【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
(単位:百万円)
2022年9月期
連結会計年度
2023年9月期
連結会計年度
増減率
売上高
59,193
71,149
20.2%
売上原価
40,564
44,841
10.5%
売上総利益
18,628
26,307
41.2%
販売費及び一般管理費
6,883
8,041
16.8%
営業利益
11,744
18,265
55.5%
営業外収益
1,874
3,495
86.5%
営業外費用
1,152
3,771
227.4%
経常利益
12,466
17,989
44.3%
親会社株主に帰属する
当期純利益
8,475
12,466
47.1%
当連結会計年度においては、世界経済は、世界的な金融引締めが続く中での金融資本市場の変動や物価上昇等がありましたが、景気は総じて回復基調が続きました。一方、日本経済においても、各種政策の効果もあって、景気は緩やかな回復が続きました。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に従い、各種施策の実施に努め、ポストコロナの成長路線をまい進しました。
当社事業の第1の柱であるリースファンド事業においては、好調な出資金販売が通期で継続し、通期の過去最高の売上高を更新しました。第2の柱である不動産ファンド事業の国内不動産においては、通期の不動産小口化商品販売額が過去最高を更新し、不動産ファンド事業の海外不動産も第3の柱として大幅な増益に貢献しました。
この結果、連結売上高は71,149百万円(前年度比20.2%増)、営業利益は18,265百万円(前年度比55.5%増)、経常利益は17,989百万円(前年度比44.3%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は12,466百万円(前年度比47.1%増)となり、通期の過去最高の連結売上高(2022年9月期の59,193百万円)と過去最高益(2019年9月期の営業利益14,432百万円、経常利益14,394百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10,035百万円)を更新する大幅な増収増益を達成しました。
売上高/売上原価/売上総利益
(単位:百万円)
2022年9月期
連結会計年度
2023年9月期
連結会計年度
増減率
売上高
59,193
71,149
20.2%
リースファンド事業
14,232
22,184
55.9%
不動産ファンド事業
43,691
47,900
9.6%
国内不動産
42,890
45,076
5.1%
海外不動産
801
2,823
252.5%
その他事業
1,268
1,064
△16.1%
売上原価
40,564
44,841
10.5%
売上総利益
18,628
26,307
41.2%
(単位:百万円)
2022年9月期
連結会計年度
2023年9月期
連結会計年度
増減率
リースファンド事業
リース事業組成金額
308,922
359,218
16.3%
出資金販売額
68,720
136,334
98.4%
不動産ファンド事業 国内不動産
不動産ファンド事業組成金額
56,260
47,060
△16.4%
不動産小口化商品販売額
42,570
44,570
4.7%
不動産ファンド事業 海外不動産
不動産ファンド事業組成金額
18,492
18,049
△2.4%
出資金販売額(海外不動産)
5,010
17,030
239.9%
用語の説明
[リース事業組成金額]
組成したオペレーティング・リース事業案件のリース物件の取得価額の合計額であります。
[出資金販売額][出資金販売額(海外不動産)]
出資金(オペレーティング・リース事業の匿名組合出資持分及び任意組合出資持分並びに海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分)について、リース開始日までに投資家へ私募の取扱いを行ったもの及びリース開始日時点で当社又は当社子会社が一旦立替取得し、(連結)貸借対照表の「商品出資金」に計上したものについて、投資家へ譲渡したものの合計額であります。なお、[出資金販売額]には、信託機能を活用した航空機リース事業案件に係る信託受益権譲渡価額を含めております。
[不動産ファンド事業組成金額]
国内不動産の不動産小口化商品について信託受益権1個当たりの価額に組成個数を乗じた額及び海外不動産についてのリース物件の取得価額であります。
[不動産小口化商品販売額]
信託受益権1個当たりの価額に販売個数を乗じた額となります。
売上高は71,149百万円(前年度比20.2%増)となりました。
(リースファンド事業)
投資家からの旺盛な需要と潤沢な在庫を背景に積極的な販売を継続した結果、出資金販売額は、コロナ禍前の水準にほぼ回復する136,334百万円(前年度比98.4%増)となり、売上高は通期の過去最高の売上高(2019年9月期の21,127百万円(注))を更新し、22,184百万円(前年度比55.9%増)となりました。
また、リースファンド事業における組成金額は、航空機案件は厳選して組成を行う方針を継続しつつ、CO2削減に関連したトランジション・ファイナンスに係る大型案件を中心に、船舶やコンテナの海運案件を積極的に組成した結果、359,218百万円(前年度比16.3%増)となりました。
(注)2019年9月期の事業区分に基づくリースアレンジメント事業の売上高20,806百万円と航空機投資管理サービス事業の売上高321百万円の合計額であります。
(不動産ファンド事業 国内不動産)
