【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の概況
当第2四半期連結累計期間(2020年3月1日~2020年8月31日)におけるわが国経済は、昨年末から中国湖北省武漢市を中心に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症が短期間で全世界に広がり、経済活動や社会生活全般に甚大な影響を及ぼすに至り、海外への渡航規制、国内における緊急事態宣言の発出、外出自粛・休業要請等により、企業活動や個人消費が著しく制限され、景気は急速に悪化し中々収束の兆しが見えず、先行き不透明な状況となりました。このような状況のもと、当社グループは、直近2期連続黒字の達成を受け、持続的な成長と安定的な収益の確保により企業価値の向上を図るべく、すべての事業において業績の向上・改善に取り組みました。試験機事業では、各種材料の評価試験、動力・性能試験、環境試験等の各分野における業界トップレベルの試験機の品揃えと、自動車、鉄鋼、鉄道、産業機器等のメーカーや各種研究機関、学校など幅広いユーザーを有し、製品・商品の販売およびメンテナンス・校正等のサービスの提供を行いましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が産業界全体に影響を及ぼすこととなり、先行きについては予断を許さない状況となりました。商事事業では、一般消費者向けの生活関連商品のうち量販店向けの販売は大幅に落ち込みましたが、海外向けの商品の販売は堅調な伸びとなりました。海外事業では、中国子会社の無錫三和塑料製品有限公司においてオフィス家具部品や家電部品、生活用品部品等のプラスチック成型品の製造・販売を行い、早期の黒字化に向けコストの削減を継続するとともに、新たな取引先を確保すべく、主に日本の企業向けに営業活動を行いました。その他事業のうちエンジニアリング事業では、従前より特許を有するゆるみ止め製品(ナット・スプリング)のインフラマーケットへの浸透・市場シェア拡大に努め、販売は比較的堅調に推移いたしました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高2,031,390千円(前年同期比17.4%減)、経常利益173,403千円(前年同期比26.2%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は150,680千円(前年同期比65.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①試験機事業試験機事業では、製品の高性能化・高機能化等のブラッシュアップや生産工程・パーツの標準化の推進による原価低減等を継続して収益基盤の強化を図りました。売上高については、第1四半期連結会計期間は既受注案件が多く新型コロナウイルス感染拡大の影響は少なかったものの、第2四半期連結会計期間は、受注活動の制限や据付、修理等の現地工事に対する制約などを主因に厳しい状況となり、当第2四半期累計期間では前年同期を下回る結果となりました。以上の結果、試験機事業の売上高は1,572,815千円(前年同期比5.9%減)、営業利益は268,115千円(前年同期比9.2%増)となりました。
②商事事業商事事業では、一般消費者向けの生活関連商品のうち、従来からの量販店向け商品の販売は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により訪日観光客が激減したことで大幅に減少したものの、前連結会計年度から開始した海外向けの商品の販売については、堅調な伸びとなったことから売上高・利益ともに前年同期を上回ることができました。以上の結果、商事事業の売上高は2,998千円(前年同期比97.0%減)、営業損失は4,573千円(前年同期は4,287千円の営業利益)となりました。
③海外事業海外事業では、新型コロナウイルスへの感染拡大防止のため、中国子会社で半月程度の工場操業停止による生産高の減少があり、売上高の落ち込みの要因となりました。工場の操業再開後は、中国国内の企業や日本企業向けの家電部品や生活用品部品等のプラスチック成型品の製造・販売は比較的順調に推移しているものの、欧米の企業向けのオフィス家具部品については、新型コロナウイルス感染拡大の影響により客先の生産体制に遅れが生じたことを受け、大幅に製造・販売が減少する事態となりました。損益につきましては、売上高の減少に対応すべく、人員の適正化や購買管理の強化など引き続きコストの削減に努めました。以上の結果、海外事業の売上高は244,860千円(前年同期比50.3%減)、営業損失は57,356千円(前年同期は33,924千円の営業損失)となりました。
④ その他事業 その他事業のうちエンジニアリング事業では、ゆるみ止めナット・スプリングについては、高速道路や橋梁、エネルギー関係等の社会インフラ向けや国内建設市場向けに製品の浸透と市場シェアの拡大に努めた結果、インフラ向けの製品を中心に販売が比較的堅調に推移いたしました。以上の結果、その他事業の売上高は210,963千円(前年同期比18.0%減)、営業利益は64,690千円(前年同期比 31.3%減)となりました。
(2) 財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末における総資産は4,245,867千円となり、前連結会計年度末に比べ77,524千円減少いたしました。流動資産は3,014,704千円となり、前連結会計年度末に比べ48,556千円減少いたしました。これは主に現金及び預金の増加241,263千円、受取手形及び売掛金の減少246,019千円、電子記録債権の減少41,387千円、仕掛品の減少63,429千円によるものであります。固定資産は1,231,162千円となり、前連結会計年度末に比べ28,967千円減少いたしました。これは主に建物及び構築物の減少11,713千円、繰延税金資産の減少16,626千円によるものであります。流動負債は1,450,623千円となり、前連結会計年度末に比べ78,193千円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の減少218,769千円、短期借入金の増加245,650千円、未払金の減少63,947千円によるものであります。固定負債は901,934千円となり、前連結会計年度末に比べ150,491千円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少146,512千円、リース債務の減少8,991千円によるものであります。純資産は1,893,309千円となり、前連結会計年度末に比べ151,160千円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加150,680千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ229,263千円増加し、1,135,661千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローの増加は182,938千円(前年同期は152,267千円の増加)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益204,163千円、売上債権の減少257,659千円、仕入債務の減少△216,891千円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローの減少は34,761千円(前年同期は7,621千円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出△16,073千円、定期預金等の預入による支出△16,250千円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローの増加は81,964千円(前年同期は18,117千円の増加)となりました。これは主に短期借入れによる収入2,201,980千円、短期借入金の返済による支出△1,954,980千円等によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対応すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、7,094千円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。