【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(自 2023年6月1日 至 2023年11月30日)の概況は、以下のとおりであります。
愛知県の戸建住宅市場は、資材価格の上昇に伴う住宅への価格転嫁、物価上昇による実質賃金の低下等により消費者の購買意欲が低調に推移する等、厳しい市場環境となりました。同市場においては、需給のバランスが崩れたことにより、供給過剰な状況で推移しました。
住宅事業では、これまで戸建分譲住宅のシェア拡大を目指し用地取得を促進してきましたが、一部において、商品化に時間及びコスト等を要する用地を取得したことに加え、市場の需要を的確に捉えた住宅商品の供給ができなかったことにより販売期間が長期化し、当期は販売用在庫が基準量を大きく上回る状況でスタートしました。
このような状況下、棚卸資産の圧縮を進めるため用地仕入、部材生産及び住宅着工の制限を行ったことに加え、販売期間が長期化した在庫の販売価格を見直す等、戸建分譲住宅の販売に注力したことで一定量の棚卸資産の削減を進めました。
その一方で、生産活動の制限による稼働率の低下や、資材価格の上昇を販売価格に転嫁しきれなかったことにより、住宅建築コストは高い水準で推移しました。さらに、販売期間が長期化した在庫の販売価格引き下げにより、住宅事業の収益性は著しく悪化しました。
棚卸資産の圧縮は進みましたが、引き続き一部の販売用在庫について、下半期においても現価格での販売が難しい状況が続くと見込まれるため、棚卸資産評価損を計上して簿価を見直すこととしました。
財務状態改善に向けた取り組みの中、これからの住宅商品の収益性を回復すべく商品改善及びコスト削減へ着手、当該商品は下半期の後半に供給できる見込みです。
住宅事業以外の状況としては、余暇事業ではゴルフ場運営による収益が堅調に推移したことに加え、「HOTEL WOOD高山」は来客数が前年同期比で増加、都市事業では収益不動産5棟の売却を実現しました。
当社グループでは厳しい経営環境の状況下においても、「木質カスケード事業」の実現に向け、長期的な視点で利益貢献及び環境貢献を目指した取り組みを行ってきました。具体的には、2024年6月営業開始に向けて製材工場(岐阜県美濃加茂市及び加茂郡八百津町)建設を進めるとともに、自社所有の森林資源を有効活用するための原木伐採を開始しました。建設資材の製造・販売を行う株式会社フォレストノートでは、外販比率を大幅に高めるために積極的な営業活動を行い、顧客基盤の拡大を図りました。また、住宅事業に接する事業である「非住宅木造」、「都市木造」等の建設事業を伸長させていく等、グループ各社が戸建住宅事業の業績に大きく左右されないよう、各社の事業を推し進めていく方針です。
2024年6月に実施予定であります持株会社体制への移行により、中長期的には各事業への投資について機動的に対応できる体制を構築したいと考えております。
<連結業績>
当社グループの主たる事業である住宅事業での著しい収益性の低下及び戸建住宅販売戸数が前年同期比で減少したことを主な要因として営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する四半期純損失を計上しました。
また、経営環境の著しい変化が生じたことにより、繰延税金資産の回収可能性について検討を行い、その一部につき取崩しを行いました。
売上高
営業損失(△)
経常損失(△)
親会社株主に
帰属する四半期
純損失(△)
当期実績
18,143百万円
△1,308百万円
△1,487百万円
△1,650百万円
前年同期比
19.7%減
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(注)営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する四半期純損失であるため、前年同期比は記載しておりません。
<販売実績>
戸建住宅
集合住宅
合計
当期実績
384戸
(5棟)88戸
472戸
前年同期比
27.1%減
528.6%増
12.8%減
<セグメント実績>
a 住宅事業
戸建分譲住宅の開発・販売及び住宅建設資材の製造・販売
売上高
セグメント損失(△)
主な増減要因
当期実績
15,733百万円
△1,378百万円
販売戸数の減少及び収益性の著しい悪化によりセグメント損失を計上
前年同期比
23.7%減
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(注)セグメント損失であるため、前年同期比は記載しておりません。
b 余暇事業
ゴルフ場及びホテル並びに公共施設の運営管理及び施設管理
売上高
セグメント利益
主な増減要因
当期実績
1,400百万円
336百万円
ゴルフ場運営及びホテル運営等が堅調に推移し売上高及びセグメント利益が増加
前年同期比
9.4%増
16.0%増
c 都市事業
収益不動産の開発並びに施設等の維持管理等
売上高
セグメント利益
主な増減要因
当期実績
1,043百万円
81百万円
収益不動産(集合住宅5棟)の販売により売上高及びセグメント利益が増加
前年同期比
35.5%増
215.8%増
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは棚卸資産の減少10,278百万円(前年同期は4,356百万円の増加)を主な要因として、8,510百万円の収入(前年同期は4,868百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、製材工場の建設に伴う有形固定資産の取得等により、1,490百万円の支出(前年同期比163.1%増)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の売却に伴う借入金の減少により、6,592百万円の支出(前年同期は5,256百万円の収入)となりました。
以上の結果により、現金及び現金同等物は427百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末残高は3,680百万円(前年同期比18.3%減)となりました。
(3) 財政状態の分析
① 資産
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、棚卸資産の販売による減少を主な要因として、前連結会計年度末と比較し9,089百万円減少し、29,129百万円となりました。
② 負債
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、棚卸資産の販売に伴う借入金の減少を主な要因として、前連結会計年度末と比較し7,465百万円減少し、23,390百万円となりました。
③ 純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により、前連結会計年度末と比較し1,624百万円減少し、5,738百万円となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。