【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、行動制限が緩和されるなど社会経済活動が正常化されつつある一方で、足もとでは、物価上昇等を通じた企業収益や家計の圧迫が引き続き懸念されております。このような環境のもと、当社グループは前連結会計年度に引き続き、持続的な成長に向け、今後の成長が期待できるプラットフォーム事業及びブロードバンド事業における会員獲得のための積極的なプロモーション投資、中長期の柱を育成するための新規事業立ち上げ等に積極的に取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高は7,533,314千円(前年同期比5.6%増)、営業利益は622,158千円(前年同期比56.3%増)、経常利益は597,051千円(前年同期比46.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は453,971千円(前年同期比30.9%増)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
(プラットフォーム事業)プラットフォーム事業には、「エキサイト電話占い」や「エキサイトお悩み相談室」等のカウンセリングサービス、「ウーマンエキサイト」等のメディアサービスが属しております。当連結会計年度は、カウンセリングサービスにおいては、良質な占い師・カウンセラーの獲得に加え、積極的なプロモーション投資により新規会員の獲得を進めてまいりました。メディアサービスにおいては、コミックエッセイを中心に質の高い自社コンテンツを増加させたことに伴いページビュー数も増加しました。この結果、売上高は3,206,719千円(前年同期比10.3%増)、営業損益は683,535千円の利益計上(前年同期比31.2%増)となりました。
(ブロードバンド事業)ブロードバンド事業には、「BBエキサイト」等のISPサービス、格安SIMの「エキサイトモバイル」等のMVNOサービスが属しております。当連結会計年度は、「BBエキサイト」を中心としたISPサービスにおいて着実に会員数の積み上げを図ったことにより、売上高は3,677,838千円(前年同期比6.6%増)、営業損益は649,689千円の利益計上(前年同期比12.9%増)となりました。
(SaaS・DX事業)SaaS・DX事業には、「KUROTEN」や「FanGrowth」等のSaaS事業、見込み顧客の獲得・育成を行う「ウェビナーコンサルティング」やWebシステムの開発・運用を行うDX事業が属しております。当連結会計年度は、2021年6月に開始した「KUROTEN」や2022年7月に開始した「FanGrowth」等のSaaS事業等の立ち上げに伴う先行投資により、売上高は648,490千円(前年同期比4.8%減)、営業損益は163,149千円の損失計上(前年同期間148,341千円の損失計上)となりました。
② 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における総資産は4,550,807千円(前連結会計年度末比309,800千円の増加)となりました。流動資産は、2,500,324千円(前連結会計年度末比305,505千円の増加)となりました。これは、主に利益の拡大に伴う現金及び預金の増加によるものであります。固定資産は、2,050,483千円(前連結会計年度末比4,294千円の増加)となりました。これは、主にソフトウェアの増加によるものであります。
(負債) 当連結会計年度末における負債は2,528,097千円(前連結会計年度末比201,129千円の減少)となりました。流動負債は、1,388,097千円(前連結会計年度末比11,129千円の減少)となりました。これは、主に未払金の減少によるものであります。固定負債は、1,140,000千円(前連結会計年度末比190,000千円の減少)となりました。これは、借入金の返済に伴う長期借入金の減少によるものであります。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産は2,022,710千円(前連結会計年度末比510,929千円の増加)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加によるものであります。
(自己資本比率) 当連結会計年度末における自己資本比率は44.4%(前連結会計年度末比8.8ポイント増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて191,296千円増加し、1,175,527千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により獲得した資金は、688,870千円(前年同期間は704,511千円の獲得)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、299,483千円(前年同期間は383,171千円の使用)となりました。これは、主に無形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は、198,090千円(前年同期間は190,025千円の使用)となりました。これは、主に長期借入金の返済によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(千円)
前年同期比(%)
プラットフォーム事業
3,206,719
10.3
ブロードバンド事業
3,677,838
6.6
SaaS・DX事業
648,490
△4.8
報告セグメント計
7,533,049
7.0
その他事業
265
△99.7
セグメント間取引
―
―
合計
7,533,314
5.6
(注)主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、連結売上高の10%以上を占める相手先がないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、重要なものは以下のとおりであります。
