【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループの事業は、データプラットフォーム事業の単一セグメントでありますが、セグメントを構成する主要なサービスとして、データプロダクトサービス、コンサルティングサービスの2つのサービスによって事業展開しております。当連結会計年度における、それぞれのサービスの経営状況は下記のとおりです。
データプロダクトサービスは「UNIVERSE」と、株式会社MADSが提供する「デジタルサイネージサービス」の2つのサービスが属しております。「UNIVERSE」とは企業のマーケティング活動を支援するデータプラットフォームです。様々な業界・業種に特化した多様なデータを保有し、それらを有機的に統合分析することで、消費者の購買プロセスの可視化と予測、そのデータを活用した広告配信から顧客属性等の分析レポート作成まで幅広く企業のマーケティング活動を支援しております。「UNIVERSE」の拡大にあたっては、2023年9月期より顧客属性に特化した営業組織へと改変することで、より顧客属性に応じた機動的な製品開発や製品提供体制を整えております。また、リモートワーク中心に変化している顧客企業に対して、オンラインセミナーの開催やオンラインでのリード獲得を目的としたインサイドセールスに特化する新しい営業組織を構築いたしました。
これらの顧客属性に応じた営業組織の強化に加え、新たなデータパートナーとの提携による業種別プロダクトの性能強化や、地方自治体向けの「まちあげ」や、2024年からはじまる新NISAの口座開設を支援する金融業種向けの製品、人材採用に向けた「マーブル」など、新しい業種に向けた製品の提供を開始しております。これらの施策によって、より顧客のニーズや規模に合致したサービス提供を行い、主要なKPIである稼働アカウント数の順調な拡大を実現しております。
デジタルサイネージサービスは、小売店舗や美容サロンなどに設置されたサイネージをネットワーク化し、一元的な広告配信を行うサービスとして「MONOLITHS」を提供しております。デジタルサイネージサービスは、期初からの計画通り一部のパートナーとの契約更改によって第3四半期より売上・粗利が減少しておりますが、スーパーマーケットやネイルサロン等のリテール領域への注力によって、再成長を狙ってまいります。
これらの結果、データプロダクトサービスの当連結会計年度の売上高は6,008百万円となりました。
コンサルティングサービスは、「メディア向けコンサルティングサービス」と、「海外コンサルティングサービス」の2つのサービスが属しております。メディア向けコンサルティングサービスは、日本国内においてインターネットメディアの広告枠を預かり、様々な広告を組み合わせることでメディア企業の広告収益を最大化するサービスを提供しております。特に当社が提供する「MicroAd COMPASS」においてはメディア企業に対する広告枠の企画提案などによるサポート体制の強化によって利益率が改善しております。
海外コンサルティングサービスは、台湾を中心としたデジタルマーケティングのコンサルティングサービスを提供しております。海外拠点の売却や、特定の大手広告主の予算削減等により、売上高は前年比でマイナス成長となっておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響が縮小することで訪日観光客が増加しており、日系企業のインバウンド需要が拡大しております。加えて、日系企業の海外進出などのアウトバウンドの需要も増加しており、そのような需要の拡大に向け様々なサービスの提供を新たに開始しております。
これらの結果、コンサルティングサービスの当連結会計年度の売上高は6,859百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は12,868百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は833百万円(前年同期比32.9%増)、経常利益は738百万円(前年同期比24.6%増)となりました。また、今期より新たに開始したオルタナティブデータを使用した投資事業において、最適モデルの検証構築を進める過程において連結で有価証券運用損が24百万円発生しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は565百万円(前年同期比13.9%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,019百万円となり、前連結会計年度末に比べて9百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が310百万円減少したこと、並びに受取手形及び売掛金が130百万円減少したことによるものであります。固定資産は1,824百万円となり、前連結会計年度末に比べて928百万円増加いたしました。
