【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。(1)経営成績の状況当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、自動車を中心に輸出が堅調に推移していることなどから、緩やかな拡大基調をたどっておりますが、物価の上昇圧力などから国内の金融政策に変化の兆しが見えております。また、国外に目を向けても米国や中国の景気に不安要因があることから、わが国経済の先行きに対する不透明感があります。当社が属する不動産業界におきましては、2023年11月に公表された国土交通省の調査「主要都市の高度利用地地価動向報告」によれば、2023年第3四半期(2023年7月1日~2023年10月1日)の主要都市・高度利用地80地区の地価動向は、2023年第2四半期(2023年4月1日~2023年7月1日)に比べ、上昇が78地区、残る2地区が横ばいとなっております。また、当社の主力事業である中古住宅の売買については、公益社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)に登録されている物件情報の集計結果である「市況動向データ」(2023年12月公表)によると、中古戸建住宅の成約状況は、中国地方が9月~11月累計で前年同四半期比11.0%増となりました。九州地方においては9月~11月累計で同11.2%増となりました。このような環境の中、当社は、2023年7月に4年ぶりに糸島店(福岡県糸島市)を出店したほか、不動産売買事業において新たな顧客管理システムを導入するなど、主力の不動産売買事業に注力いたしました。しかしながら、自社不動産の販売件数が前年同四半期を下回ったことにより、不動産売買事業の売上高は減少いたしました。この結果、当第2四半期累計期間の売上高は3,200,555千円(前年同四半期比17.9%減)となりました。売上高が減少したことに加え、販売費及び一般管理費が前年同四半期を上回ったため、営業利益は85,047千円(同72.9%減)、経常利益は85,101千円(同72.8%減)となりました。四半期純利益は、59,211千円(同72.9%減)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
①不動産売買事業自社不動産売買事業については、営業エリアの不動産売買の仲介事業者に対して積極的に新規開拓を行うなど、取引先の拡充に努めるとともに、中古住宅に関する情報の入手に注力いたしました。しかし、新築建売事業者の新築住宅の低価格施策などにより、自社不動産は顧客からの反響が減少し、販売件数が182件(前年同四半期比49件減)にとどまりました。1件当たりの自社不動産の平均販売単価が15,740千円と前年同四半期の15,352千円を387千円上回ったものの、自社不動産売買事業の売上高は前年同四半期を下回りました。なお、自社不動産の仕入件数は227件となりました。不動産売買仲介事業については、売買仲介件数の減少により売買仲介手数料は前年同四半期を下回りました。これらの結果、不動産売買事業の売上高は3,045,782千円(前年同四半期比18.5%減)となりました。売上高の減少から、営業利益は333,192千円(同36.1%減)となりました。
②不動産賃貸事業不動産賃貸仲介事業については、賃貸仲介手数料及び請負工事高が前年同四半期を上回ったことから、売上高は前年同四半期を上回りました。不動産管理受託事業については、管理物件の受託件数が前年同四半期を上回り管理料が前年同四半期を上回りましたが、請負工事高の大幅な減少等から、売上高は前年同四半期を下回りました。自社不動産賃貸事業については、売上高は前年同四半期を上回りました。
これらの結果、不動産賃貸事業の売上高は98,260千円(前年同四半期比4.3%減)、売上高の減少等により営業利益は16,080千円(同4.2%減)となりました。
③不動産関連事業保険代理店事業については、火災保険の新規契約及び契約の更新需要の獲得を図ったほか、付保率の向上に努めました。しかしながら、前年10月以降、長期契約が5年に短縮されて成約単価が低下したことから、売上高は前年同四半期を下回りました。これらの結果、不動産関連事業の売上高は15,782千円(前年同四半期比17.7%減)、売上高の減少等により、営業利益は7,596千円(同30.1%減)となりました。
④その他事業介護福祉事業については、物品販売が前年同四半期を上回ったものの、請負工事高が前年同四半期を下回ったため、売上高は前年同四半期を下回りました。これらの結果、その他事業の売上高は40,729千円(前年同四半期比2.3%減)となり、売上高の減少等により営業損失は1,036千円(前年同四半期は営業利益267千円)となりました。
(2)財政状態の状況 ①資産当第2四半期会計期間末の総資産合計は、6,440,673千円となり、前事業年度末に比べて772,051千円増加しました。流動資産は5,592,730千円となり、前事業年度末に比べて712,564千円増加しました。これは主として、リフォーム工事の進捗により仕掛販売用不動産等が258,256千円減少し、現金及び預金も72,865千円減少したものの、自社不動産の販売件数が想定を下回り、販売用不動産が1,022,152千円増加したことによるものであります。固定資産は847,942千円となり、前事業年度末に比べて59,487千円増加しました。これは主として土地が59,464千円増加したことによるものであります。
②負債当第2四半期会計期間末の負債合計は、2,406,142千円となり、前事業年度末に比べて811,803千円増加しました。流動負債は1,612,561千円となり、前事業年度末に比べて811,867千円増加しました。これは主として未払法人税が68,398千円減少し、買掛金が28,800千円減少したものの、短期借入金が944,520千円増加したことによるものであります。固定負債は793,580千円となり、前事業年度末に比べて64千円減少しました。
③純資産当第2四半期会計期間末の純資産合計は、4,034,530千円となり、前事業年度末に比べて39,751千円減少しました。これは主として四半期純利益59,211千円を計上したものの、配当金の支払100,306千円があったことによるものであります。 以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の71.9%から62.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況 当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税引前四半期純利益86,289千円(前年同四半期72.4%減)を計上し、短期借入金の借入等があったものの、棚卸資産が大幅に増加したことにより、当第2四半期累計期間末には96,866千円減少し、650,743千円となりました。当第2四半期累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により使用した資金は、835,185千円(前年同四半期は91,509千円の使用)となりました。これは主に税引前四半期純利益86,289千円があったものの、棚卸資産の増加額764,894千円及び法人税等の支払額101,887千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、101,412千円(前年同四半期は31,035千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出78,389千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により獲得した資金は、839,731千円(前年同四半期は165,373千円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払額100,270千円があったものの、短期借入金の増加額950,000千円によるものであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析①資金需要当社は、主力の自社不動産売買事業において中古住宅等の仕入れ及びリフォーム工事の費用の支払等の資金需要が大きいことに加え、今後の選択肢としてリフォームできない中古住宅については更地もしくは新築住宅の建築も選択肢とする可能性も年々、大きくなっており、資金ニーズが高くなる傾向にあると考えております。さらに、収益性及び将来の転売等を視野に入れて収益物件を取得する必要があることも認識しております。また、営業人員を積極的に採用する方針であり、採用した従業員の研修にも注力していくことから、費用が今後、増える見通しであります。営業人員の充実により当社の営業力が向上すると期待され、その後に、不動産売買事業の店舗の出店や移転に伴う費用の支出も予想されます。これらの資金の必要額は個別には大きくないものの、まとまると流動性の面で無視できないと考えます。
②財源資金需要に対する財源としては、利益剰余金に加え、長期・短期の借入金を活用してまいります。当社は、資金需要の金額あるいは時期に応じて機動的な借り入れができるよう、金融情勢に注意を払いつつ、金融機関と良好な関係を継続してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。