(減損損失)当社グループは、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)当連結会計年度の売上高は、7,533,314千円(前年同期比5.6%増)となりました。売上高の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価、売上総利益)当連結会計年度の売上原価は、3,978,503千円(前年同期比2.4%増)となりました。主な要因は、売上高の拡大に伴いブロードバンド事業の通信回線利用料が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は3,554,811千円(前年同期比9.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、2,932,652千円(前年同期比3.0%増)となりました。主な要因は、カウンセリングサービスにおいて会員獲得のための広告宣伝費が増加したことによるものであります。この結果、営業利益は622,158千円(前年同期比56.3%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)当連結会計年度の営業外収益は、助成金収入等により870千円となりました。営業外費用は、支払利息の計上等により25,977千円となりました。この結果、経常利益は597,051千円(前年同期比46.3%増)となりました。
(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益の計上により9,301千円となりました。特別損失は、固定資産除却損の計上により3,975千円となりました。これらに加え、税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を148,000千円、非支配株主に帰属する当期純利益406千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は453,971千円(前年同期比30.9%増)となりました。
なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,175,527千円となっており、プラットフォーム事業及びブロードバンド事業の事業成長に伴う運転資金、新規事業への先行投資に備えております。なお、当社グループは資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として、取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。当社グループでは、売上高、営業利益を経営上の重要指標として位置付けており、当連結会計年度における売上高は、前年同期比401,352千円増加し、7,533,314千円となりました。営業利益は、前年同期比223,977千円増加し、622,158千円となりました。
今後については、既存事業を着実に成長させながら、新規事業への規律ある先行投資を行い、新たな事業の柱となるよう育成することで、売上高及び営業利益を増加させていく方針であります。なお、当社グループの各サービスをセグメントごとではなく、既存事業と新規事業に分けた売上高と営業利益の推移は以下のとおりです。
単位
2019年3月期
2020年3月期
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
既存事業売上高
千円
5,678,012
5,734,886
6,179,550
6,295,476
6,630,838
既存事業営業利益
千円
△253,727
455,019
612,086
919,747
992,201
新規事業売上高
千円
―
620
649,076
836,485
902,475
新規事業営業利益
千円
―
△26,444
△165,824
△521,236
△370,042
(注)新規事業は2020年3月期より当社グループにて開始したサービスを指しており、2022年3月期末時点で終了したサービスを含んでおります。既存事業の営業利益、新規事業等の営業利益は全社費用等の調整額を簡便的に既存事業、新規事業に配賦した後の営業利益となります。
既存事業の各サービス別では、プラットフォーム事業の「エキサイト電話占い」や「エキサイトお悩み相談室」等のカウンセリングサービスにおいては、相談回数の増加を重視しており、2019年3月期から2023年3月期の相談回数の年平均成長率(CAGR)は20.1%となりました。また、プラットフォーム事業のメディアサービスにおいては、ページビュー(PV)数の増加を重視しており、主力メディアである「ウーマンエキサイト」の2019年3月期から2023年3月期の平均単月PV数の年平均成長率(CAGR)は78.8%となりました。ブロードバンド事業においては、ユーザーの利用期間が長く、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)が高いビジネスモデルであるため、課金会員数を重視しております。プロモーション費用をコントロールし顧客獲得単価を踏まえつつ、着実に課金会員数を増やしており、2019年3月期から2023年3月期の月平均の光回線・MVNO課金会員数の年平均成長率(CAGR)は9.6%となりました。これら指標の推移と2023年3月期の主な光回線サービス、MVNOサービスにおけるLTV及び会員獲得コストは以下のとおりであります。
2019年3月期
2020年3月期
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
プラットフォーム事業カウンセリング相談回数(件)
101,494
116,539
165,574
179,157
211,175
プラットフォーム事業ウーマンエキサイト月間平均PV数(百万PV)
23
42
133
190
235
ブロードバンド事業光回線・MVNO月平均課金会員数(人)
42,156
43,284
48,982
54,573
60,766
主要な光回線サービス
MVNOサービス
顧客当たり月額利益(円)
794
446
平均利用期間(ヶ月)
62
52
LTV(円)
49,566
23,310
顧客獲得単価(円)
8,930
3,314
回収期間(ヶ月)
11
7
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