【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス拡大による社会経済活動の制約が解消され、国内経済は徐々に持ち直しが期待されております。一方、世界的な情勢不安や物価上昇などにより国内外の経済的な見通しは不透明な状況が続いております。 当社グループを取り巻く事業環境においては、日本の構造的な人手不足による企業における採用難、物価上昇に伴う家計リスクの増大に起因する新たな収入源確保の動きがより一層活発に見られています。政府は労働移動の円滑化を目的として、企業における副業者や兼業者の活用を推進する施策を実行し、またフリーランスを企業と同じ「独立した意思のある存在」として認める特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律が2024年秋頃までを目途に施行される見込みです。コロナ禍以降の企業や個人の働き方に関する価値観が更に多様化した中で、企業においてもフリーランス・副業等の人材を活用した生産性向上の動きも見られ始めています。 こうした流れは当社グループにとって追い風であり、2023年9月末時点で登録ユーザー数は588.6万人(前年同期比+61.1万人)、登録クライアント数は93.3万社(前年同期比+8.4万社)となりました。
当社グループは「個のためのインフラになる」というミッションのもと、中長期目標「売上総利益CAGR20%以上10年継続」に追加し、今年度から新たに売上高300億円、EBITDA(Non-GAAP)25億円、営業利益年間成長率+10%以上に向けた中期経営目標「YOSHIDA300」を掲げました。その実現に向けて、既存事業では主軸であるマッチング事業のアカウントセールス体制によるクライアント1社あたりの契約単価向上及び売上・利益の拡大並びにSaaS事業の成長、M&Aでは当社の主軸であるマッチング事業と親和性が高い事業への規律ある投資、人材育成では研修を通じた次期経営人材の輩出、そして人的資本経営による企業価値向上に取り組んでおります。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は13,210,655千円(前年同期比24.9%増)、営業利益は1,153,536千円(前年同期比23.7%増)、経常利益は1,238,339千円(前年同期比30.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,096,574千円(前年同期比36.6%増)となりました。
①マッチング事業 当連結会計年度のマッチング事業においては、採用した人材と継続的な広告投資による新規顧客獲得によって、GMV(流通取引総額)・売上高・売上総利益は順調に推移したほか、生産性向上にも引き続き取り組んだことで過去最高益を計上いたしました。 この結果、取引額の総額を示すGMV(流通取引総額)は 22,929,436千円(前年同期比19.3%増)、売上高は12,755,174千円(前年同期比23.4%増)、売上総利益は 5,690,112千円(前年同期比24.3%増)、セグメント利益は1,322,535千円(前年同期比11.9%増)となりました。
②ビジネス向けSaaS事業 当連結会計年度のビジネス向けSaaS事業においては、引き続き大企業クライアントの開拓やマーケティングの強化による新規の顧客開拓に注力したほか、カスタマーサクセスに伴う契約単価の向上を図りました。 このため、売上高および売上総利益は421,717千円(前年同期比82.1%増)となり、セグメント損失は197,907千円(前年同期のセグメント損失は223,566千円)となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。①生産実績生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。
②受注実績受注に該当する事項が無いため、受注実績に関する記載はしておりません。
③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(千円)
前期比(%)
マッチング事業
12,755,174
123.4
ビジネス向けSaaS事業
421,630
182.1
その他
33,850
1,180.3
合計
13,210,655
124.9
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(3)財政状態(資産) 当連結会計年度末における総資産は9,995,020千円となり、対前期末比で2,356,523千円増加いたしました。流動資産は対前期末比で1,014,849千円の増加となり、その主な内訳は、現金及び預金が617,436千円、売掛金が246,324千円、未収入金が118,023千円増加したものであります。固定資産は対前期末比で1,341,674千円の増加となり、その主な内訳は、のれんが1,148,832千円増加したものであります。
(負債) 当連結会計年度末における負債は3,955,964千円となり、対前期末比で983,708千円増加いたしました。流動負債は対前期末比で818,659千円の増加となり、その主な内訳は、短期借入金が430,680千円、未払金が90,342千円、預り金が42,493千円、契約負債が135,578千円増加したものであります。固定負債は対前期末比で165,049千円の増加となり、その主な内訳は、長期借入金が142,949千円増加したものであります。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産は6,039,056千円となり、対前期末比で1,372,815千円増加いたしました。純資産の増加の主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益1,096,574千円の計上および新株予約権が141,011千円増加したものであります。
(4)キャッシュ・フロー 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,734,898千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による収入は1,349,431千円となりました。主なキャッシュフローの増加要因は、税金等調整前当期純利益1,207,146千円、減価償却費32,151千円、のれん償却費81,935千円、投資有価証券評価損31,192千円、株式報酬費用153,295千円、預り金の増加31,941千円、契約負債の増加129,795千円によるものであります。一方で主な減少要因としては、事業成長に伴う取引拡大による売上債権の増加49,842千円及び未収入金の増加117,474千円、未払金の減少66,570千円、法人税等の支払額160,778千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による支出は1,168,337千円となりました。