【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次の通りであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況の分析社会人教育市場は対面型研修の増加などにより回復傾向にあることを受けて、当社グループでは人的資本経営の推進における課題解決に向け、DX分野や女性活躍推進に関する研修、人事サポートシステム・LMS「Leaf」をベースとした人的資本経営支援ツール、アセスメント分野、通信教育分野のサービス開発及び販促を強化しました。また顧客セグメントにあわせて営業体制の再編成を行いました。
講師派遣型研修事業では、民間企業・官公庁共に対面型研修が増加しました。また年間を通し、収益性の高いDX研修が民間企業を中心に増加しました。その結果、研修実施回数は前年比11.3%増加しました。公開講座事業では、対面型研修の増加により、総受講者数は前年比18.1%増加しました。あわせて、開催数の適正化及び開催可否判断の厳格化により、1開催あたりの受講者数は前年比で回復傾向にあります。ITサービス事業では、「Leaf」の有料利用組織数が増加し638組織(前年9月末比116組織増、22.2%増)となりました。ユーザー数は289万人を超え、Leaf月額利用料(MRR※2)は堅調に増加、年間経常収益(ARR※3)は811百万円(前年同期末比27.4%増)となりました。カスタマイズ案件は、新規案件減少により前年同期比24.7%減となりました。その他事業では、eラーニングのニーズは堅調に増加、また2022年6月より加わった株式会社インソースビジネスレップが売上に寄与しました。あわせて、オンラインセミナー事務代行、並びに地方創生事業が好調となりました。また販管費率は39.9%(前年比1.0ポイント減)となり、営業利益が増加しました。
※1 MRR:Monthly Recurring Revenueの略称、月間経常収益※2 ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRRを12倍して算出
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。なお、当社グループは教育サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,065,445千円増加し、10,795,236千円(前連結会計年度比23.7%増)となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ261,382千円増加し、2,865,735千円(同10.0%増)となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,804,063千円増加し、7,929,500千円(同29.5%増)となりました。
イ.流動資産当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ125,093千円減少し、5,135,722千円(前連結会計年度比2.4%減)となりました。これは主に、売掛金が197,200千円増加(回転期間は概ね1~2か月)したものの現金及び預金が311,982千円減少したこと等によります。
ロ.固定資産当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,190,539千円増加し、5,659,513千円(同63.1%増)となりました。これは主に、土地が554,534千円増加したこと等によります。
ハ.流動負債当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ262,930千円増加し、2,822,337千円(同10.3%増)となりました。これは主に、前受金が119,668千円増加したこと等によります。
ニ.固定負債当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,548千円減少し、43,397千円(同3.4%減)となりました。これは主に、長期借入金が2,125千円減少したこと等によります。
ホ.純資産当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,804,063千円増加し、7,929,500千円(同29.5%増)となりました。これは主に、利益剰余金が1,771,315千円増加したこと等によります。
② 経営成績当連結会計年度の売上高は10,783,695千円(前連結会計年度比14.5%増)、営業利益は3,941,374千円(同17.0%増)、経常利益は3,937,312千円(同17.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,676,403千円(同19.8%増)となりました。
イ.売上総利益当連結会計年度の売上高は、10,783,695千円(前連結会計年度比14.5%増)となりました。これは主に、全事業で売上増加及び対面型研修ニーズが高まり、講師派遣型研修実施回数・公開講座受講者数共に増加したためです。また、売上原価は、2,541,472千円(同15.3%増)となりました。売上原価率がほぼ横ばいになったことは主に、DX研修の自社開発比率向上及び契約講師数の増加、高収益の自社開発eラーニングコンテンツ拡販によるものです。以上の結果、売上総利益は、8,242,223千円(同14.3%増)となりました。また、売上総利益率は、前連結会計年度比0.2ポイント減の76.4%となりました。
ロ.営業利益当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、4,300,848千円(同11.8%増)となり、販売費及び一般管理費率は、同1.0ポイント減の39.9%となりました。これは主に、売上増加及び人件費率が低下したことによるものです。以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、3,941,374千円(同17.0%増)となりました。また、営業利益率は、前連結会計年度比0.8ポイント増の36.5%となりました。
ハ.経常利益当連結会計年度における営業外収益は、雇用調整助成金2,667千円、基地局設置収入2,008千円等を計上し、6,252千円となりました。一方、営業外費用は10,314千円となりました。これは主に、株式報酬費用消滅損9,742千円を計上したことによるものであります。以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、3,937,312千円(同17.7%増)となりました。また、経常利益率は、前連結会計年度比1.0ポイント増の36.5%となりました。
ニ.親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度は、投資有価証券評価損20,005千円等を計上し、特別損失は20,005千円となりました。また、法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額等を合わせた法人税等合計は、1,240,902千円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,676,403千円(同19.8%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益率は、前連結会計年度比1.1ポイント増の24.8%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度において、現金及び現金同等物は311,982千円減少し、当連結会計年度末における残高は3,515,516千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、2,902,577千円の収入(前連結会計年度は2,544,151千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,917,306千円を計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、2,304,832千円の支出(前連結会計年度は687,153千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,110,390千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、909,954千円の支出(前連結会計年度は655,065千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額905,088千円等によるものです。
(3) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績当社グループは、教育サービス事業の単一セグメントであり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。
② 受注実績生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
③ 販売実績当連結会計年度の事業種別毎の販売実績は次の通りであります。なお、当社グループにおける研修サービスの提供期間は概ね短期であります。(単位:千円)
事業の名称
第20期連結会計年度(自 2021年10月1日至 2022年9月30日)
前年同期比(%)
第21期連結会計年度(自 2022年10月1日至 2023年9月30日)
前年同期比(%)
講師派遣型研修事業
4,665,297
122.8
5,275,059
113.1
公開講座事業
2,218,265
121.4
2,617,779
118.0
ITサービス事業
1,197,880
117.1
1,304,087
108.9
その他事業
1,337,036
156.7
1,586,769
118.7
合計
9,418,481
125.6
10,783,695
114.5
(注) 1.当社グループの報告セグメントは単一であるため、事業種別毎に記載しております。2.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績等の記載は省略しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資本の財源当社グループは、運転資金、設備資金等の所要資金につきましては、原則として自己資金で賄うこととしております。
② 資金の流動性資金の流動性についての分析につきましては「(2) キャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積りの判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
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