【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。なお、当社は、前第1四半期累計期間については四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っておりません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績当第1四半期累計期間(2023年7月1日から2023年9月30日まで)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等による社会経済活動の正常化の動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢を始めとする地政学リスクや原材料価格の上昇、インフレリスクなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような中でドル円為替相場は、前事業年度と比較して円安水準で推移しました。航空業界では、国内線需要の回復に加え、国際線需要についても急速に回復が進んでおります。その結果、エアラインでは航空旅客需要の回復に伴う機体発注拡大などの動きが見られるとともに、航空機メーカーにおいては、中小型航空機を中心とした一部機種の受注が拡大しました。当社の主力製品であるチタンアルミ製の低圧タービンブレードを採用しているLEAPエンジンが搭載される、仏Airbus社製航空機A320neoファミリー及び米Boeing社製航空機737MAXは、中小型航空機として高水準の受注機数残高を維持しており、両社ともに生産体制の増強を進めております。また、同じくLEAPエンジンが搭載される中COMAC社製航空機C919は、2023年に初の商業飛行を中国国内で実施しました。
<LEAPエンジンが搭載される航空機の受注機数残高及び引渡機数(単位:機)>
受注機数残高
引渡機数
2023年9月末
2022年1月~12月
2023年1月~9月
仏Airbus社製 A320neoファミリー
7,236
516
391
米Boeing社製 737MAX
4,914
374
280
中COMAC社製 C919
768
1
1
(出所:一般財団法人日本航空機開発協会)
一方で、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢を発端としたサプライチェーンの毀損や人手不足の影響の顕在化により、仏Airbus社及び米Boeing社ともに、生産体制の増強に一部遅延が見られております。そのため、当社の主要事業であるLEAPエンジン向けチタンアルミブレードの販売についても、下期から拡大することを想定しております。その結果、当第1四半期のチタンアルミブレードの販売数量は前年同期と同水準となり、当社のチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数(チタンアルミブレード販売枚数÷LEAPエンジン1基当たりのチタンアルミブレード搭載枚数)は146基(前期比1.4%減)となりましたが、円安の影響もあり、当社の売上高は増加いたしました。A320neoファミリー及び737MAXともに、受注機数残高は高水準を維持しており、航空業界でのサプライチェーンの毀損や人手不足の解消が進めば、チタンアルミブレードの販売は拡大していくと考えられることから、当社は、引き続き、生産性・収益性の向上に取り組みました。また、チタンアルミブレードへの事業依存度を引き下げるための新規量産案件の獲得・拡大に向けた人員採用の強化、並びに材料供給元1社依存からの脱却に向けた新材料の開発等にも注力しました。この結果、当第1四半期累計期間の経営成績は、売上高774,416千円、営業利益120,453千円、経常利益126,739千円、四半期純利益110,470千円となりました。なお、当社は、単一セグメントのため、セグメントごとの記載を省略しております。
②財政状態(資産)当第1四半期会計期間末における資産の残高は、6,646,005千円であり、前事業年度末に比べ857,769千円増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金の増加726,736千円、有形固定資産の増加59,587千円があったことによるものであります。現金及び預金が増加した主な要因は、四半期純利益の計上、並びに、株式上場による新株発行758,586千円があったことによるものであります。
(負債)当第1四半期会計期間末における負債の残高は、4,166,934千円であり、前事業年度末に比べ775千円増加いたしました。この主な要因は、リース債務(1年内返済予定分含む)の返済による減少44,890千円、長期借入金(1年内返済予定分含む)の返済による減少38,428千円があった一方で、未払金の増加36,406千円があったことによるものであります。
(純資産)当第1四半期会計期間末における純資産の残高は、2,479,071千円であり、前事業年度末に比べ856,993千円増加いたしました。この主な要因は、四半期純利益の計上、並びに、株式上場による新株発行758,586千円があったことによるものであります。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第1四半期累計期間における研究開発活動の金額は、39,582千円であります。当第1四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。