【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態の状況(資産)流動資産は1,121,816千円となり、前事業年度末に比べ547,202千円増加しました。これは主に現金及び預金が456,734千円、売掛金が41,822千円、契約資産が30,857千円増加したことによるものであります。固定資産は110,566千円となり、前事業年度末に比べ7,306千円増加しました。これは主に投資その他の資産に含まれる保険積立金が4,492千円増加したことによるものであります。
(負債) 流動負債は378,419千円となり、前事業年度末に比べ41,942千円増加しました。これは主に未払法人税等が49,349千円増加したことによるものであります。固定負債は54,929千円となり、前事業年度末に比べ39,944千円減少しました。これは主に長期借入金が39,996千円減少したことによるものであります。
(純資産)純資産は799,033千円となり、前事業年度末に比べ、552,511千円増加しました。これは主に資本金、資本剰余金がそれぞれ225,400千円、利益剰余金が101,823千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況当事業年度(自2022年7月1日至2023年6月30日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の「5類」移行に伴う経済活動の再開により、景気が緩やかに持ち直されてきておりますが、一方で、継続的な物価上昇や世界的な金融引締め等により、金融資本市場や景気動向は先行き不透明な状況が続いております。 このような中、当社を取り巻く国内IT市場においては、従前からの生産性向上や競争力強化を目的としたDXの需要に加え、ChatGPTに代表される生成系AIの活用可能性に対する企業の需要及び社会的関心が高まっており、デジタル化の流れがより力強いものとなっております。 当社の事業においては、クラウドインテグレーションサービスにおけるクラウドインフラ構築、AWSリセールサービスの取引が拡大していること等を背景に、当事業年度において、過去最高の売上高及び利益を実現しております。また、ChatGPTを活用した開発支援や、プロダクトサービス(360)におけるChatGPTによる評価項目の提案サポート等、生成系AIを活用したサービスを早期に開始いたしました。 これらの結果、当事業年度の業績は、売上高は1,532,167千円(前期比36.3%増)、売上総利益は526,756千円(前期比35.5%増)、営業利益は160,708千円(前期比129.3%増)、経常利益は148,279千円(前期比109.5%増)、当期純利益は101,823千円(前期比131.3%増)となりました。なお、当社はDX事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりませんが、サービス別の業績の概要は以下の通りであります。
①クラウドインテグレーション AWSによるサーバインフラの構築・運用から、AWSのマネージドサービスを活かしたシステム開発を行う事業です。クラウドインテグレーションは、クラウドネイティブインテグレーション、リセール、MSPの3つのサービスで構成されており、クラウドインテグレーション全体の売上高は1,158,622千円(前期比36.1%増)となりました。 各サービスの概況は以下の通りです。
①-1.クラウドネイティブインテグレーション 当社が長年培ってきたソフトウェア開発力に、AWSのマネージドサービスを活かした開発環境を掛け合わせることで、信頼性と開発効率を両立したシステム開発を提供しております。 既存案件の追加開発による拡大に加え、クラウド需要の加速に伴い新規契約も堅調に増加した結果、売上高は615,491千円(前期比46.3%増)となりました。
①-2.リセール AWSの専門的な知識と、様々な開発経験及び知見に基づく提案力を掛け合わせ、クライアントニーズに細かく対応したクラウド環境を提供しております。 既存顧客からの継続的な受注と、大口顧客のAWS利用料が堅調に増加した結果、売上高は411,095千円(前期比40.6%増)となりました。
①-3.MSP クラウド技術と当社が独自に開発した死活監視ツールや運用監視ツールを組み合わせることで、安定したインフラ運用を効率的に実現するサービスを提供しております。 MSPは、特定の案件で契約解約が発生した結果、売上高は132,035千円(前期比4.6%減)となりました。
②データインテグレーション AIやIoTなどの先進技術を駆使してデータの収集や解析を高度に行い、更にクラウド技術も組み合わせることで、様々なクライアントの業務効率化や業務付加価値の向上をトータルでサポートしております。 IoTシステム開発やAI/ビッグデータ解析への需要の高まりを背景に、取引数が順調に拡大した結果、売上高は276,533千円(前期比40.0%増)となりました。
