【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しておりますが、参考として、当連結会計年度の連結経営成績と前事業年度の個別経営成績の比較及び当連結会計年度末の連結財政状態と前事業年度末の個別財政状態の比較情報を記載しております。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が緩和され、各種政策の効果もあり景気が持ち直していくことが期待されております。しかしながら、世界的な金融引き締め等が続く中、海外景気の下振れリスクや金融資本市場の変動が懸念される状況が続いております。
当社グループが属する事業環境においては、ロシアのウクライナ侵攻の影響を受けて企業のセキュリティ意識が向上しており、また、グローバル企業においてはサプライチェーンマネジメントの整備が進む等、GRC及びセキュリティ領域への対応に関心が高まる状況となりました。
このような環境の中、当社グループは、GRC及びセキュリティの視点に着目し、日本企業の成長や外部環境の変化に伴い増加する脅威や企業課題を解決する事業を展開しております。テクノロジーを活用して情報管理が属人的かつ複雑な業務の効率化を図り、迅速な経営判断や企業成長の最大効率化を支援しております。
当連結会計年度においては、既存顧客へのアップセルが奏功したことにより売上高が順調に推移いたしました。また、リスクマネジメントに対する意識が高まりインバウンドによる新規顧客が増加し、自社開催のセミナーでは参加者数が前期比約2.5倍となりました。
専門人材の獲得や採用力強化を目的に株式会社バリュレイトを連結子会社化し、同社の人材を当社の研修プログラムによってリスキリングすることで専門人材へ育成、また、同社の採用に関するノウハウを活かすことで採用力強化を推進してまいりました。また、対象顧客として注力している金融業界は急速な進化を遂げ、テクノロジーの活用が事業推進において益々重要な役割を果たしております。今後の更なる取引拡大を見込み、成長戦略の柱の一つとしてフィナンシャルテクノロジーへ投資を行い、経験豊富なワールドクラスの技術者チームにより金融機関向けに先端技術のソリューションを一気通貫で提供できる体制を整えてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,398,915千円(前期比36.4%増)、売上総利益436,459千円(同8.5%減)、営業損失187,526千円(前事業年度は営業利益123,161千円)、経常損失187,299千円(前事業年度は経常利益100,171千円)、親会社株主に帰属する当期純損失209,019千円(前事業年度は当期純利益143,869千円)となりました。
なお、当社グループはGRCソリューション事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載を省略しております。また、当連結会計年度より株式会社バリュレイトを連結の範囲に含めておりますが、同社の事業内容もGRCソリューション事業に該当いたします。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ226,878千円増加し1,500,497千円となりました。
順調に売上高が推移したことに伴い、売掛金及び契約資産が173,625千円増加いたしました。また、事業の拡大に伴い丸の内オフィスを開設し設備費用として有形固定資産が31,351千円増加、敷金として差入保証金が25,927千円増加いたしました。
これらが主な要因となり、資産合計が増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ497,027千円増加し1,018,793千円となりました。
売上高増加に伴う外注費の増加等により買掛金が58,179千円増加、プロダクトのライセンス料等の契約負債が23,411千円増加、金融機関からの借入により長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が364,789千円増加いたしました。
これらが主な要因となり、負債合計が増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ270,148千円減少し481,703千円となりました。
株式会社バリュレイトの連結子会社化に伴い非支配株主持分が36,983千円増加いたしました。一方で、自己株式の取得により自己株式を99,713千円計上、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が209,019千円減少いたしました。
これらが主な要因となり純資産合計が減少いたしました。
以上の結果、自己資本比率は29.6%(前事業年度末59.0%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、金融機関からの資金調達や子会社株式の取得による収入により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純損失が191,166千円(前事業年度は税引前当期純利益100,171千円)と減少したこと、加えて、自己株式の取得による支出が99,713千円となったこと等により、前事業年度末に比べ27,795千円減少し当連結会計年度末には847,454千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は251,891千円(前事業年度は162,289千円の収入)となりました。
資金の主な増加要因は、売上高増加に伴う外注費増加による仕入債務の増加額42,905千円、契約負債の増加額23,411千円、専門性の高い人材の採用に伴い給与や採用教育費が増加したこと等による未払費用の増加額54,344千円であります。
資金の主な減少要因は、税金等調整前当期純損失191,166千円、売上高増加による売上債権の増加額132,689千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は19,797千円(前事業年度は8,792千円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入61,303千円、子会社の保険見直しに伴う保険積立金の解約による収入14,798千円、丸の内オフィス開設のための設備費用及び敷金の支払い等に伴う、有形固定資産の取得による支出28,898千円、差入保証金の差入による支出25,190千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は204,230千円(前事業年度は467,512千円の収入)となりました。これは主に、事業投資やM&A等に柔軟に対応することを目的とした、長期借入れによる収入420,000千円、約定返済となる長期借入金の返済による支出107,551千円、自己株式の取得による支出99,713千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループはGRCソリューション事業の単一セグメントであります。事業部門ごとのサービスとしては、ソリューション部門において、専門人材によるコンサルティングを行い、プロダクト部門において、自社開発プロダクト又は他社プロダクトを提供しております。いずれも受注生産は行っておらず、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
c.販売実績