国内不動産は、不動産小口化商品販売額が通期ベースで過去最高となる44,570百万円(前年度比4.7%増)となった結果、売上高は45,076百万円(前年度比5.1%増)となりました。
また国内不動産の不動産ファンド事業における組成金額は、2022年10月に当社における過去最大の大規模案件となる「FPGリンクス渋谷道玄坂」を組成する等、47,060百万円(前年度比16.4%減)となりました。
(不動産ファンド事業 海外不動産)
海外不動産は、2023年3月より販売を開始した集団投資事業案件の第2号案件である、米国ハワイ州ホノルル市の大規模リゾートホテル「Queen Kapiolani Hotel」案件の販売が好調に推移し、第4四半期には四半期ベースで過去最高販売額を更新する等、出資金販売額が17,030百万円(前年度比239.9%増)となった結果、売上高は2,823百万円(前年度比252.5%増)となりました。
また、海外不動産の不動産ファンド事業における組成金額は、2022年12月に「Queen Kapiolani Hotel」案件を組成した結果、18,049百万円(前年度比2.4%減)となりました。
(その他事業)
その他事業の売上高は1,064百万円(前年度比16.1%減)となりました。
(注)保険事業、M&A事業、プライベートエクイティ事業及び航空事業等を総称して、「その他事業」としております。
売上原価は44,841百万円(前年度比10.5%増)となりました。これは主に、前年度に引き続き金銭の信託(組成用航空機)に関する評価損を1,695百万円計上(前年度は1,217百万円)したこと、顧客紹介に係る手数料が増加したこと、不動産小口化商品の販売増加に伴って原価が増加したことによるものです。
上記の結果、売上総利益は、26,307百万円(前年度比41.2%増)となりました。
販売費及び一般管理費
(単位:百万円)
2022年9月期
連結会計年度
2023年9月期
連結会計年度
増減率
販売費及び一般管理費
6,883
8,041
16.8%
人件費
3,970
4,446
12.0%
その他
2,912
3,594
23.4%
(注)人件費には、給料手当、賞与(引当金繰入額含む)、法定福利費、福利厚生費、退職給付費用、人材採用費等を含めております。
販売費及び一般管理費は、8,041百万円(前年度比16.8%増)となりました。
これは、人件費が4,446百万円(前年度比12.0%増)、その他の費用が3,594百万円(前年度比23.4%増)となったことによるものであります。
営業利益
上記の結果、営業利益は、18,265百万円(前年度比55.5%増)となりました。
営業外収益/営業外費用
(単位:百万円)
2022年9月期
連結会計年度
2023年9月期
連結会計年度
増減率
営業外収益
1,874
3,495
86.5%
受取利息
234
779
232.5%
金銭の信託運用益
797
208
△73.8%
為替差益
143
-
-
不動産賃貸料
634
1,735
173.5%
持分法による投資利益
38
222
483.3%
航空機賃貸収入
-
544
-
その他
25
4
△81.4%
営業外費用
1,152
3,771
227.4%
支払利息
413
1,064
157.5%
支払手数料
569
727
27.8%
為替差損
-
1,574
-
その他
169
404
139.0%
営業外収益は3,495百万円(前年度比86.5%増)となりました。これは主に、組成用不動産が増加したことにより不動産賃貸料が1,735百万円(前年度比173.5%増)となったこと、また投資家から収受している商品出資金の立替利息相当額の増加に伴い受取利息が779百万円(前年度比232.5%増)、持分法による投資利益が222百万円(前年度比483.3%増)、さらに賃貸資産に係る航空機賃貸収入が544百万円となったことによるものであります。
営業外費用は、3,771百万円(前年度比227.4%増)となりました。これは主に、支払利息が1,064百万円(前年度比157.5%増)、支払手数料が727百万円(前年度比27.8%増)、外貨建ノンリコースローンの換算差額や外貨建資産の為替変動リスクをヘッジするための為替予約コスト等による為替差損が1,574百万円(前年度は143百万円の為替差益)となったことによるものであります。
経常利益/特別損益/親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は17,989百万円(前年度比44.3%増)となりました。
特別利益は294百万円となりました。これは主に当社の完全子会社であった株式会社FPGテクノロジー(現 株式会社カタクラ・クロステクノロジー)の全株式を売却したことに伴い関係会社株式売却益を計上したことによるものであります。
特別損失は427百万円(前年度比134.6%増)となりました。これは主にFPG Amentum Limitedに係るのれん等の減損損失357百万円を計上したことによるものであります。
上記の結果、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は12,466百万円(前年度比47.1%増)となりました。
なお、当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」でありますが、全セグメントに占める「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント別の情報の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(単位:百万円)
2022年
9月末
2023年
9月末
増減額
資産合計
