【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループをとり巻く環境は、経済活動の正常化が進み、日本・欧米などの先進国経済の持ち直しが続くなか、総じて緩やかな回復が継続しました。一方で、半導体不足による自動車の減産影響や
中国での新型コロナウイルス対策による都市封鎖に加え、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高騰や、米国の政策金利引き上げの影響による急激な為替変動など、先行き不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと、当社グループは、中長期的な脱炭素・EV化をはじめとする産業構造の大変革を見据え、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の拡大にとり組んでおります。また、収益の改善に向けて、需要の変化に対応する世界の工場再編、合理化、内製拡大など、
事業全般の構造改革を推進しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、自動車分野で生産調整などがありましたが、産業機械・市販分野の
需要が回復・拡大し、建設機械分野も堅調に推移したことにより、2,580億97百万円(前期比12.6%増)、このうち、国内売上高は1,216億77百万円(同4.2%増)、海外売上高は1,364億19百万円(同21.4%増)となりました。
利益面につきましては、売上・生産の増加による操業度の改善に加え、原材料価格上昇分の販売価格への環流や、生産ラインの自動化・合理化による生産性の向上、調達コストダウンにとり組み、また、為替が円安で推移した結果、営業利益は170億25百万円(同15.7%増)、経常利益は171億円(同18.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は122億37百万円(同22.5%増)となりました。
セグメントの経営成績につきましては、次のとおりであります。
機械工具事業では、産業機械・市販分野で需要回復が進む工具と、電機・電子分野やEV関連でのロボット需要の拡大により、売上高は826億7百万円(前期比15.5%増)となり、営業利益は79億77百万円(同73.1%増)となりました。
部品事業では、自動車分野において生産調整の影響がありましたが、建設機械・産業機械・市販分野で需要が
回復・拡大し、売上高は1,590億62百万円(同9.9%増)となりました。一方、営業利益は、操業度の改善に対して、原材料価格の高騰などの影響を大きく受け、76億60百万円(同22.6%減)となりました。
その他の事業では、特殊鋼需要の回復と販売価格の引き上げなどにより、売上高は164億26百万円(同27.5%増)、営業利益は13億96百万円(同14.1倍)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動による支出が営業活動および財務活動による収入を上回った結果、前連結会計年度末に比べ56億20百万円減少し、347億54百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ218億67百万円減少し、112億12百万円となりました。これは、主として、税金等調整前当期純利益173億1百万円、減価償却費183億2百万円、仕入債務の増加35億1百万円などにより資金が増加した一方で、売上債権の増加80億47百万円、棚卸資産の増加150億71百万円、法人税等の支払額59億50百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により支出した資金は、前連結会計年度に比べ66億58百万円増加し、208億31百万円となりました。これは、主として、タイにおける汎用ベアリングの集約生産体制の構築、中国における油圧機器の生産能力増強、日本における工具、ベアリング、油圧機器の生産能力増強に伴う有形固定資産の取得ならびに、基幹システム導入に伴う無形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により取得した資金(前期は186億8百万円の支出)は、21億13百万円となりました。これは、主として、借入金の純増額79億64百万円などにより資金が増加した一方で、配当金の支払額37億8百万円、自己株式の取得16億72百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
機械工具
60,660
13.0
部品
154,047
9.1
その他
18,202
36.0
合計
232,910
11.9
(注)金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
機械工具
87,587
23.8
27,849
21.2
部品
162,486
9.1
28,371
21.4
その他
17,033
23.9
3,983
25.0
合計
267,107
14.5
60,204
21.5
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
機械工具
82,607
15.5
部品
159,062
9.9
その他
16,426
27.5
合計
258,097
12.6
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主要な相手先別の販売実績および販売実績の総額に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
岡谷鋼機株式会社
31,489
13.7
30,431
11.8
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態および経営成績等の状況に関する分析・検討の内容は以下のと
おりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年2月24日)現在に
おいて判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの経営成績の分析は次のとおりであります。
1) 売上高