これは主に投資有価証券が423百万円増加したこと、並びにソフトウエアが106百万円増加したことによるものであります。この結果、総資産は、6,844百万円となり、前連結会計年度末に比べ919百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は3,033百万円となり、前連結会計年度末に比べて36百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が300百万円増加したことによるものであります。固定負債は81百万円となり、前連結会計年度末に比べて25百万円増加いたしました。この結果、負債合計は、3,114百万円となり、前連結会計年度末に比べ61百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,729百万円となり、前連結会計年度末に比べ857百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金も565百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は45.4%(前連結会計年度末は39.2%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて310百万円減少し、2,984百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、266百万円の資金獲得(前年同期は713百万円の資金獲得)となりました。資金獲得の主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上並びに減価償却費の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,019百万円の資金減少(前年同期は413百万円の資金減少)となりました。資金使用の主な要因は、投資有価証券の取得による支出並びに無形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、421百万円の資金獲得(前年同期は681百万円の資金獲得)となりました。資金獲得の主な要因は、短期借入金の増加並びに株式の発行に伴う収入によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントは、データプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
サービスの名称
当連結会計年度
(自 2022年10月1日
至 2023年9月30日)
売上高(千円)
前年同期比(%)
データプロダクトサービス
6,008,812
126.8
コンサルティングサービス
6,859,655
91.6
合計
12,868,467
105.2
(注)1.データプロダクトサービスとは、データプラットフォーム事業を構成する主要サービスである「UNIVERSE」と株式会社MADSが提供する「デジタルサイネージサービス」の2つのサービスを総称した名称です。
2.各サービス間の内部売上高は、調整後の金額を記載しております。
3.外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積もりを必要としております。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、当社の財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度における総売上高は12,868百万円(前年同期比105.2%)となりました。
当社グループの事業は、データプラットフォーム事業の単一セグメントでありますが、セグメントを構成する主要なサービスとして、データプロダクトサービス、コンサルティングサービスの2つのサービスによって事業展開しております。当事業年度における、それぞれのサービスの売上高の状況は下記のとおりです。
データプロダクトサービスは、主力製品である「UNIVERSE」の販売に注力しており、当該領域のプロダクト開発や販売リソースへの投資を積極的に行っております。2022年9月期より営業組織体制の見直しを実施し、下記の顧客属性毎に特化した営業組織へと改変することで、より顧客属性に応じた、機動的な製品開発や製品提供体制を整えております。
・顧客企業の製品やサービスの認知に重点を置くブランドマーケティング領域
・スマートフォンアプリやECサイトなどの直接的な広告効果を重視するダイレクトマーケティング領域
・その他の中小顧客を中心とした領域
これら3つの領域毎に製品開発~営業活動の戦略を策定し実行することで、より顧客のニーズや規模に合致したサービス提供を実現しております。加えて、リモートワーク中心に変化している顧客企業に対して、オンラインセミナー等を通じた新しい商品販売体制を構築することで、コロナ過以降の新しいワークスタイルに合わせた販売体制の強化を行っております。以上の施策により、当連結会計年度の「UNIVERSE」の売上高を構成する稼働アカウント数は5,978件となっており、前年比25%増まで拡大致しました。また、業種別製品の性能強化やリピート利用による発注金額の拡大によって、稼働アカウントの平均単価は前年比8%増となり、アカウント数の増加に加えて、顧客単価に関しても増加することで、UNIVERSE全体の売上高が拡大しております。
データプロダクトサービスに属する、「デジタルサイネージ」においては、屋外広告や交通広告をデジタル化し、インターネットを通じてネットワーク化することで、広告配信を行う事業となりますが、タクシー向けサイネージがパートナー企業との契約更改によって、売上および利益が減少しました。タクシーサイネージの減少分を補う目的で、美容サロン向けタブレットメディア「OCTAVE」を新たに開始することで、24年度に向けた再成長の準備を行っております。
コンサルティングサービスに属する「メディア向けコンサルティング」においては、メディア企業の広告収益最大化を実現するコンサルティングサービスですが、23年度においては緩やかな売上成長で推移いたしました。一方で提供するサービスの改善により、粗利率が向上し売上総利益は増加しております。