158,052
183,675
25,623
流動資産
152,737
168,290
15,553
(現金及び預金)
13,119
15,984
2,864
(組成資産)
133,190
139,416
6,226
(その他)
6,427
12,889
6,461
固定資産
5,315
15,384
10,069
負債合計
121,892
139,377
17,484
流動負債
107,859
120,997
13,137
(借入金・社債)
86,358
94,907
8,549
(契約負債)
12,932
13,713
781
(その他)
8,568
12,375
3,807
固定負債
14,032
18,379
4,346
(借入金・社債)
13,489
18,038
4,548
(その他)
542
341
△201
純資産合計
36,159
44,298
8,138
自己資本比率
22.8%
24.1%
資産合計は183,675百万円(前年度末比25,623百万円の増加)となりました。これは主に、積極的な商品組成によって組成資産が増加したこと、また賃貸資産(航空機)を取得したことによるものです。
負債合計は、139,377百万円(前年度末比17,484百万円の増加)となりました。これは主に、組成資産及び賃貸資産取得のための資金調達の増加に伴い借入金・社債が増加したことによるものです。
純資産合計は44,298百万円(前年度末比8,138百万円の増加)となりました。これは主に前年度の期末配当4,270百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を12,466百万円計上したことによるものです。
組成資産及び借入金・社債の状況は以下のとおりです。
組成資産の状況
(単位:百万円)
2022年
9月末
2023年
9月末
増減額
組成資産合計
133,190
139,416
6,226
リースファンド事業
96,057
99,516
3,458
商品出資金
75,189
81,130
5,940
金銭の信託(組成用航空機)(注)
20,868
18,386
△2,481
不動産ファンド事業 国内不動産
31,632
37,630
5,998
組成用不動産
31,632
37,630
5,998
不動産ファンド事業 海外不動産
5,500
2,270
△3,230
商品出資金
5,500
2,270
△3,230
(注)当社が組成する信託機能を活用した航空機リース事業案件は、当該リース事業を遂行する特定金外信託契約に係る受益権を投資家に譲渡するものであり、当社は、この法的実態を鑑み、未販売の当該受益権相当額を「金銭の信託(組成用航空機)」に計上しております。当該信託契約は、当社が信託の受託者である株式会社FPG信託に金銭を信託し、同社が当初委託者である当社の指図に基づき、当該金銭をもって航空機を購入したうえで、航空会社にリース・市場売却等を行うものであります。信託受益権を、投資家に譲渡することで、委託者の地位が承継されると共に、信託財産から生じる譲渡後の損益が投資家に帰属いたします。
(リースファンド事業)
未販売の匿名組合出資持分・任意組合出資持分を計上する商品出資金は、海運案件を中心に2024年9月期の販売も見据えた過去最高の期末在庫額を確保した結果、前年度末に比べ増加しました。金銭の信託(組成用航空機)は、評価損の計上等により、前年度末に比べ減少しました。
(不動産ファンド事業 国内不動産)
国内不動産のさらなる拡大に向けて、2022年10月に過去最大の大規模案件となる「FPGリンクス渋谷道玄坂」の組成を行う等、投資家からの旺盛な需要に応えるため、過去最高となる期末在庫額を確保した結果、組成用不動産は、前年度末に比べ増加しました。
(不動産ファンド事業 海外不動産)
海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分を計上する商品出資金は、2022年12月に第2号案件となる米国ハワイ州ホノルル市の大規模リゾートホテル「Queen Kapiolani Hotel」を組成した一方で、旺盛な需要に応えるため販売を進めた結果、前年度末に比べ減少しました。
借入金・社債の状況
(単位:百万円)
2022年
9月末
2023年
9月末
増減額
借入金・社債合計
99,848
112,946
13,097
流動負債
86,358
94,907
8,549
短期借入金
72,842
75,372
2,530
コマーシャル・ペーパー
9,000
9,000
-
1年以内返済予定の長期借入金
4,516
10,163
5,647
1年以内返済予定の長期ノンリコースローン
-
371
371
固定負債
13,489
18,038
4,548
長期借入金
12,389
11,531
△858
社債
1,100
1,100
-
長期ノンリコースローン
-
5,407
5,407
コミットメントライン契約
及び当座貸越契約の総額
117,495
134,635
17,140
組成資産及び賃貸資産取得のための資金調達の増加に伴い借入金・社債の残高が増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて2,864百万円増加し、14,584百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
積極的な組成により、商品出資金、組成用不動産が増加した一方で、税金等調整前当期純利益を計上したため、営業活動から得られた資金は4,774百万円(前年度は50,872百万円の資金支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
