【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の分析
当社グループは、「未来の常識を創る。」をミッションとし、IoT技術を駆使したソリューションで幅広い業界の課題解決に貢献する「IoTビジネスイノベーション」、建設現場のDXに特化したIoTソリューションで建設業界の課題解決に貢献する「コンストラクションソリューション」、GXニーズに対応した太陽光発電EPC事業にIoTソリューションの付加価値創出でサステナビリティの実現に向けて取り組む「IoTパワード」の3つのソリューション区分で事業展開しております。
当第1四半期連結累計期間に於けるソリューション区分毎の市場環境及び経営戦略についての認識は以下のとおりです。
「IoTビジネスイノベーション」は特定の産業を対象としておりませんが、日本が抱える社会課題である労働人口の減少に対する各企業の取り組みは強化されてきており、省人化において直面する課題に対しIoTサービスを通じて課題解決を図るチャンスと捉え、当社グループが果たすべき役割はますます高まっております。国内IoT市場も既に5兆円を超える規模と想定され、今後も年約8%成長を予想されており、成長市場に属しております。当社グループでは、安定的な成長と高利益率を背景に今後も安定した利益成長を図る分野として取り組んでいく所存です。
「コンストラクションソリューション」が事業を推進する建設業界は、国内企業の建設投資意欲や公共投資が底堅く推移しており、建設需要が増加基調となっております。一方で、人件費や建設資材価格が高水準で推移しており、建設各社は生産性と収益性の改善が求められております。さらに、慢性的な人手不足や長時間労働が常態化している構造的な課題に加え、2024年4月の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」の上限規制の建設業に対する適用への対応に迫られております。これらの課題を解決するため、建設業界においては、DX推進が喫緊の課題となっておりIT投資意欲は旺盛に推移しております。当社グループでは、これら建設DXニーズを獲得し市場シェアを拡大する為の先行投資を可能とするべく、今後対策を講じていく所存です。
「IoTパワード」が事業を推進するGX分野においても、日本が掲げる2030年度の温室効果ガス46%削減、2050年カーボンニュートラルの実現という国際公約に向け各企業の取り組みは強化されてきており、今後益々のESG投資が見込まれる中、クリーンエネルギー設備への投資も増加が予想されております。当社グループでは、これらGXニーズを獲得し市場シェアを拡大すべく、今期は戦略的なコスト投下が必要な先行投資期間と位置付けており、2025年度以降の売上・利益拡大フェーズに向けた組織整備、パートナー会社等ネットワークの強化に重点的に取り組む所存です。
以上、3つのソリューション区分全て成長市場で事業を推進しておりますが、その反面、市場への魅力から競合他社も多く参入してきており、競争も激化していると認識しております。
当第1四半期連結累計期間の業績は、以下のとおりです。
売上高595,584千円(前年同四半期比5.1%減)、営業損失44,090千円(前年同四半期は営業損失24,692千円)、経常損失41,795千円(前年同四半期は経常損失26,566千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失44,851千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失24,449千円)となりました。なお、当社グループは提供するサービスの性質上、売上高の計上に関して以下の通り季節的変動があります。
ソリューション
季節的変動の説明
IoTビジネスイノベーション
システムの受託開発は、システム投資動向に左右され、多くの顧客が決算直前期の納品を希望することから、3月にソリューション提供及び売上高計上が集中する傾向にあります。
「ゆりもっと」のロードヒーティング遠隔監視代行業務に係る売上は、積雪期である12月から3月がサービス提供及び売上高計上のピークとなります。
コンストラクションソリューション
「現場ロイド」は、公共工事現場に対するサービス提供が中心であり、需要状況が工事現場数に相関することから、9月から11月がサービス提供及び売上高計上のピークとなります。
報告セグメントにつきましてはIoTインテグレーション事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、各ソリューション区分に沿って当第1四半期連結累計期間の業績をご報告致します。
(IoTビジネスイノベーション)
自社開発ソリューションである融雪システム遠隔監視ソリューション「ゆりもっと」、KDDI株式会社との連携強化による「KDDI IoTクラウドStandard」の機能改善、大型案件の継続受注、株式会社ユアスタンドとの業務・資本提携によるEV充電スタンドの拡販、株式会社プレステージ・インターナショナルのグループ企業である株式会社プレミア・エイドとの合弁会社「株式会社プレミア・ブライトコネクト」におけるモビリティサービスの協業、積水樹脂株式会社とのシナジー等、大手企業及び協力会社との協業を軸に事業拡大に注力致しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間においては、ゆりもっと、積水樹脂株式会社との共同開発が順調に推移しておりますが、前年同四半期に連結子会社であった株式会社フィット(2023年8月に株式売却)の売上実績が無くなったこと等から、242,714千円(前年同四半期比21.0%減)となりました。
(コンストラクションソリューション)
自社開発ソリューションである建設現場向けDXサービス「現場ロイド」を中心に、建設DX製品を数多く取り揃えている他、大手ゼネコンとの共同製品開発等にも注力致しました。当ソリューション区分はエコモット株式会社からカーブアウトし、2023年12月1日付で株式会社GRIFFY(グリフィー)として分社化しております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間においては、一時的な新規受注の減少により244,244千円(前年同四半期比15.2%減)となりました。
(IoTパワード)
2022年12月16日付で譲受した太陽光発電設備に係る土地開発・施工販売・O&Mを主力事業とし、組織整備・パートナー会社等ネットワーク強化に注力致しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間においては、前年同四半期に連結子会社であった株式会社ゴモジー(2023年8月に株式売却)の売上実績が無くなり株式会社パワーでんきイノベーションのみで構成されておりますが、旺盛なGXニーズにより108,625千円(前年同四半期比238.0%増)となりました。
② 財政状態の分析
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、1,918,064千円と前連結会計年度末(1,832,768千円)と比較し85,296千円増加しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が97,128千円減少した一方、電子記録債権が76,630千円、仕掛販売用発電設備が75,875千円それぞれ増加したことによるものです。
(固定資産)
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は、413,203千円と前連結会計年度末(404,658千円)と比較し8,545千円増加しました。これは主に、有形固定資産が9,833千円増加したことによるものです。
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、1,047,956千円と前連結会計年度末(868,373千円)と比較し179,583千円増加しました。これは主に、契約負債が168,066千円増加したことによるものです。
(固定負債)
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は、395,311千円と前連結会計年度末(436,146千円)と比較し40,834千円減少しました。これは主に、長期借入金が42,132千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、888,000千円と前連結会計年度末(932,907千円)と比較し44,907千円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失44,851千円を計上したことによるものです。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1,950千円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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