【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
① 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化を背景に、各種催事の復活によりサービス消費が緩やかに持ち直したことや、インバウンド需要が増加したことなどから、景気は回復基調を維持しました。しかし、世界的な金融引き締め政策の継続や中国の景気回復遅れ、長期化する原材料・エネルギー価格の高止まりなど、経済環境に与える影響が引き続き懸念されます。当社グループ事業に関連のあるインテリア業界において、国内の新設住宅着工戸数は前年同期比7.1%減、非住宅分野では着工床面積が同12.7%減となりました。また、自動車業界において、国内の日系自動車メーカーの生産台数は前年同期比14.0%増となりました。海外においても生産台数は増加し、前年同期を上回りました。
当社グループは、3年目となる中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」の方針の下、各種施策を推進しております。インテリア事業では、水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」など、環境にやさしく、健康に配慮した製品の拡販に努めております。また、空間全体の設計・デザインを行うスペース デザイン ビジネスでは領域の拡大を図っており、グループ連携によるシナジー効果が現れつつあります。SUMINOEブランドの認知向上に取り組むとともに、インテリア事業全体で顧客ニーズに柔軟に応え、競争力を強化いたします。自動車・車両内装事業では、自動車関連は、加飾事業のグローバル展開及び合成皮革などの非繊維商材の技術開発と受注拡大に取り組むとともに、再生ポリエステル繊維「スミトロン」を活用したシート表皮「エコニックス」をはじめとする環境対応型商材の拡販にも注力しております。また原材料価格が高騰するなかで、原材料調達及び生産地の最適化を図り、適切な価格転嫁にも引き続き取り組んでおります。車両関連では、前期に子会社化した関織物株式会社との連携により製品の意匠性や機能性の高度化を進め、鉄道・バス事業者の利用客数増加に伴う需要回復へ迅速に対応できる開発・生産体制を整えております。さらに、鉄道・バス内装材以外への市場拡大や新規分野への展開にも注力しております。機能資材事業では、繊維系暖房商材の生産拠点であった中国からベトナムへの工場再編を完了させ、前期よりベトナム工場が繊維系暖房商材の主生産工場となりました。地域リスクを分散し、より最適な供給体制を目指すことで、不透明な外部環境へ対応してまいります。また、繊維系暖房商材の新たな展開として、2023年11月に株式会社スミノエが運営する「カーペットマルシェ」にて新たに「USBクッション&ブランケット」の販売を開始するなど、BtoC向けの取り組みも進めております。併せて、開発部門である技術・生産本部との連携を強化し、製品の開発スピード向上と開発営業力の強化にも取り組み、既存事業での確実な受注と市場ニーズに応じた新たな機能性加工技術の確立、新規機能材の活用などによる製品開発・販売に注力しております。グループ全体では、基幹システムの再構築や連結業績管理の精緻化に取り組んでおり、事業の成長に向けた土台づくりを着実に進めております。前期に財務会計システムの根幹となる債権・債務及び一般会計システムと、生産管理システムを当社へ導入いたしました。現在グループ会社へ展開しており、経営管理体制の高度化の実現及び保守運営コスト削減や業務改善による効率化を推進しております。
2023年に創業140周年を迎え、さらなる企業ブランド価値の向上を目指し、ブランディングに取り組んでおります。前期は、改めてSUMINOE GROUPの強みや社会への提供価値を抽出し、2023年6月1日に「グループ理念」及びこれまでのシーホースマークの伝統を引き継ぎながらブラッシュアップした「グループ統一ロゴ」とタグライン「あらゆる空間に、イノベーションを。」を発表いたしました。SUMINOE GROUP一体となってビジネスを推進するとともに事業を越えたシナジー効果を発揮し、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。
当第2四半期連結累計期間における連結業績は、以下のとおりとなりました。
売上高は、半導体や部品供給不足の緩和に伴う日系自動車メーカーの生産台数増加により、自動車・車両内装事業の売上が伸長したことなどから、前年同期比13.2%増の514億9百万円となりました。利益面では、増収に加え、北中米拠点での事業再編が奏功するなどし、営業利益は14億5百万円(前年同期 営業損失2億18百万円)、経常利益は16億93百万円(同 経常利益1億48百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億53百万円(同 親会社株主に帰属する四半期純損失6億87百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
セグメント
売上高
セグメント利益
金額(百万円)
前年同期比(%)
金額(百万円)
前年同期比(%)
インテリア事業
17,621
+2.4
195
△53.5
自動車・車両内装事業
31,533
+23.4
2,130
+822.7
機能資材事業
2,067
△15.7
84
△22.6
その他
186
△4.5
33
△10.9
小計
51,409
+13.2
2,444
+206.1
調整額
-
-
△1,038