賃貸資産を取得したこと等から、投資活動において使用した資金は9,359百万円(前年度は552百万円の資金支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払をした一方で、手元現預金の確保並びに組成資産及び賃貸資産取得のための資金調達を進めたことから、財務活動から得られた資金は7,342百万円(前年度は43,646百万円の資金収入)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループでは生産活動は行っておりません。また、当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」でありますが、全セグメントのうち「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しており、セグメント別の生産実績の記載は行っておりませんが、代替的指標として、売上高の多くを占めるリースファンド事業におけるリース事業組成金額及び不動産ファンド事業における不動産ファンド事業組成金額は、以下のとおりであります。
当連結会計年度
(自 2022年10月1日
至 2023年9月30日)
前年度比
リースファンド事業
リース事業組成金額 (百万円)
359,218
16.3%
不動産ファンド事業 国内不動産
不動産ファンド事業組成金額 (百万円)
47,060
△16.4%
不動産ファンド事業 海外不動産
不動産ファンド事業組成金額 (百万円)
18,049
△2.4%
(注)1.「リース事業組成金額」とは、組成したオペレーティング・リース事業案件のリース物件の取得価額の合計額であります。
2.オペレーティング・リース事業の組成は主に外貨建で行われており、本邦通貨への換算レートは組成
時の為替レートを採用しております。
3. 「不動産ファンド事業組成金額」とは、国内不動産については不動産小口化商品の信託受益権1個当たりの価額に組成個数を乗じた額であり、海外不動産についてはリース物件の取得価額の合計額であります。
(b) 受注実績
当社グループは受注生産形態をとっていないため、該当事項はありません。
(c) 販売実績
当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」でありますが、全セグメントのうち「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しており、セグメント別の販売実績の記載は行っておりませんが、当社グループの売上高の多くを占めるリースファンド事業において当社が販売した出資金及び不動産ファンド事業において当社グループが販売した不動産小口化商品販売額・出資金販売額(海外不動産)の最近2連結会計年度の販売額は、以下のとおりです。
前連結会計年度
(自 2021年10月1日
至 2022年9月30日)
当連結会計年度
(自 2022年10月1日
至 2023年9月30日)
金額(百万円)
金額(百万円)
リースファンド事業
出資金販売額
68,720
136,334
不動産ファンド事業
不動産小口化商品販売額
42,570
44,570
出資金販売額(海外不動産)
5,010
17,030
上記の用語の意味は以下のとおりです。
[出資金販売額][出資金販売額(海外不動産)]
出資金(オペレーティング・リース事業の匿名組合出資持分及び任意組合出資持分並びに海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分)について、リース開始日までに投資家へ私募の取扱いを行ったもの及びリース開始日時点で当社又は当社子会社が一旦立替取得し、(連結)貸借対照表の「商品出資金」に計上したものについて、投資家へ譲渡したものの合計額であります。なお、[出資金販売額]には、信託機能を活用した航空機リース事業案件に係る信託受益権譲渡価額を含めております。
[不動産小口化商品販売額]
信託受益権1個当たりの価額に販売個数を乗じた額となります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績
当社は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行などによる環境変化を、収益構造の多角化や構造改革
を図る好機と捉え、第1の柱であるリースファンド事業に加え、第2の柱として国内不動産ファンド事業の拡
大、さらには、第3の柱とすべく、海外不動産ファンド事業を立ち上げるなど、新たな成長に向けた取り組みを推進しました。
第1の柱であるリースファンド事業においては、好調な出資金販売が通期で継続し、通期の過去最高の売上高を更新しました。第2の柱である不動産ファンド事業の国内不動産においては、通期の不動産小口化商品販売額が過去最高を更新し、不動産ファンド事業の海外不動産も第3の柱として大幅な増益に貢献しました。
この結果、連結売上高は71,149百万円(前年度比20.2%増)、営業利益は18,265百万円(前年度比55.5%増)、経常利益は17,989百万円(前年度比44.3%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は12,466百万円(前年度比47.1%増)となり、通期の過去最高の連結売上高(2022年9月期の59,193百万円)と過去最高益(2019年9月期の営業利益14,432百万円、経常利益14,394百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10,035百万円)を更新する大幅な増収増益を達成しました。
