【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況(流動資産)当連結会計年度末における流動資産は、151,652千円増加し、5,300,501千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が3,827,359千円、受取手形及び売掛金が980,467千円であります。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産は、1,023,559千円減少し、918,893千円となりました。主な内訳は、のれんが339,833千円、敷金及び保証金が303,862千円、投資有価証券が56,137千円であります。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債は、579,610千円増加し、2,461,527千円となりました。主な内訳は、未払金が742,290千円、契約負債が504,487千円、1年内返済予定の長期借入金が384,628千円であります。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債は、130,209千円減少し、1,009,033千円となりました。内訳は、長期借入金が990,540千円、繰延税金負債が18,493千円であります。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、1,321,307千円減少し、2,748,833千円となりました。主な内訳は、資本金が2,945,895千円、資本剰余金が5,029,365千円、利益剰余金が△5,424,590千円であります。
② 経営成績の状況当社グループは「データによって人の価値を最大化する」をミッションに掲げ、世の中に溢れる様々なデータを生活者(注1)にとって価値あるものとして還元し、豊かな体験を流通させることを目的に、当社の提供するCX(注2)(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」をウェブサイトやスマートフォンアプリを運営する企業に向けて、クラウド方式(注3)で提供しております。ショッピングや旅行、金融など様々なサービスがインターネットを介して提供されるようになった今、生活者が企業にもとめることは、「自宅にいながら買い物できる」「予約できる」といった単なる利便性だけではなく、自分の興味や状態に合った最適な提案を受けられる良質なコミュニケーションやその先の体験へとシフトしていると当社グループは考えております。一方で、企業がそれに応えるためには、データの蓄積、統合、分析を通じて一人ひとりの状態を正しく理解し、それに基づいて適切なコミュニケーションを図る、あるいはウェブサイトやスマートフォンアプリをパーソナライズさせる仕組みを構築する必要がありますが、これらの取り組みは企業にとって複雑で難易度の高いものとなっているのが現状です。企業は「KARTE」を活用することにより、ウェブサイトやスマートフォンアプリ上のリアルタイム行動データを中心とする様々なデータを、ユーザー単位で解析することができます。それによって、一人ひとりの興味や状態が可視化され、ユーザーをPV(注4)やUU(注5)といった塊の「数字」としてだけではなく、一人の「人」として理解しやすくなると当社グループは考えております。その上で企業は、「KARTE」内で一人ひとりの興味や状態に合わせた多様なコミュニケーション施策を実施し、その結果を検証することなどができます。顧客体験向上やデータ活用に対する企業の関心が高まる中、「KARTE」はウェブサイトやスマートフォンアプリ上のマーケティング領域に留まらず、カスタマーサポート領域など様々な企業活動において活用いただいております。今後も「KARTE」の機能強化や各種プロダクトの提供を通じて、企業が統合的にユーザーを理解できるデータ環境の拡充を進めていきます。当連結会計年度においては、「KARTE」の販売強化に向けた組織変更や人員増強を行ったほか、更なる事業領域の拡大に向けた取り組みも行いました。
この結果、当連結累計期間の末日における当社グループのARR(注6)は8,035,156千円となり、売上高は8,633,638千円(前期比18.3%増)、営業損失は881,423千円(前期は営業損失882,541千円)、経常損失は938,343千円(前期は経常損失983,503千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,108,610千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失930,777千円)となりました。なお、当社グループの報告セグメントは、SaaS事業及び広告事業でありますが、広告事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
(注1) 世の中一般の不特定多数の人々を「生活者」、企業が商品・サービスを提供する相手を「ユーザー」と表記しております。(注2) Customer Experience(カスタマーエクスペリエンス)の略語であり、一般的に「顧客体験」と訳されますが、顧客がよいと感じられる体験、つまり「顧客が体験して得られる価値」までも含めて定義しております。(注3) クラウドコンピューティングの略語であり、ソフトウェア等のシステムをインターネット経由でサービス提供することを前提とした仕組みの総称であります。(注4) Page View(ページビュー)の略語であり、ウェブサイト内の特定ページが開かれた回数を表し、ウェブサイトがどのくらい閲覧されているかを測るための指標の一つです。(注5) Unique User(ユニークユーザー)の略語であり、特定の集計期間内にウェブサイト又はスマートフォンアプリに訪問したユーザーの数を表す数値です。(注6) Annual Recurring Revenueの略語であり、各期末の月次サブスクリプション売上高を12倍して算出。既存の契約が更新のタイミングで全て更新される前提で、既存の契約のみから、期末月の翌月からの12ヶ月で得られると想定される売上高を表す指標です。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ413,217千円減少し、当連結会計年度末には3,827,359千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は325,088千円(前期比59.8%減)となりました。