【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2022年10月1日~2023年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が第5類感染症に位置づけられたことで一層社会活動の制限は緩和されてきており、概して個人消費マインドも持ち直しの動きが見受けられました。また円安や賃上げなどの影響による全体的な商品・サービスの価格上昇が続いており、インフレ傾向で推移いたしました。一方、実質賃金の継続的低下による足元での消費マインド停滞の兆しや、コスト上昇に見合った価格転嫁の実施割合が芳しくない現状など、経済下振れリスクを抱え、先行きの不透明な側面も見受けられました。建設業界としては、慢性的な人手不足という課題に加え、2024年問題に向け人員体制の整備もしていく必要があり、人員確保のため各企業で賃上げや福利厚生の充実など雇用環境改善の動きが高まっており、企業間での人材獲得競争は激しさを増しております。また円安進行や物価上昇に伴い資材価格も引き続き高騰しているといった厳しい状況下にあります。他方、当社グループ事業に関係の深い住宅業界におきましては、国土交通省発表による2022年10月~2023年9月累計の新設住宅着工戸数は、戸建てが前年同期比90.8%、分譲マンションが前年同期比99.4%、住宅市場全体としては前年同期比96.5%と弱含みで推移いたしましたが、商環境に関しましては、インバウンド需要や個人消費が回復傾向で推移いたしました。このような状況のもとで、当社グループは「世界に誇れる独創的建物サービスで社会と感動を分かち合う」というグループ理念に基づき、「全ての建物に“キャンディル”」というグループビジョンを実現すべく、持続的な事業の成長とさらなる企業価値の向上を目指して、激しく移り変わるお客様のニーズや時代の変化に寄り添いながら、2021年に新しく閣議決定されました「住生活基本計画」に沿ったサービスの拡充に取り組み、住宅関連・商業施設関連サービスの売上拡大に努めてまいりました。また、グループが保有する経営資源を有効活用し、経営の合理化・効率化を推進するため、2023年4月1日付けで当社の連結子会社間にて会社分割(吸収分割)を行い、株式会社キャンディルテクトの「リペアサービス」「住環境向け建築サービス」を、株式会社キャンディルデザインへ承継いたしましたが、事業の最適化に向けて各種調整を行い、順調な滑り出しとなりました。資材・エネルギー価格の高騰、人材獲得競争の激化などの厳しい経営環境の中、社会活動の緩やかな回復、また営業施策の奏功や業務提携効果により、当社グループのサービス提供機会は増加し、売上高は一段と回復傾向を示し、売上総利益の増加などにより営業利益は大幅に増加いたしました。この結果、当連結会計年度末における資産合計は6,225,228千円となり、前連結会計年度末に比べ255,170千円の減少となりました。負債合計は3,519,141千円となり、前連結会計年度末に比べ444,406千円の減少となりました。純資産合計は2,706,086千円となり、前連結会計年度末に比べ189,236千円の増加となりました。当連結会計年度における売上高は12,309,603千円(前年同期比109.2%)、営業利益は452,365千円(前年同期比134.1%)、経常利益は441,661千円(前年同期比145.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は224,550千円(前年同期比212.8%)となりました。なお、当社グループでは組織再編及びM&Aの実施に伴い発生したのれん償却費を販売費及び一般管理費に192,223千円計上しており、これを加えたのれん償却前経常利益は633,885千円(前年同期比127.8%)、のれん償却前親会社株主に帰属する当期純利益は416,774千円(前年同期比140.0%)となりました。
当社グループは、建築サービス関連事業の単一セグメントとしておりますが、サービス分野別の状況は以下のとおりであります。(リペアサービス)当連結会計年度におけるリペアサービスの連結売上高は4,338,797千円(前年同期比103.7%)となりました。株式会社バーンリペアは主に戸建てを中心にリペアを提供しておりますが、住宅市場の需要を積極的に取り入れたことで、同社のリペアサービスの売上高は3,516,619千円(前年同期比103.6%)と堅調に推移いたしました。株式会社キャンディルテクトに所属しておりました集合住宅を中心とするリペア部門は、2023年4月1日付けの会社分割により株式会社キャンディルデザインへ承継いたしました。株式会社キャンディルテクトの第2四半期連結累計期間のリペアサービスの売上高は410,037千円、株式会社キャンディルデザインの第3四半期連結会計期間と第4四半期連結会計期間合計のリペアサービスの売上高は412,140千円であり、当該2社を合算した当連結会計年度のリペアサービス売上高は822,177千円(前年同期比103.8%)とこちらも堅調に推移いたしました。(住環境向け建築サービス)当連結会計年度における住環境向け建築サービスの連結売上高は3,014,409千円(前年同期比106.4%)となりました。株式会社バーンリペアは主に戸建てを中心に定期点検、検査、小型修繕、各種施工、リコール対応を提供しておりますが、定期点検数の増加や単価上昇などにより、同社の住環境向け建築サービスの売上高は2,398,603千円(前年同期比108.2%)となりました。