【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態
当社の広告マッチング型サービスの大部分は、取扱高からインフルエンサーに対する報酬を差し引いた金額(純額)を売上高として計上しております。当社の売掛金は取扱高に対応して発生するものであり、買掛金はインフルエンサーに対する報酬によるものであるため、売掛金残高は売上高に対して高い水準、買掛金残高は売上原価に対して高い水準となっております。
なお、当社グループはインフルエンス・プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は行っておりません。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末より1,046,539千円増加し、2,238,601千円となりました。これは主に、株式の発行による増加と営業キャッシュ・フローのマイナスによる減少の結果、現金及び預金が965,657千円増加したことによるものであります。
また、取扱高に対応して発生する売掛金が315,793千円増加した一方で、のれんの償却及び減損損失の計上により、のれんが213,834千円減少しております。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末より17,503千円増加し、1,182,285千円となりました。これは主に、買掛金が79,344千円、未払金が59,355千円それぞれ増加した一方で、借入金が164,283千円(うち長期借入金が135,663千円、1年内返済予定の長期借入金が28,620千円)減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末より1,029,036千円増加し、1,056,315千円となりました。これは主に、資本金が797,130千円、資本剰余金が797,130千円それぞれ増加した一方で、利益剰余金が565,223千円減少したことによるものであります。
② 経営成績
2022年においては、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大、ウクライナ情勢、物価高騰など国内外の様々な影響を受けて、マスコミ(新聞、テレビ等)の広告費は前年度より減少傾向に転じました。これに対して、インターネット広告費は社会のデジタル化を背景に、前年比114.3%の3兆912億円(注2)と引き続き成長を見せており、この好調に支えられて、日本の総広告費は過去最高を15年ぶりに更新しております。
このような事業環境の下、インフルエンサーと顧客をつなげるプラットフォームサービス「toridori base」を通じて、マイクロインフルエンサーへの支援に積極的に取り組んで参りました。その結果、当連結会計年度の取扱高は5,741,214千円、売上高は2,054,814千円、営業損失は370,842千円、経常損失は393,476千円及び親会社株主に帰属する当期純損失は565,223千円となりました。
なお、当社グループはインフルエンス・プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は行っておりません。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より965,657千円増加し、1,181,798千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とその要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により支出した資金は、前連結会計年度より33,446千円増加し、454,045千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上571,671千円に加え、のれんの減損損失の計上178,195千円、売上債権の増加額315,793千円、仕入債務の増加額79,344千円及び未払金の増加額59,355千円があったためであります。売上債権、未払金及び仕入債務の増加は事業拡大に伴うものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により支出した資金は、前連結会計年度より106,161千円減少し、10,273千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11,722千円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、前連結会計年度より1,333,418千円増加し、1,429,977千円となりました。これは、株式の発行による収入1,594,260千円があったためであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業の内、「toridori made」においてはアパレルやコスメ等の品目を主に外注を活用して生産しておりますが、当社グループ全体の売上高に占める重要性は軽微であり、また生産から売上計上までの所要日数も短いため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの事業の内、「toridori made」においては一部のブランドで受注生産方式を採用しておりますが、当社グループ全体の売上高に占める重要性は軽微であり、また受注から売上計上までの所要日数も短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントは、インフルエンス・プラットフォーム事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。
サービス区分の名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
インフルエンス・プラットフォーム事業
「toridori base」
645,254
346.6
「toridori ad」
599,121
178.9
「toridori promotion」
310,195
154.3
「toridori studio」
115,059
72.6
「toridori made」
385,183
216.9
合計
2,054,814
194.2
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記
載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
連結財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の取扱高は5,741,214千円となり、売上高は2,054,814千円となり、これは各事業の拡大によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は171,155千円となりました。これは主に「toridori made」の商品原価であります。
この結果、売上総利益は1,883,658千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,254,501千円となりました。これは主に人件費・業務委託費や広告宣伝費・販売促進費によるものであります。その結果、営業損失は370,842千円となりました。
(営業外損益、経常損益)
当連結会計年度の営業外収益から営業外費用を差し引いた営業外損益純額は、22,634千円の損失となりました。これは主に支払利息によるものであります。その結果、経常損失は393,476千円となりました。
(特別損益、法人税、住民税及び事業税、親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の特別損失は178,195千円となりました。これはのれんの減損によるものです。
法人税等合計としては、△6,447千円を計上しております。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は565,223千円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要としては、事業の拡大に伴う人件費、外注費、クライアント獲得や認知度向上のための広告宣伝費に加え、必要に応じてM&A等の投資を実施する方針であります。当社グループは、財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。
最低資金残高につきましては、概ね取扱高の1か月程度を想定しており、現時点において、手元流動性は高く、最低資金残高を上回るキャッシュポジションで推移しております。その為、当社といたしましては、現時点において、流動性リスクを管理するための指標を、設定しておりません。
また、資金繰りが悪化する場合に備え、流動性資産を十分に保有するとともに、資金の流出入の動向を踏まえて資産・負債両面から適切な資金繰りを行っております。なお、当座貸越及びコミットメントライン契約につきましては、締結しておりません。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりサービス別売上総利益、「toridori base」の顧客数及び顧客当たりの四半期売上総利益を重要な経営指標と位置づけ各経営課題に取り組んでおります。
#C9337JP #トリドリ #サービス業セクター