これは主に減損損失1,133,159千円、株式報酬費用205,477千円、のれん償却額185,848千円、未払金の増加額201,707千円を計上した一方で、税金等調整前当期純損失2,125,760千円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は89,033千円(前期比34.1%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出46,714千円及び連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出49,416千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は905千円(前期比99.9%減)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出207,506千円、長期借入れによる収入1,080,997千円、長期借入金の返済による支出1,488,985千円、預り保証金による収入300,000千円、非支配株主からの払込みによる収入407,847千円等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績当社グループは、インターネット上での各種サービスを主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績当社グループの報告セグメントは、SaaS事業及び広告事業でありますが、広告事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。なお、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
事業分野別の名称
当連結会計年度(自 2022年10月1日至 2023年9月30日)
販売高(千円)
前期比(%)
SaaS事業及び広告事業
8,633,638
118.3
(注) 金額は、販売価格によっております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、連結財務諸表作成時に入手可能な情報及び合理的な基準に基づき判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、安定的な収益獲得を実現し、持続的な成長を達成するために、経常的に獲得される収益としてARRを重要な経営指標として掲げており、その拡大のために、サブスクリプション売上高、サブスクリプション売上高比率、顧客社数を特に経営成績に影響を与える主要な経営指標と捉えております。当連結会計年度においては、「KARTE」の販売強化に向けた組織変更や人員増強を行ったほか、更なる事業領域の拡大に向けた取り組みも行いました。この結果、主要な経営指標の推移は以下のとおりとなっております。当連結会計年度の末日におけるARRは8,035,156千円、サブスクリプション売上高は7,335,347千円、サブスクリプション売上高比率は85.0%、顧客社数は1,064社となりました。これは主に、CX(顧客体験)及び「KARTE」の認知拡大のために実施したマーケティング活動による新規顧客開拓並びに当社カスタマーサクセスチームに加えてパートナー企業と連携した「KARTE」の活用支援の強化等により、「KARTE」の利用領域の拡大が進み導入企業数及び導入ウェブサイト数等の件数が拡大したことによるものであります。
(売上高)当連結会計年度の売上高は8,633,638千円(同18.3%増)となりました。主な要因は、「KARTE」の利用領域の拡大が進み導入企業数が1,064社となったことに加え、アジト株式会社を連結の範囲に含めたことも影響しております。
(売上原価、売上総利益)当連結会計年度の売上原価は2,396,873千円(同24.3%増)となりました。これは、導入企業数の増加に伴い、サーバー利用料等が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は6,236,764千円(同16.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は7,118,188千円(同13.9%増)となりました。これは主に、人員増強に伴う人件費の増加、株式報酬費用及び通信費の増加等によるものであります。この結果、営業損失は881,423千円(前期は営業損失882,541千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損失)当連結会計年度の営業外損益は主に助成金収入及び受取手数料等による営業外収益4,164千円(同27.5%増)、支払利息及び支払手数料等による営業外費用61,084千円(同41.4%減)を計上いたしました。この結果、経常損失は938,343千円(前期は経常損失983,503千円)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純損失)当連結会計年度の特別損益は、特別損失として減損損失及び投資有価証券評価損を計上いたしました。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は2,108,610千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失930,777千円)となりました。
なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性の分析当社グループの運転資金需要のうちの主なものは、サーバー利用料、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は1,376,828千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,827,359千円となっております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。これらリスク要因の発生を回避するためにも、提供するサービスの機能強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
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