-
合計
51,409
+13.2
1,405
-
(インテリア事業)
業務用カーペットはタイルカーペットを中心に販売数量が増加したほか、「空間」全体をデザインするスペース デザイン ビジネスも堅調に推移したことなどから、売上高は前年同期比2.4%増の176億21百万円となりました。セグメント利益は、家庭用カーペットの減収に加え、価格転嫁を進めるものの為替変動などによる原材料価格高騰の影響を受けたことから、同53.5%減の1億95百万円となりました。 業務用カーペットでは、環境配慮への意識の高まりから、株式会社スミノエが販売する水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」の納入物件数が増加し、売上高は前年同期比5.1%増となりました。 家庭用カーペットでは、新たな販路としてペット関連商品の開発・販売に注力したものの、外出機会が増加していることから市場の停滞は続いており、売上高は同16.2%減となりました。 カーテンでは、納入物件の増加により医療・福祉・教育施設向け「コントラクトFace(フェイス)Vol. 20.1」の売上が伸長し、売上高は同1.7%増となりました。 壁装関連では、ルノン株式会社が昨年発売を開始した、時代と共に進化し続けるモダンデザインを表した襖紙見本帳「景勝 第32集」の販売が堅調に推移したことなどから、売上高は同1.9%増となりました。 スペース デザイン ビジネスでは、新たな得意先への開拓が受注物件の増加へとつながり、売上高は同6.5%増となりました。
(自動車・車両内装事業)
国内外における日系自動車メーカーの生産台数増加に伴い自動車関連売上が堅調に推移するとともに、車両関連でも回復傾向である鉄道・バス向け内装材需要へ着実に対応したことで、自動車・車両内装事業全体の売上高は過去10年で最高の伸び率となる前年同期比23.4%増の315億33百万円となりました。利益面では、増収に加え、北中米拠点における事業再編が実を結び、セグメント利益は同822.7%増の21億30百万円となりました。 自動車関連では、半導体や部品供給不足の緩和に伴い日系自動車メーカーの生産台数は増加傾向にあり、国内の売上高は前年同期比25.2%増となりました。海外では、中国において日系自動車メーカーが苦戦しているものの、当社グループの中国拠点では日本での完成車組み立て生産分の売上が堅調に推移しました。また、北中米及び東南アジア拠点での売上が伸長するとともに為替による押し上げ効果もあったことから、海外の売上高は同20.4%増となりました。 車両関連では、インバウンド需要拡大や外出機会の増加を受けて公共交通機関の利用客数が増加し、鉄道リニューアル工事も回復基調となったことから、鉄道向けの売上高は前年同期を上回りました。また、バス向け内装材も路線バスを中心とした需要回復に伴い堅調に推移したことなどから、車両関連全体での売上高は前年同期を上回りました。
(機能資材事業)
消臭・フィルター関連は、空気清浄機向け消臭フィルターの需要反動減による停滞が続いたものの、家庭用電化製品の新ジャンル向けとなる商材が立ち上がり、家庭用脱臭・消臭剤Tispa「香りでごまかさない 本当の消臭」の販売も好調に推移したことから、売上は前年同期を上回りました。浴室床材の受注量は前年同期に届かなかったものの、販売価格改定などにより売上は増加しました。主力製品であるホットカーペットなどの繊維系暖房商材は、市況低迷の影響を受け新規受注数が減少し、売上は前年同期を下回りました。以上のことから、機能資材事業全体の売上高は前年同期比15.7%減の20億67百万円、セグメント利益は同22.6%減の84百万円となりました。
② 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の総資産は、売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ66億81百万円増加し、948億32百万円となりました。負債につきましては、仕入債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ37億30百万円増加し、577億68百万円となりました。純資産につきましては、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ29億50百万円増加し、370億63百万円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ28億26百万円増加し、97億56百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加や法人税等の支払等があったものの、税金等調整前四半期純利益や仕入債務の増加等により、29億14百万円の収入(前年同期は2億11百万円の支出)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、6億94百万円の支出(前年同期は21億70百万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減による支出や長期借入金の返済による支出等があったものの、長期借入れによる収入や自己株式の売却による収入等により4億24百万円の収入(前年同期は12億2百万円の収入)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、5億31百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。