当連結会計年度の売上高は、2,580億97百万円と前連結会計年度と比べ12.6%の増収となりました。このうち、国内売上高は、1,216億77百万円と同4.2%の増収となりました。これは、自動車分野においては半導体不足などによる生産調整の影響がありましたが、産業機械・市販・建設機械分野の需要が高水準で推移し、軸受・油圧機器などの部品と特殊鋼を中心に売上高が増加したためであります。一方、海外売上高は、1,364億19百万円と同21.4%の増収となりました。これは、産業機械・市販分野向けを中心とした工具・ロボット・軸受・油圧機器の拡販に加え、中国を中心にEV向けのロボット需要が伸び、売上高が増加したためであります。
なお、期初に公表した売上高の年度計画2,500億円に対しては、達成率103.2%となりました。これは、
自動車向けは、半導体不足などによる生産調整を受け伸び悩みましたが、産業機械・市販分野の需要が想定を上回って回復し、事業全般で売上高が増加したことによります。また、海外売上高比率は、海外での拡販やEV向け需要の取り込みを進めた結果、期初計画の50.0%に比べ2.9ポイント上昇し、過去最高の52.9%となりました。
2) 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は603億92百万円と、工具・ロボット・軸受・特殊鋼を中心とした需要の増加と販売価格の引き上げにより、売上高が増加し、前連結会計年度に比べ増益となりました。
3) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、433億66百万円となり、前連結会計年度に比べ58億20百万円増加しました。これ
は、売上高の増加により、荷造運搬費が増加したほか、前連結会計年度に比べ人件費が増加した結果であります。また、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は16.8%と前連結会計年度に比べて0.4ポイント上昇しました。
4) 営業損益
当連結会計年度の営業利益は170億25百万円と前連結会計年度に比べ15.7%の増益となりました。また、売上高営業利益率は6.6%となり、前連結会計年度に比べて0.2ポイント上昇しました。
なお、期初に公表した営業利益の年度計画170億円に対しては、達成率100.1%となりました。期初計画を上回る原材料・エネルギー価格の高騰や人件費の増加による減益要因があったものの、売上・生産増に伴う操業度の改善や為替の円安推移などにより計画を達成しております。一方で、営業利益率は、原材料・エネルギー価格の高騰による製造原価や海上運賃など販売費の増加等により、期初計画6.8%に比べ0.2ポイント低下しました。
5) 営業外損益
営業外損益(費用)は、75百万円の利益(純額)となり、前連結会計年度の2億60百万円の費用(純額)から3億35百万円減少しました。これは、主として、為替差益が9億61百万円増加したことによるものであります。
6) 経常損益
当連結会計年度の経常利益は171億円と前連結会計年度に比べ18.3%の増益となりました。
7) 親会社株主に帰属する当期純損益
特別利益は、固定資産売却益18百万円、関係会社清算益3億32百万円の計上で3億50百万円となり、前連結会計年度に比べて49百万円減少しました。特別損失は、固定資産売却損1百万円、固定資産除却損50百万円、投資有価証券評価損98百万円の計上で1億50百万円となり、前連結会計年度に比べ96百万円減少しました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、51億48百万円となり、前連結会計年度に比べ8億80百万円増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は122億37百万円となり、前連結会計年度に比べ22億44百万円の増益となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
1) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、3,574億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ381億45百万円増加しました。主として、受取手形、売掛金及び契約資産が128億65百万円、棚卸資産が195億38百万円、有形固定資産が92億48百万円増加し、現金及び預金が57億28百万円減少しております。
負債合計は、2,010億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ199億90百万円増加しました。主として、支払手形及び買掛金が72億33百万円、借入金が93億52百万円、リース債務が13億1百万円増加しております。 純資産合計は、1,563億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ181億55百万円増加しました。主として、利益剰余金が98億82百万円、為替換算調整勘定が106億28百万円増加し、退職給付に係る調整累計額が12億85百万円減少しております。
2) キャッシュ・フローの状況
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
3) 資金需要
当社グループの資金需要は、仕入、生産及び販売活動に必要な運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費によるもののほか、投資活動において、機械保全、品質向上および生産能力の増強と生産ラインの合理化を目的とした設備投資などであります。これらの資金需要に対しては、安定した収益基盤を確立し一層の利益追求をはかると同時に、売上債権、棚卸資産、仕入債務の適切な管理に加えて、固定資産の効率的活用などにとり組んでおります。また、不足分の資金は、有利子負債による調達を基本にしており、取引金融機関との安定した調達体制の維持に努めるとともに、調達手段の多様化による財務基盤の安定に向けたとり組みを進めております。なお、当社および主要なグループ会社間でキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、グループ内の資金効率化に努めております。
当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は、1,026億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は347億54百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。
