変化に伴い課税所得の見積りが変化する場合には、回収可能額の見直しを行い繰延税金資産資産の計上額が変動するため、税金費用に影響を与える影響があります。
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