【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、4月には新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行もあり、消費者マインドの改善傾向が明確となり、個人消費や企業の景況感も持ち直し、緩やかな回復が続いた。一方、円安・資源高を背景に、消費者物価の上昇が続いている点には注意を要する状況である。
このような中で、当社グループは、「中期経営計画ブレークスルー2024 ~PROGRESS IN THE NEW NORMAL~」の最終年度となることを踏まえ諸課題達成に向けて鋭意取り組んだ。
商業施設事業においては、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」で、前期にスタートした本館の区画見直し工事が完了し、ゴールデンウィーク前に、ユニクロ系列のGUがオープンしたほか、新規テナント開業や販促イベントの強化に取り組んだ。ヘルスケア事業とせんい事業においては、国内市況の回復に伴い、国内での販売力強化に取り組んだ。ただし、せんい事業においては前年同期に好調であった中国連結子会社が売上を大幅に落とした。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は8億97百万円(前年同期比6.1%減)となり、営業利益は80百万円(前年同期比142.6%増)、支払利息などを加味した経常利益は44百万円(前年同期は経常損失10百万円)となった。これに、法人税等の負担を考慮した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、31百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失11百万円)と、第1四半期としては4期ぶりの黒字決算となった。
セグメントごとの経営成績は次のとおりである。
(商業施設事業)
商業施設事業については、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」において、区画工事期間中の一部区画閉鎖の影響があったものの、ゴールデンウィークからは新店オープンの効果や販促イベントの強化により、売上高は前年同期並みを確保し、さらに市況回復や減価償却費減少などによる利益率改善により営業利益は前年同期を上回った。
この結果、商業施設事業の売上高は5億40百万円(前年同期比0.1%減)、営業利益は2億17百万円(前年同期比10.9%増)と前年同期比増益となった。
(ヘルスケア事業)
健康ビジネス部門については、温熱電位治療器や当社独自技術のバイオ麻の販売が伸びて、売上高は前年同期を上回った。一般寝装品部門については、夏物商材が順調で、売上高は前年同期を上回った。また、採算改善効果により、ヘルスケア事業における営業損失幅は縮小した。
この結果、ヘルスケア事業の売上高は2億42百万円(前年同期比15.7%増)、営業損失2百万円(前年同期は営業損失21百万円)と営業損益は前年同期比改善した。
(せんい事業)
衣料部門については、国内アパレルOEMの売上高は前年同期を上回ったものの、前年同期に好調であった中国現地法人の売上が大幅に減少したため、前年同期比で約1億円の減収となった。ユニフォーム部門については、官需ユニフォームが順調に推移し売上高は前年同期を上回った。
この結果、せんい事業の売上高は1億14百万円(前年同期比44.2%減)となったものの、ユニフォーム部門の採算改善や衣料部門の販管費削減効果があり、営業損失2百万円(前年同期は営業損失10百万円)と営業損益は前年同期比改善した。
(財政状態の状況)
当第1四半期連結会計期間末における総資産の残高は203億61百万円で、前期末比71百万円減少した。その内、流動資産は23億38百万円で、前期末比19百万円減少した。その主な要因は、営業キャッシュ・フローの獲得により現金及び預金11億29百万円において1億17百万円増加したこと、売上債権の回収により受取手形及び売掛金3億61百万円において2億円減少したこと、仕入により棚卸資産8億9百万円において85百万円増加したことである。また、固定資産は180億23百万円で、前期末比52百万円減少した。その主な要因は、有形固定資産173億97百万円においてリース資産の取得などにより90百万円増加したものの、減価償却費などにより1億16百万円減少したこと等である。
負債の残高は155億69百万円で、前期末比73百万円減少した。その内、流動負債は44億8百万円で、前期末比28億78百万円増加した。その主な要因は、一年以内に返済期限が到来する借入金を固定から流動に振り替えたことにより短期借入金34億58百万円において28億97百万円増加したことである。固定負債は111億60百万円で、前期末比29億52百万円減少した。その主な要因は、約定弁済及び流動へ振り替えたことにより長期借入金68億77百万円において30億37百万円減少したこと、新たなリース契約により固定負債のその他1億11百万円において85百万円増加したことである。
純資産の残高は47億92百万円で、前期末に比べ1百万円増加した。その主な要因は、四半期純利益の計上により31百万円増加したものの、配当金の支払により30百万円減少したこと、保有株式の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が9百万円増加したこと、金利スワップの時価評価により繰延ヘッジ損益が8百万円減少したことである。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はない。
(3)研究開発活動
該当事項なし。