③その他(自社プロダクト等) クライアントの要望に合わせて開発したシステムから、汎用性の高いものをサービス化して提供しております。現在は、360度評価特化型人事評価サービスツールである「360(さんろくまる)」、主に学校や保育園向けの連絡網サービスである「sigfy」を展開しております。 案件大型化による顧客単価の伸長及び顧客数の増加などの結果、売上高は97,011千円(前期比29.5%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度から456,734千円増加し、847,949千円となりました。当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況と、その主な要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により獲得した資金は115,499千円(前事業年度は83,089千円の獲得)となりました。 これは、クラウドネイティブインテグレーションサービスの売上規模拡大に伴う売上債権及び契約資産の増加額71,118千円、棚卸資産の増加額16,314千円等があった一方で、売上規模拡大による税引前当期純利益148,279千円、契約負債の増加額14,197千円、未払費用の増加額11,670千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により支出した資金は、10,776千円(前事業年度は5,052千円の獲得)となりました。 これは、有形固定資産の取得による資金の支出が5,301千円、保険積立金の積立による支出4,492千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により獲得した資金は352,010千円(前事業年度は120,404千円の支出)となりました。 これは、当事業年度における新規上場に伴う株式の発行による収入が437,789千円、長期借入金の返済による支出85,666千円等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績当事業年度における販売実績をサービス区分別に示すと、次の通りであります。なお、当社は、DX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
サービス区分の名称
金額(千円)
前期比(%)
クラウドインテグレーション
1,158,622
36.1
データインテグレーション
276,533
40.0
その他
97,011
29.5
合計
1,532,167
36.3
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下の通りであります。
相手先
前事業年度
当事業年度
(自 2021年7月1日
(自 2022年7月1日
至 2022年6月30日)
至 2023年6月30日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
株式会社まちのわ
-
-
270,960
17.7
株式会社内田洋行
116,297
10.3
256,873
16.8
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、採用した会計方針及びその運用方法並びに見積りの評価については、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)当事業年度においては、DX市場が拡大している中、お客様のDX化をともに考えるコンサルティング、システムの設計、開発、運用までの一貫したソリューションを行うことにより、売上高を順調に伸ばすことができました。特に、クラウド需要により大手企業との大・中規模契約の継続等により売上が増加し、売上高は1,532,167千円(前期比36.3%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)当事業年度における売上原価は、エンジニアの採用加速に伴う人件費の増加、及び、クラウド使用拡大に伴うAWSクラウド利用料の増加により、1,005,410千円(前期比36.8%増)となりました。以上の結果、売上総利益は526,756千円(前期比35.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)当事業年度における販売費及び一般管理費は、事業拡大に伴う体制強化にかかる費用等の増加により、366,048千円(前期比14.7%増)となりました。以上の結果、営業利益は160,708千円(前期比129.3%増)となりました。
(営業外収益・営業外費用、経常利益)当事業年度の営業外収益は、為替差益等により、1,181千円(前期比37.3%減)となりました。営業外費用については、上場関連費用等により、13,610千円(前期比1,046.1%増)となりました。以上の結果、経常利益は148,279千円(前期比109.5%増)となりました。
(特別利益・特別損失、当期純利益)当事業年度は特別利益、特別損失は発生しておりません。また、当事業年度の法人税等合計は46,456千円(前期比140.5%増)となりました。以上の結果、当期純利益は101,823千円(前期比131.3%増)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性当社のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。当社の資金需要は、事業規模拡大に係る人件費や採用費が主なものであります。財政状態等を勘案しながら必要に応じて金融機関からの借入による資金調達を行いますが、翌年度における借入計画はありません。なお、当事業年度末における有利子負債(借入金)残高は80,012千円であり、現金及び現金同等物の残高は847,949千円であります。
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