主なキャッシュフローの減少要因としては、投資有価証券の取得による支出125,842千円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出975,938千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による収入は436,342千円となりました。主なキャッシュフローの増加要因は、短期借入金の増加400,000千円及び株式の発行による収入92,227千円によるものであります。一方で主なキャッシュフローの減少要因としては、長期借入金の返済による支出59,586千円によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)当社グループの運転資金需要のうち主なものは、マッチング事業における事業運営のための人件費、ワーカーへの報酬支払いであります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、マッチング事業におけるユーザー獲得のための広告宣伝費、従業員採用のための採用教育費、成長戦略上必要な企業または事業の買収資金であります。当社グループは、運転資金については主に自己資金または借入金により資金調達をすることとしております。投資を目的とした資金については、同じく自己資金または借入金による資金調達を基本としつつ、その規模により適宜新株発行等のエクイティファイナンスによる資金調達を行なうことを基本方針としております。資金の流動性管理にあたっては、適宜、資金繰り計画を作成・更新して手元流動性等をモニタリングするとともに、取引金融機関との当座貸越契約の締結等により、将来に渡り必要な資金流動性を確保できるよう計画しております。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって採用された重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。なお、連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示情報に影響を与える見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績や状況等を勘案し合理的な判断のもと継続的に見積り及び予測を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績の分析)a. 売上高、売上総利益 当連結会計年度における売上高は13,210,655千円、売上総利益は6,142,399千円と過去最高を更新しました。これは主に採用した人材の戦力化による発注社数の増加や、単価向上施策による発注単価が向上したことによるものであります。b. 販売費及び一般管理費、営業利益 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は4,988,862千円となりました。これは主に人件費2,386,005千円、広告宣伝費908,742千円、支払手数料や家賃などのその他費用880,343千円によるものであり、この結果、営業利益は1,153,536千円となりました。c. 営業外収益、営業外費用、経常利益 当連結会計年度における営業外収益は99,174千円となりました。これは主に、預り金失効益88,146千円によるものであります。営業外費用は主に持分法による投資損失7,555千円、支払利息4,001千円によるものであり、この結果、経常利益は1,238,339千円となりました。d. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益 当連結会計年度において、法人税等合計126,401千円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,096,574千円となりました。
(財政状態の分析) 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(3)財政状態」をご参照ください。
(キャッシュ・フローの分析) 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(4)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは流通取引総額、売上高、売上総利益の成長率、営業利益、EBITDA(Non-GAAP)およびテイクレート(対流通取引総額売上総利益率)を経営成績における評価指標として使用しております。当社グループの当連結会計年度の経営成績については、全指標で計画を達成いたしました。
<2023年9月期 経営成績(対計画比>
2023年9月期実績
計画達成率
2023年9月期計画
流通取引総額
23,351,836
千円
102.4%
22,800,000
千円
売上高
13,210,655
千円
101.6%
13,000,000
千円
売上総利益
6,142,399
千円
104.1%
5,900,000
千円
営業利益
1,153,536
千円
115.4%
1,000,000
千円
EBITDA(Non-GAAP)
1,420,919
千円
118.4%
1,200,000
千円
テイクレート
26.3
%
+0.4%
25.9
%
<参考:2023年9月期 経営成績(対前年実績比)>
2023年9月期実績
前年比
2022年9月期実績
流通取引総額
23,351,836
千円
120.1%
19,447,649
千円
売上高
13,210,655
千円
124.9%
10,574,552
千円
売上総利益
6,142,399
千円
127.6%
4,812,836
千円
営業利益
1,153,536
千円
123.7%
932,835
千円
EBITDA(Non-GAAP)
1,420,919
千円
135.6%
1,047,724
千円
テイクレート
26.3
%
+1.5%
24.8
%
(2024年9月期の見通し) 当社グループは、ミッション「個のためのインフラになる」の実現に向け、2021年には中長期目標として「売上総利益のCAGR+20%以上を10年継続」、2023年9月期第2四半期から新たに売上高300億円、EBITDA(Non-GAAP)25億円、営業利益年間成長率+10%以上に向けた中期経営目標「YOSHIDA300」を掲げました。これら目標の早期達成に向け、我々はクライアント企業の生産性向上における経営課題の解決を目的としたソリューション提供を行うアカウントセールス体制を強化し、付加価値を向上しながら、より多くのワーカーにより多くの報酬を届けてまいります。また、マッチング事業・SaaS事業とのシナジーが見込める領域におけるM&Aにも注力し、非連続的な成長を目指してまいります。 以上により、2024年9月期の当社グループの業績は、GMV(流通取引総額)は28,020百万円(前年比20.0%増)、売上高は15,860百万円(前年比20.1%増)、売上総利益は7,370百万円(前年比20.0%増)、営業利益1,270百万円(前年比10.1%増)、EBITDA(Non-GAAP)は1,570百万円(前年比10.5%増)を見込んでおります。
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