株式会社キャンディルテクトに所属しておりました集合住宅を中心とする検査部門は、2023年4月1日付けの会社分割により株式会社キャンディルデザインへ承継いたしました。株式会社キャンディルテクトの第2四半期連結累計期間の住環境向け建築サービスの売上高は305,951千円、株式会社キャンディルデザインの第3四半期連結会計期間と第4四半期連結会計期間合計の住環境向け建築サービスの売上高は309,854千円であり、当該2社を合算した当連結会計年度の住環境向け建築サービスの売上高は615,806千円(前年同期比100.2%)となりました。(商環境向け建築サービス)当連結会計年度における商環境向け建築サービスの連結売上高は3,862,558千円(前年同期比111.9%)となりました。商環境向け建築サービスは主に商業施設等の内装工事、家具組立て、揚重を提供しておりますが、商環境の市場回復に伴うオフィスや商業施設、店舗の改修案件やメンテナンス案件などを取り込んだ結果、増収となりました。(商材販売)当連結会計年度における商材販売の売上高は639,890千円(前年同期比106.4%)となりました。商材販売は主にリペア材料やメンテナンス商材を販売しており増収となりました。(抗ウイルス抗菌サービス)当連結会計年度における抗ウイルス抗菌サービスの売上高は453,946千円(前年同期比231.3%)となりました。抗ウイルス抗菌サービスは室内の壁面・天井、水まわり、床などの各種コーティングを提供しておりますが、資本業務提携効果や家電量販店などとの協業により水まわりコーティング案件が好調に推移し、大幅に増収いたしました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は1,616,235千円と、前連結会計年度末に比べ276,176千円の減少となりました。当連結会計年度末における各活動によるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、595,460千円(前年同期は467,772千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益441,661千円を計上したこと、のれん償却額192,223千円、売上債権が170,404千円増加したこと、仕入債務が119,393千円増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、41,215千円(前年同期は33,741千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出22,895千円、無形固定資産の取得による支出18,200千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、830,421千円(前年同期は1,141,982千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純減額358,335千円、長期借入れによる収入300,000千円、長期借入金の返済による支出721,663千円などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
ⅰ.生産実績当社グループは、生産活動を行っていないため、生産実績は記載しておりません。
ⅱ.受注実績当社グループは、建築サービス関連事業の単一セグメントであり、提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
ⅲ.販売実績当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの名称
金額(千円)
前年同期比(%)
リペアサービス
4,338,797
103.7
住環境向け建築サービス
3,014,409
106.4
商環境向け建築サービス
3,862,558
111.9
商材販売
639,890
106.4
抗ウイルス抗菌サービス
453,946
231.3
合計
12,309,603
109.2
(注)1.当社グループの報告セグメントは単一であるため、サービス毎に記載しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績等の記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態の分析(総資産)当連結会計年度末における資産合計は6,225,228千円となり、前連結会計年度末に比べ255,170千円の減少となりました。流動資産は3,662,290千円となり、前連結会計年度末に比べ87,290千円の減少となりました。これは、主に現金及び預金が276,176千円減少したこと、受取手形及び売掛金が170,404千円増加したことなどによります。固定資産は2,562,938千円となり、前連結会計年度末に比べ167,879千円の減少となりました。これは、主に工具、器具及び備品が9,515千円増加したこと、のれんが192,223千円減少したこと、ソフトウェアが32,656千円減少したことなどによります。(負債)当連結会計年度末における負債合計は3,519,141千円となり、前連結会計年度末に比べ444,406千円の減少となりました。流動負債は2,782,480千円となり、前連結会計年度末に比べ13,088千円の減少となりました。