コンサルティングサービスに属する「海外向けコンサルティング」においては、当社グループが事業拠点を有する台湾を主とする海外各国でデジタル広告市場の成長に乗じて業績の拡大を目指してまいりました。台湾においては大手顧客の取引額減少の影響を受け、前年度をやや下回る水準で業績推移しました。訪日観光客向けのインバウンドマーケティングや、日本企業の海外進出におけるアウトバウンドマーケティングにおいて、複数のサービスを開始しており。24年度のインバウンド・アウトバウントの需要拡大に向けた準備を行っております。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は8,739百万円(前年同期比103.5%)となりました。当連結会計年度は、利益率の高いデータプロダクトの売上に占める割合が拡大した結果、原価率は67.9%となりました。前連結会計年度の売上原価率69.0%より1.1ポイント減少しております。以上の結果、当連結会計年度におけ売上総利益は4,129百万円(前年同期比109.1%)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は3,296百万円(前年同期比104.3%)となりました。増加の主な要因は事業拡大のため採用を強化したことによる採用研修費の増加になります。売上高に対する割合は25.6%となり、前連結会計年度の25.8%より0.2ポイントの減少となりました。以上の結果、当連結会計年度における営業利益は833百万円(前年同期比132.9%)となりました。
d.営業外損益、経常利益
当連結会計年度において受取和解金等により営業外収益は18百万円、為替差損等により営業外費用は113百万円となりました。結果、当連結会計年度における経常利益は738百万円(前年同期比124.6%)となりました。
e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純損失
当連結会計年度において主な特別利益として投資有価証券売却益42百万円を計上いたしました。結果、親会社株主に帰属する当期純利益は565百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益496百万円)となりました。
③ 経営上目標とする客観的な指標について
当社グループの継続的な企業価値向上を達成するために、経営指標としては売上高、営業利益の成長を重視しております。これら経営指標を達成する為に、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、データプロダクトサービスにおける「UNIVERSE」の稼働アカウント数の拡大を重視しております。UNIVERSEでは顧客企業のアカウント開設後、実際に製品やサービスのマーケティングを行う月ごとに発注申し込みを行うことで、当該アカウントによる広告配信が可能になります。この際の月ごとの発注~利用の件数を「稼働アカウント数」として経営指標を達成する為に重視する指標としております。
当該指標について、「② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載の通り、当連結会計年度においては、営業組織体制の見直し・強化によって稼働アカウント数(発注件数)は前年比125%の成長となり、順調に推移しているものと認識しております。
重視する指標
当連結会計年度
(自 2022年10月1日
至 2023年9月30日)
稼働アカウント
(発注件数)
件数
前年同期比(%)
5,978
125.0
(注)UNIVERSEの稼働アカウントのうち、外部データを活用した広告配信を行うアカウントをデータプロダクトサ
ービスに分類し、外部データを活用しない旧来型の広告配信を行うアカウントをコンサルティングサービス
に分類しております。2022年9月期まではこれらを合算した稼働アカウント数を重視する指標としておりま
したが、2023年9月期以降は、注力しているデータプロダクトサービスに該当するアカウント数を重視する
指標として変更しております。
④ 財政状態に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・
フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に含めて記載しております。
⑤ キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る内容
a.キャッシュ・フローの状況分析
キャッシュ・フローの状況の詳細は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは広告媒体の仕入れ費用及び人件費等の営業費用であります。当社は、運
転資金につきましては「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び銀行借入金にて賄う方針であります。今後
は、借入金の総額を減少させつつも、資金需要の必要性に応じて柔軟に対応し、流動性リスクを適切にコントロ
ールしてまいります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2事業の状況 3事業等のリスク」をご参照下さい。
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