【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの国内感染症法上の位置づけが5類に移行し、行動制限の緩和から人流の増加やインバウンド需要の回帰等により、緩やかな回復基調で推移しました。一方、長引くロシア・ウクライナ間の紛争をはじめとした不安定な国際情勢等の影響から、エネルギー価格や原材料価格の高騰、円安、インフレなど、依然として先行き不透明な景況が続いております。
当社グループが主にサービスを提供する情報産業分野においては、デジタル技術の進展・普及に伴い、あらゆる産業で企業の生産性向上や競争力強化を目的としたIT・DX関連のニーズは高まっており、クラウドを活用したシステムインテグレーションやシステム運用・保守等へのIT投資需要は堅調に推移いたしました。経営戦略を支える最適なITインフラの重要性が増し、そのためのサービスや人材への需要は拡大している一方、国内のIT人材不足やITスキル向上には大きな課題を有しております。当社グループでは、質の高いエンジニアの採用・育成に取り組むほか、ビジネスパートナーを積極的に活用して、様々なITサービスの提供を行っております。
このような環境の下、良質なエンジニアの育成や社内エンジニアのDXシフト等によるサービスの価値向上に取り組むほか、ビジネスパートナーリソースの活用も含め、IT・DX領域の社会実装と運用を担う「デジタルインテグレーター」としての事業基盤の整備を行いました。
これらの結果、当社グループの売上高は5,364,245千円(前年同期比6.6%増)、営業利益は525,126千円(前年同期比6.2%増)、経常利益は529,752千円(前年同期比16.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は300,792千円(前年同期比25.8%減)となりました。
また、事業分野別のセグメント概況は、以下のとおりであります。
前第3四半期連結会計期間より、従来の「システムインテグレーション事業」、「デジタルトランスフォーメーション事業」、「みどりクラウド事業」及び「機械設計エンジニアリング事業」の4区分より、「システムインテグレーション事業」、「デジタルトランスフォーメーション事業」を統合して「デジタルインテグレーション事業」とし、「デジタルインテグレーション事業」「みどりクラウド事業」及び「機械設計エンジニアリング事業」の3区分に変更しております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
① デジタルインテグレーション事業
デジタルインテグレーション事業においては、ITインフラソリューションとしてITシステムの構築・運用・保守を手掛けるほか、IoTクラウドサポートセンターでは24時間365日体制でクラウドインフラやIoTサービスの運用を提供し、企業のICT環境のクラウド化を幅広く支援しております。また、クラウドシステムの運用・定着化領域として統合人事システム「COMPANY」の導入・定着化支援を手掛けるほか、株式会社セラクの完全子会社である株式会社セラクCCCにおいて、「Salesforce」の定着化支援を軸としたカスタマーサクセスソリューションサービスを提供しております。
当第1四半期連結累計期間においては、ITシステムの構築運用、クラウド基盤への移行や24時間365日対応のマネージドサービスを中心とした底堅いIT投資需要のもと、ビジネスパートナーの活用や関係構築を含め、更なる取引拡大を可能とする体制の構築に注力いたしました。また、株式会社セラクCCCにおいては、Salesforce関連の新サービスの開発や協業等を行うほか、データ分析やデジタルマーケティングに対応できるエンジニアを育成し、サービスの拡充と付加価値向上に努めました。
これらの結果、当セグメントの売上高は5,141,159千円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益は531,700千円(前年同期比8.3%増)となりました。
② みどりクラウド事業
みどりクラウド事業では、ITを用いて農業・畜産・水産のDX化を支援する「みどりクラウド」「ファームクラウド」などのプラットフォームサービス、一次産業をはじめとした各産業分野の個別課題を解決するソリューションサービスを展開しております。2023年3月には、青果流通の現場に二次元バーコードやクラウドシステムなどを用いたデジタル技術を導入する「みどりクラウド らくらく出荷」をリリースし、全国のJAに向けた拡販を行っております。
当第1四半期連結累計期間においては、プラットフォームサービスの利用拡大を目指すほか、「みどりクラウド らくらく出荷」における営業活動の推進、新商品開発等に注力いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は71,716千円(前年同期比25.7%減)、セグメント損失は18,185千円(前年同期はセグメント損失12,165千円)となりました。
③ 機械設計エンジニアリング事業
機械設計エンジニアリング事業においては、連結子会社である株式会社セラクビジネスソリューションズでの3DCAD分野の技術、実験や性能検査などの品質管理に関わる技術、通信建設及び情報通信に関する技術を提供しております。
当第1四半期連結累計期間においては、CADエンジニアの採用・育成に注力した他、安定した稼働率や新しい技術領域で案件が獲得できたことから、売上高は堅調に推移いたしました。引き続き各領域での案件獲得が期待され、教育によるエンジニアの付加価値向上や地理的展開を図りつつ、企業規模を拡大させてまいります。
これらの結果、当セグメントの売上高は170,371千円(前年同期比10.4%増)、セグメント利益は8,310千円(前年同期比47.7%減)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ177,298千円増加し11,430,963千円となりました。これは主に、現金及び預金が96,532千円減少したものの、繰延税金資産が151,343千円、敷金及び保証金が46,682千円、流動資産その他が36,257千円、保険積立金が29,539千円増加したことなどによるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ222,950千円増加し4,572,398千円となりました。これは主に、賞与引当金が542,270千円、未払法人税等が101,372千円、未払消費税等が92,907千円、流動負債その他が41,986千円減少したものの、未払金が1,016,310千円増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ45,651千円減少し6,858,565千円となりました。これは主に、利益剰余金が155,314千円増加したものの自己株式が199,953千円増加したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は6,317千円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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