これは、主に買掛金が119,393千円増加したこと、短期借入金が358,335千円減少したこと、未払消費税等が18,615千円増加したこと、賞与引当金が19,880千円減少したこと、未払費用が86,295千円増加したことなどによります。固定負債は736,661千円となり、前連結会計年度末に比べ431,317千円の減少となりました。これは、主に長期借入金が431,663千円減少したことなどによります。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は2,706,086千円となり、前連結会計年度末に比べ189,236千円の増加となりました。これは、主に利益剰余金が169,473千円増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は43.5%(前連結会計年度末比4.6ポイント上昇)となりました。
ⅱ.経営成績の分析当社グループのサービス別売上高は前連結会計年度に比べ、リペアサービスは前年同期比103.7%の4,338,797千円、住環境向け建築サービスは前年同期比106.4%の3,014,409千円、商環境向け建築サービスは前年同期比111.9%の3,862,558千円、商材販売は前年同期比106.4%の639,890千円、抗ウイルス抗菌サービスは前年同期比231.3%の453,946千円となり、連結売上高は前年同期比109.2%の12,309,603千円となりました。全サービス、前連結会計年度に比べて売上高は伸長いたしましたが、連結売上高の増加要因としては、特に住環境向け建築サービスと商環境向け建築サービスの好調が大きく影響しております。住環境向け建築サービスは、契約者数の増加と契約単価の高水準での推移により「定期点検」が大きく成長し、売上高増加に貢献いたしました。商環境向け建築サービスは、コロナ禍から順調に回復している商環境市場の需要を着実に取り込み、売上高は伸長いたしました。販売費及び一般管理費に関しましては、前連結会計年度に比べ230,729千円の増加となりました。これは、労働力の強化を図るための採用費、人員増加・待遇改善に連動する人件費、またコロナ禍明けの実営業活動が活発化したことによる費用、その他にも通信環境の整備・セキュリティ対策の強化のためのITインフラ関連の費用が増加したことが主な要因となっております。売上高伸長に伴う売上総利益の増加が、販売費及び一般管理費の増加を上回り、結果として前連結会計年度に比べ営業利益は前年同期比134.1%の452,365千円、経常利益は前年同期比145.4%の441,661千円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比212.8%の224,550千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ⅰ.キャッシュ・フローの状況
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ⅱ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、主に人件費及び外注費の支払い、リペア材料・メンテナンス商材の仕入資金であります。当社グループは、事業活動に必要な資金を確保するため、内部資金を活用するほか、金融機関からの借入を行っております。また、資金使途に応じて最適な資金調達手法を検討し、適切なコストで安定的に資金を確保することを基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債および収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所があります。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内でかつ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意下さい。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(3)経営者の問題意識と今後の方針について現在のわが国経済は、コロナ禍からの経済持直しの動きが強まる一方で、円安進行等による物価の高騰、人口減少、外国人労働者の日本離れなどの景気の下押しリスクに留意が必要な状況であり、時代の情勢に合わせて、常に方針をアジャストさせていく必要があります。また「労働集約型」のビジネスを展開している当社グループにとって、「人材」は欠かせない成長ファクターだと考えているため、人材の確保や、従業員が長くいきいきと働き続けられる環境を整備することは、非常に重要な課題であると認識しております。このような状況の中、まずは前期に引き続き、自社技術者・協力業者・フランチャイズ加盟店といった全方向から労働力を確保し、しっかりと市場の需要を逃さずに取り込める施工体制の構築に努め、2024年9月期に過去最高の売上高、営業利益を目指してまいります。そして、将来の成長に向け、加速度的に変わる社会情勢や世の中のニーズを機敏に察知し、社会から求められるサービスの拡充を進め、研修やリスキリングの充実などといった人材への投資やDXへの投資も行うことで、より一層お客様から選ばれ、社会に貢献していける企業となり、2028年9月期に目標売上高200億円を達成できるよう、力を尽くしてまいります。
