【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は1,920,983千円となり、前連結会計年度末に比べ22,479千円増加いたしました。これは主に、売掛金が28,582千円減少した一方で、投資有価証券が46,382千円増加、現金及び預金が38,605千円増加したことによるものであります。
売掛金の減少は、前連結会計年度末に比べ当第3四半期連結会計期間の受注が減少したことによるものであります。投資有価証券の増加は、UT創業者の会投資事業有限責任組合及びCSP1号投資事業有限責任組合への出資によるものであります。現金及び預金の増加は、営業活動による収入が投資活動・財務活動による支出を上回ったことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は470,319千円となり、前連結会計年度末に比べ55,560千円減少いたしました。これは主に、前受金が32,157千円減少したことによるものであります。
前受金の減少は、主に前期末に計上されていた人材紹介手数料に係る前受金を、4月に集中する対象者の入社により売上高に振替えたことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は1,450,663千円となり、前連結会計年度末に比べ78,040千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益(純資産の増加)94,737千円を計上した一方で、利益剰余金の配当(純資産の減少)20,991千円を行ったことによる、利益剰余金の増加73,746千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は75.5%(前連結会計年度末は72.3%)となりました。
(2)経営成績の状況
当社グループの事業領域であるスタートアップ・ベンチャー企業をはじめとした新産業領域(注)における人的資本を取り巻く環境では、政府が掲げる「新しい資本主義」において、スタートアップの育成及び人への投資の抜本的強化が重点戦略の中に位置づけられており、スタートアップの育成が日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会課題を解決する鍵であるとして、2022年11月28日に「スタートアップ育成5カ年計画」が発表されました。政府はその中の3本柱のひとつとして、スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築を掲げており、人的資本の重要性が高まっております。さらに、2022年3月15日に提言された経団連の「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して~」においても、5年後までに起業数10倍、成功レベル10倍(ユニコーン企業数約100社・デカコーン企業数2社以上)が成長目標に据えられ、そのために起こすべき7つの変化の一つが「人材の流動化、優秀人材をスタートアップエコシステムへ」となっております。2022年8月には、これらのスタートアップ政策の司令塔として、「スタートアップ担当大臣」のポストが追加されるなど、少子高齢化・人口減少による経済停滞という社会課題を解決するための重点投資領域として、「人」と「スタートアップ・ベンチャー企業」が位置づけられ、今後さらに取り組みが強化されていく中で、当社グループの事業機会もより拡大していくものと考えております。
このような経営環境の中、当社グループは、「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける」というミッションを掲げ、新産業領域における人材の最適配置を中心として、人の持つ可能性に着目した「新産業領域における才能の最適配置を目指すプラットフォーム」を提供してまいりました。
当第3四半期連結累計期間において、キャリアサービス分野では、当社グループの主力サービスである新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」を含む学生向けサービスにおいて、2023年3月卒業学生の会員集客及び求人企業とのマッチングに苦戦し、2023年4月入社に係る成功報酬が減少したこと等から、売上高が前年同期比4.9%減少となりました。一方で、社会人向けサービスにおいて、求職者との面談数を増加させたことによる求人企業とのマッチング創出に成功し、売上高は前年同期比53.2%の増加となりました。その結果、キャリアサービス分野の売上高としては、前年同期比0.5%減少となりました。メディア・SaaS分野では、売上高が前年同期比11.3%減少となりました。これは、若手イノベーション人材向けビジネスメディア「FastGrow」における受注減によるもの及び、1on1の仕組みをつくるSaaS型HRサービス「TeamUp」の売上高の減少によるものであります。販売費及び一般管理費については、主に人件費や採用活動費の減少により、前年同期比0.6%の減少となりました。また、本年度より開始いたしました新規事業である動画×経験学習プラットフォーム「メタノビ」について、当初想定していた計画との著しい乖離が見込まれることから、当第3四半期連結会計期間に事業計画の見直しを行った結果、当該ソフトウエアを減損処理することとし、特別損失12,460千円を計上しております。
この結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営成績は、売上高1,112,900千円(前年同期比2.6%減)、営業利益161,228千円(同19.3%減)、経常利益157,726千円(同22.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益94,737千円(同26.0%減)となりました。
(注)「新産業領域」とは、スタートアップ・ベンチャー企業における新規事業やイノベーションへの取り組みのみならず、大企業におけるビジネスモデル革新やイノベーション探索等のトランスフォーメーション及び中堅・中小企業における事業承継型の経営革新を含む領域として当社で定義しております。
なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省 略しておりますが、売上高については、キャリアサービス分野及びメディア・SaaS分野を事業部門として区分し、 さらに、キャリアサービス分野は、学生向けサービス及び社会人向けサービスに細分化して分析しております。
事業部門
前第3四半期連結累計期間
(自 2022年3月1日
至 2022年11月30日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2023年3月1日
至 2023年11月30日)
金額(千円)
前年同期比(%)
金額(千円)
前年同期比(%)
キャリアサービス分野
916,703
95.6
912,250
99.5
学生向けサービス
847,285
100.7
805,935
95.1
社会人向けサービス
69,418
59.0
106,315
153.2
メディア・SaaS分野
226,198
139.7
200,649
88.7
合計
1,142,902
102.0
1,112,900
97.4
また、2023年5月31日に提出した有価証券報告書の「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (2)事業内容に関するリスク ⑦業績の季節的変動について」に記載のとおり、当社グループの売上高構成比が最も大きく、主要事業である「Goodfind」においては、顧客企業の新卒学生向けの採用活動が活発に行われる時期に売上が集中いたします。さらに、新卒学生に係る人材紹介手数料については、入社日基準により売上高を認識しているため、新卒学生の多くが入社する4月に売上高が集中いたします。この結果、第1四半期に売上高及び営業利益が集中する傾向にあります。
各四半期連結会計期間の推移は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) (単位:千円)
第1四半期
連結会計期間
第2四半期
連結会計期間
第3四半期
連結会計期間
第4四半期
連結会計期間
通期
売上高
548,531
299,026
295,344
328,687
1,471,590
営業利益又は
営業損失(△)
230,876
△5,211
△25,816
8,814
208,662
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) (単位:千円)
第1四半期
連結会計期間
第2四半期
連結会計期間
第3四半期
連結会計期間
第4四半期
連結会計期間
通期
売上高
481,721
346,750
284,428
-
-
営業利益又は
営業損失(△)
149,478
40,642
△28,892
-
-
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
(8)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(9)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要として主なものは、人件費、人材獲得のための採用費、業務委託費、新規顧客企業獲得や求職者獲得のための広告宣伝費であります。これらの必要資金については、営業活動により獲得した自己資金を充当することを基本方針としながら、今後の資金需要や金利動向等を勘案し、必要に応じて金融機関からの借入やエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定であります。なお、これらの資金調達方法の優先順位は、資金需要や資金使途等に合わせて最適な方法を検討・選択する予定であります。
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は1,695,368千円であり、資金需要に対して必要な資金は確保されております。なお、当社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しており、当第3四半期連結会計期間末における当座貸越極度額及び借入未実行残高は100,000千円あります。金融・資本市場の流動性が低下した状況下においては、当該当座貸越極度額を使用することによって流動性を確保いたします。
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