なお詳細は「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載したとおりであります。
財政状態
当社は、リースファンド事業において、匿名組合方式又は任意組合方式、金銭の信託方式によるオペレーティング・リース事業の案件組成、匿名組合出資持分又は任意組合出資持分並びに信託受益権の譲渡を行っております。匿名組合方式又は任意組合方式のオペレーティング・リース事業について、リース開始日時点で、当社は、投資家に譲渡することを前提に、一時的に当該匿名組合出資持分又は任意組合出資持分を立替取得します。当社は、その立替取得した権利を「商品出資金」として(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。金銭の信託方式のオペレーティング・リース事業については、当社が受託者である株式会社FPG信託に金銭を信託し、その取得した信託受益権の未販売相当額を「金銭の信託(組成用航空機)」として、(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。
また不動産ファンド事業において、国内不動産については、不動産小口化商品を投資家に提供するため、不動産(不動産信託受益権を含む。)を取得し、「組成用不動産」として(連結)貸借対照表上に計上し、投資家に譲渡します。海外不動産を対象とする集団投資事業案件については、事業開始日時点で、当社子会社である株式会社FPG証券は、投資家に譲渡することを前提に、一時的に任意組合出資持分を立替取得します。FPG証券は、その立替取得した権利を「商品出資金」として(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。
当社グループは、これらの匿名組合出資持分、任意組合出資持分、信託受益権、組成用不動産の取得資金といった案件組成資金は、手元資金の他、金融機関からの借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーによって調達しております。このため当社の連結財務諸表の資産の総額及び負債の総額は、組成資産の組成や販売の状況、その資金調達の状況によって大きく影響を受けます。
当連結会計年度においては、積極的な商品組成によって組成資産が増加したこと、また賃貸資産(航空機)を取得したこと等により、資産合計は183,675百万円(前年度末比25,623百万円の増加)となりました。組成資産及び賃貸資産取得のための資金調達の増加に伴い借入金・社債が増加し、負債合計は、139,377百万円(前年度末比17,484百万円の増加)となりました。前年度の期末配当4,270百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益12,466百万円を計上したことによって、純資産合計は、44,298百万円(前年度末比8,138百万円の増加)となりました。
なお詳細は「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載したとおりであります。
また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3. 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループにおける主な資金需要は、投資家に販売する目的で一時的に保有する組成資産の取得資金、人件費その他費用を含む運転資金及びその他法人税等の支払資金等の営業活動によるもの、配当金の支払資金や借入金の返済資金といった財務活動によるものであります。なお当連結会計年度においては、株式会社FLIP第281号を連結子会社としたことにより、賃貸資産の取得と、その資金調達がありました。設備投資は、主に当社グループにおける各拠点の維持・拡大、その他事業拡大に関するものであります。また、主な資金の源泉は、組成資産の投資家への譲渡代金や当社グループが収受する各種手数料等といった営業活動によるもの、資金需要を賄うための金融機関からの借入の実行やコマーシャル・ペーパーの発行等により調達する資金等の財務活動によるものであります。
当連結会計年度の資金の状況につきまして、賃貸資産の取得があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上、組成資産及び賃貸資産取得のための資金調達を進めたこと等から、資金の残高は、前連結会計年度末に比べて2,864百万円増加し、14,584百万円となりました。詳細は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。資金需要につきましては、リースファンド事業、国内不動産ファンド事業及び海外不動産ファンド事業のさらなる成長を見据えた組成資産の取得のための資金需要が、今後も継続して発生する想定です。
資金調達につきましては、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行等を行っております。
当連結会計年度末において、有利子負債の残高は 113,054百万円であります。また、当連結会計年度末において、金融機関との間で総額134,635百万円のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております(借入実行残高66,149百万円、借入未実行残高68,486百万円)。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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