当社グループはGRCソリューション事業の単一セグメントでありますが、当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称
当連結会計年度
(自 2021年12月1日
至 2022年11月30日)
前期比
金額(千円)
構成比(%)
増減額(千円)
増減率(%)
ソリューション部門
2,287,836
95.4
609,940
36.4
プロダクト部門
111,078
4.6
30,552
37.9
合 計
2,398,915
100.0
640,493
36.4
(注)1.事業部門間の取引については、ございません。
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前事業年度
(自 2020年12月1日
至 2021年11月30日)
当連結会計年度
(自 2021年12月1日
至 2022年11月30日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
みずほ証券株式会社
512,957
29.2
617,713
25.7
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。参考として、当連結会計年度の連結経営成績と前事業年度の個別経営成績の比較及び当連結会計年度末の連結財政状態と前事業年度末の個別財政状態の比較情報を記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は2,398,915千円(前期比36.4%増)となりました。これは主に、顧客ニーズのタイムリーな把握と提案のサイクルが機能し、既存顧客へのアップセルにより順調に推移したものであります。また、リスクマネジメントに対する意識が高まりインバウンドによる新規顧客数が増加しております。株式会社バリュレイトの連結子会社化による影響は177,564千円であります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は1,962,455千円(前期比53.1%増)となりました。これは主に、フィナンシャルテクノロジーを担う専門人材への投資により労務費が増加したことによるものであります。2023年11月期以降の受注獲得のためにサービス提供の体制強化を図ってまいりました。
この結果、売上総利益436,459千円(前期比8.5%減)、売上高総利益率18.2%(同8.9pt減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は623,985千円(前期比76.4%増)となりました。これは主に、専門人材獲得のため採用教育費が増加、フィナンシャルテクノロジー関連の受注獲得のため営業関連費用が増加、管理部を増員し管理体制の強化を図り人件費が増加したことによるものであります。また、株式会社バリュレイトの連結子会社化によるのれん計上額は8,587千円であり一括消償却しております。
この結果、営業損失187,526千円(前事業年度は営業利益123,161千円)となりました。
(営業外収益・費用、経常損失)
当連結会計年度における営業外収益は16,895千円(前事業年度は営業外収益247千円)となりました。これは主に、株式会社バリュレイトの保険を見直し、保険解約返戻金14,798千円を計上したことによるものであります。
営業外費用は16,668千円(前期比28.3%減)となりました。これは主に、新規上場に伴う株式公開費用が減少したことによるものであります。
この結果、経常損失187,299千円(前事業年度は経常利益100,171千円)となりました。
(特別利益・損失、親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度における特別利益はありません。本社オフィス移転の資産除却により固定資産除却損3,867千円の特別損失を計上しております。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損失209,019千円(前事業年度は当期純利益143,869千円)となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、コンサルタントやエンジニアの労務費及びパートナー企業(外注先)への委託料、人材獲得に係る採用関連費用であります。資金需要に対する財源としては、営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した自己資金及び金融機関からの借入れにより調達することを基本方針とし、資金使途や資金需要額等に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は847,454千円であり、事業継続のための充分な流動性を確保しております。
③ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社グループは経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、取引金額フェーズ別顧客数、売上高、売上総利益及び売上総利益率を3ヵ年(2021年11月期から2023年11月期まで)の重要な経営指標と位置付けております。
各指標の進捗状況については、以下のとおりであります。
・フェーズ別顧客数
(単位:社)
第16期
2020年11月期
第17期
2021年11月期
第18期
2022年11月期
前期比
増減数
前期比
増減数
フェーズZ
2
3
+1
4
+1
フェーズC
7
5
-2
5
-
フェーズB
1
6
+5
6
-
フェーズA
13
14
+1
22
+8
フェーズA未満
82
74
-8
129
+55
合計
105
102
-3
166
+64
(注)当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、第18期については連結経営成績の数値を記載しております。
・売上高、売上総利益、売上総利益率
第16期
2020年11月期
第17期
2021年11月期
第18期
2022年11月期
前期比
前期比
売上高
1,431,849千円
1,758,422千円
122.8%
2,398,915千円
136.4%
売上総利益
340,576千円
476,818千円
140.0%
436,459千円
91.5%
売上高総利益率
23.8%
27.1%
+3.3pt
18.2%
-8.9pt
(注)当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、第18期については連結経営成績の数値を記載しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらは過去の実績等を勘案し合理的な判断のもとに見積りを行っております。しかしながら、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、様々なリスク要因が当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当該リスク要因に対して、組織体制の整備、リスク管理及び情報管理体制の強化により、適切に対応していく方針であります。
なお、リスク要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
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