【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当連結グループが属する建設コンサルタント業界の経営環境は、2023年度の国土交通省の当初予算において、基本方針として「国民の安全・安心の確保」「経済社会活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」「豊かで活力ある地方創りと分散型国づくり」の3つの柱が掲げられ、2022年度と同様に比較的厚めの公共事業関係費予算が組まれたことに加えて、2023年度補正予算においても、「国土強靭化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する」として、1兆5千億円余りの予算が計上されるなど、国内事業については、安定的な業務量の確保が可能な経営環境が続いております。
また、海外事業におきましても、新型コロナ感染症による規制が解除され、徐々に改善傾向にあります。
このような状況の中、中期経営計画3年目にあたる当期におきましては、1.既存事業強化とサービス領域の拡充、2.多様化するニーズへの対応力強化、3.環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築という、第5次中期経営計画における3つの基本方針のもと、以下の取り組みを進めております。
(1)事業戦略強化と事業領域の拡大
(2)バリューチェーンの全社最適化と経営管理機能の強化
(3)資本コストや株価を意識した経営
(4)サプライチェーンにおける人権の尊重
(5)サステナビリティへの取り組み
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、9月に発生した台風災害の災害復旧業務対応により、新規契約や変更契約の遅延等の影響を受け、受注高については、177億99百万円(前年同期比98.8%)と前年実績を若干下回ったものの概ね計画の範囲内の水準を確保し、売上高については、第1四半期に引き続き、一部業務に工期の延伸等があったことから78億79百万円(前年同期比93.0%)となりました。
損益面においては、営業損失14億26百万円(前年同期は営業損失12億55百万円)、経常損失12億96百万円(同 経常損失11億24百万円)となり、親会社株主に帰属する四半期純損失9億86百万円(同 親会社株主に帰属する四半期純損失8億95百万円)となりました。
これは、受注の大半が官公需という特性により、通常の営業の形態として、納期が年度末に集中し、売上高については主として顧客に成果品を納品した時点で収益を認識することとしているため、売上高が第4四半期連結会計期間に偏重する傾向にあること、固定費や販売費及び一般管理費については月々ほぼ均等に発生することから、第3四半期連結累計期間までは利益が上がりにくい事業形態となっているためであります。
なお、当連結グループのセグメントは、総合建設コンサルタント事業のみの単一セグメントでありますので、セグメント別の経営成績は記載しておりません。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ91百万円減少し、391億3百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ14億円減少し、250億85百万円となりました。これは主に、棚卸資産が49億54百万円増加した一方で、現金及び預金が56億55百万円、売掛金及び契約資産が16億22百万円、それぞれ減少したことによるものであります。なお、当連結グループの業務の特性として、業務の完成及び顧客からの入金が第4四半期連結会計期間に偏重する傾向にあります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ13億9百万円増加し、140億18百万円となりました。これは主に、無形固定資産のその他に含まれるソフトウェアが2億60百万円、投資有価証券が4億89百万円、繰延税金資産が4億64百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
当第2四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比べ14億58百万円増加し、107億83百万円となりました。これは主に、業務未払金が4億65百万円、流動負債のその他に含まれている未払金が3億78百万円、未払費用が4億45百万円、未払消費税等が3億39百万円、それぞれ減少した一方で、短期借入金が26億円、契約負債が8億41百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比べ15億49百万円減少し、283億19百万円となりました。これは主に、当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純損益が9億86百万円の損失計上となったこと、配当金8億3百万円を支払ったことにより利益剰余金が17億90百万円減少したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ55億75百万円減少し、104億18百万円(前年同期比4億60百万円増)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は、64億19百万円となりました(前年同期は71億84百万円の減少)。
これは主に、税金等調整前四半期純損益が12億99百万円の損失計上となったこと、棚卸資産が49億54百万円増加したことによるものであります。
なお、当連結グループの顧客からの入金は、第4四半期連結会計期間に偏る傾向にあります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、8億18百万円となりました(前年同期は9億76百万円の減少)。
これは主に、有形固定資産の取得により3億17百万円、無形固定資産の取得により5億30百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、16億60百万円となりました(前年同期は10億94百万円の増加)。
これは主に、長期借入金の返済により1億24百万円、配当金の支払により8億2百万円、それぞれ減少した一方で、短期の借り入れにより26億円増加したことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応)
当社は、資本コストや株価を意識してグループ企業価値の最大化に取り組んでおり、第5次中期経営計画(2022年5月期~2025年5月期)では、資本コストを検証し、従来、「ROE(自己資本利益率)8%以上」としていたKPI(経営重要指標)を「ROE10%以上」に上方修正しております。具体的な施策としましては、営業利益率の更なる向上、資本構成の再検討に加え、中長期的にはМ&Aを含めた成長投資による収益基盤づくりを推し進めてまいります。企業価値向上に向けた基本的な考え方については統合報告書にお示ししており、当社ホームページ(URL www.ej-hds.co.jp/ir/library/pdf/corpreport/2023_tougou.pdf)において開示しております。
なお、上記を除き、当第2四半期連結累計期間において、当連結グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費用の総額は27百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当連結グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C2153JP #EJHD #サービス業セクター