【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、エネルギーや物価の高騰、供給面での制約、金融資本市場の変動などの影響により厳しい状況が継続しております。海外経済も金融引締めや物価高騰を背景として景気が下振れしており、先行き不透明な状況が継続しております。このような状況下、当社グループの経済活動にもエネルギーや物価の高騰の影響が顕在化しております。当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は13,389百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は321百万円(前年同期比16.4%減)、経常利益は547百万円(前年同期比23.8%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券売却益や退職給付信託返還益などにより1,010百万円(前年同期比31.6%増)となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。
①産業用機能フィルター・コンベア事業産業用機能フィルター・コンベア事業は以下の事業で構成されます。
製紙製品分野
紙を抄くために使われる網(ワイヤー)の製造・販売
その他産業用フィルター・コンベア分野
「ふるい分け」・「ろ過」・「搬送」用の工業用金網の製造・販売
製紙製品分野では、国内の紙の需要の回復が鈍く、海外においても欧米での景気後退など厳しい状況が継続しております。このような状況下、国内の売上高は前年同期と比べ減少いたしました。海外の売上高は円安の影響もあり前年同期と比べ増加いたしました。その他産業用フィルター・コンベア分野では、海外向け原材料販売が減少した一方で、苛性ソーダ生成用金網販売やフィルターの販売などが増加したことにより売上高は前年同期並みとなりました。結果、当セグメントの外部顧客への売上高は9,053百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は501百万円(前年同期比4.5%増)となりました。
②電子部材・フォトマスク事業電子部材・フォトマスク事業は以下の事業で構成されます。
エッチング加工製品分野
金属材料・複合フィルム材料をエッチング加工した製品の製造・販売
フォトマスク製品分野
半導体・ディスプレイ・プリント基板・MEMSなどを製造するときに使用されるツールで、パターニングの原版となるフォトマスクの製造・販売
電子部品業界は、世界経済の減速を受けて完成品(携帯電話・PC・タブレットなど)の需要が急激に減少している一方で、自動車業界や通信デバイス業界向けの需要は堅調に推移するなど、近年著しい成長を続けてきた市場に変化が起きております。エッチング加工製品分野およびフォトマスク製品分野ともに、自動車業界や通信デバイス業界の需要は堅調であり売上高は前年同期並みとなりました。結果、当セグメントの外部顧客への売上高は1,963百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益は電力料高騰の影響や、フォトマスク製品分野において描画装置を新設して減価償却費負担が発生したことなど製造経費の増加により91百万円(前年同期比47.2%減)となりました。
③環境・水処理関連事業環境・水処理関連事業は、プール並びにろ過装置の設計・販売、天然ガスパイプラインの腐食・ガス漏れを防ぐ絶縁継手の販売などを行っております。なお、2022年12月末をもちまして、高比重コンクリート(Gコン)事業からは撤退しております。当第2四半期連結累計期間においては、複数の大型案件の工事が進捗したため、当セグメントの外部顧客への売上高は1,855百万円(前年同期比85.1%増)となりました。営業利益は売上高が増加したものの、プール大型案件の資材や工事費が高騰しており22百万円(前年同期営業損失4百万円)となりました。
④不動産賃貸事業不動産賃貸事業は、当社が保有する不動産を店舗、マンション、駐車場等として賃貸しております。 既存の賃貸物件が順調に稼働した結果、当セグメントの外部顧客への売上高は517百万円(前年同期比0.0%増)、営業利益は396百万円(前年同期比3.8%増)となりました。
(注) 各セグメントの営業利益の合計額と連結業績における営業利益との差異690百万円(前年同期比6.9%増)は、主として各セグメントに配分していない全社費用であります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ171百万円増加し、20,604百万円となりました。これは主として、受取手形、売掛金及び契約資産が164百万円減少した一方で、流動資産その他が165百万円、原材料及び貯蔵品が150百万円それぞれ増加したことによるものであります。 固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,787百万円減少し、21,258百万円となりました。これは主として、投資その他の資産のその他に含まれる退職給付に係る資産が、退職給付信託の返還により1,227百万円、投資有価証券が792百万円それぞれ減少したことによるものであります。 この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,615百万円減少し、41,862百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,265百万円減少し、12,016百万円となりました。これは主として、短期借入金が1,692百万円、流動負債その他が672百万円それぞれ減少したことによるものであります。 固定負債は、前連結会計年度末に比べ774百万円増加し、7,247百万円となりました。これは主として、固定負債その他が273百万円減少した一方で、長期借入金が1,038百万円増加したことによるものであります。 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,490百万円減少し、19,263百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ124百万円減少し、22,598百万円となりました。これは主として、自己株式が255百万円増加し、その他有価証券評価差額金が275百万円、退職給付に係る調整累計額が253百万円それぞれ減少した一方で、利益剰余金が722百万円増加したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ119百万円増加し、4,783百万円となりました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益1,457百万円、減価償却費703百万円および退職給付に係る資産の減少額1,140百万円などにより、1,282百万円の収入(前第2四半期連結累計期間に比べ976百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入975百万円などがありましたが、有形固定資産の取得による支出1,233百万円などにより、196百万円の支出(前第2四半期連結累計期間に比べ142百万円の支出減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入1,500百万円などがありましたが、短期借入金の純減額1,681百万円、自己株式の取得による支出309百万円、長期借入金の返済による支出297百万円などにより、1,005百万円の支出(前第2四半期連結累計期間に比べ457百万円の支出増)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、243百万円であります。 なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究活動の状況に重要な変更はありません。
(6)主要な設備当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画は次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額(千円)
資金調達方法
着手年月
完了予定年月
完成後の増加能力
総額
既支払額
日本フイルコン株式会社
静岡事業所(静岡県富士市)
産業用機能フィルター・コンベア事業
生産設備
542,000
137,663
自己資金及び借入金
2023年3月
2025年1月
生産の合理化