【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による負の影響から一進一退はあるものの抜け出す過程にあるとみられ、個人消費の伸びや企業の堅調な設備投資に加え、海外からの観光客の増加により緩やかな景気回復基調で推移しました。その一方で長期化しているロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響によるエネルギー・原材料価格の高騰、また欧米や中国の経済成長が鈍化する可能性が我が国経済を下押しするリスクとなっており、先行きを見通すことが困難な状況が続いております。
国内の農業を取り巻く環境に関しましては、国際的な原材料価格の高騰や円安の影響による食料安全保障への関心の高まりを背景に食料・農業・農村基本法の見直しに向けた検討が開始されたことで、農産物の国内生産・供給の基盤強化に対する取り組みが期待されますが、現状では農業従事者の減少や耕地面積の減少傾向が続いており、依然として厳しい状況にあります。
このような状況のもと、当社グループでは従来からの地域密着を基本に、水稲用殺虫剤「スクミノン」、園芸用殺虫剤「サンケイ コテツベイト」及び食品由来物質を用いた「サンクリスタル乳剤」、「ハッパ乳剤」などの食用作物用独自開発品ならびに環境と樹木への負荷を軽減した樹幹注入剤「ウッドスター」などの緑化用独自開発品に加え、総合防除による環境保全型農業への推進、森林や公園・ゴルフ場等の緑化防除事業ならびに不快害虫防除薬剤の開発と防除事業などに注力するとともに受託生産にも努めて工場の操業度向上を図ってまいりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は80億66百万円で、前連結会計年度末に比べ4億25百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の負債合計は48億60百万円で、前連結会計年度末に比べ2億15百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は32億6百万円で、前連結会計年度末に比べ2億10百万円の増加となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高72億42百万円(前連結会計年度比210百万円、3.0%増)、営業利益2億33百万円(前連結会計年度比1億59百万円、40.5%減)、経常利益3億2百万円(前連結会計年度比1億51百万円、33.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億12百万円(前連結会計年度比1億1百万円、32.3%減)となりました。
なお、当社グループでは「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日改正。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前年同期との比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細は「第5.経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当社グループは事業の種類別セグメント情報は公開しておりませんが、製品の用途別売上は以下のとおりとなりました。
殺虫剤は園芸用が増加し、売上高39億16百万円(前年同期比1億5百万円、2.8%増)、殺菌剤は園芸用が増加し、売上高7億42百万円(前年同期比1百万円、0.2%増)、殺虫殺菌剤は水稲用が増加し、売上高5億51百万円(前年同期比64百万円、13.3%増)、除草剤は園芸用が増加し、売上高10億8百万円(前年同期比1億76百万円、21.2%増)、その他は園芸用が減少し、売上高4億28百万円(前年同期比1億67百万円、28.2%減)、農薬以外のその他は緑化用が増加し、売上高5億95百万円(前年同期比30百万円、5.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ76百万円減少し、20億84百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは21百万円の減少(前年同期は5億99百万円の増加)となりました。これは主に法人税等の支払額1億46百万円による資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは2億50百万円の減少(前年同期は73百万円の減少)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出2億49百万円の資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1億95百万円の増加(前年同期は64百万円の減少)となりました。これは主に長期借入れによる収入11億30百万円の資金増加が長期借入金の返済による支出8億85百万円の資金減少を、上回ったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.製品生産実績
当社グループはセグメント情報を開示しておりませんので、種類別生産実績を示すと次のとおりであります。
種類
前連結会計年度
(自 2020年12月1日
至 2021年11月30日)
当連結会計年度
(自 2021年12月1日
至 2022年11月30日)
増減比
(%)
農薬
殺虫剤(千円)
1,601,377
1,908,036
19.2
殺菌剤(千円)
334,529
302,073
△9.7
殺虫殺菌剤(千円)
139,810
196,279
40.4
除草剤(千円)
282,447
471,102
66.8
その他(千円)
151,847
193,714
27.6
小計(千円)
2,510,012
3,071,206
22.4
その他(千円)
40,453
28,790
△28.8
合計(千円)
2,550,466
3,099,996
21.6
(注)金額は、製品製造原価で表示しております。
b.受注実績
当社グループは、受注生産は行っておりません。
c.商品仕入実績
当社グループは、自社製品の販売とともに他社製品も販売しており、最近の仕入実績は次のとおりであります。
種類
前連結会計年度
(自 2020年12月1日
至 2021年11月30日)
当連結会計年度
(自 2021年12月1日
至 2022年11月30日)
増減比
(%)
農薬
殺虫剤(千円)
1,225,564
1,328,289
8.4
殺菌剤(千円)
248,080
256,588
3.4
殺虫殺菌剤(千円)
236,561
215,085
△9.1
除草剤(千円)
377,840
348,055
△7.9
その他(千円)
144,127
133,248
△7.6
小計(千円)
2,232,173
2,281,268
2.2
その他(千円)
142,083
141,913
△0.1
合計(千円)
2,374,257
2,423,181
2.1
(注)主な仕入先は、住友化学㈱、ZMクロッププロテクション㈱、テレオス・アグ・ソリューションズ㈱等であります。
d.販売実績
当社グループはセグメント情報を開示しておりませんので、種類別販売実績を示すと次のとおりであります。
種類
前連結会計年度
(自 2020年12月1日
至 2021年11月30日)
当連結会計年度
(自 2021年12月1日
至 2022年11月30日)
増減比
(%)
農薬
殺虫剤(千円)
3,811,567
3,916,764
2.8
殺菌剤(千円)
741,214
742,695
0.2
殺虫殺菌剤(千円)
486,712
551,507
13.3
除草剤(千円)
831,948
1,008,295
21.2
その他(千円)
596,108
428,316
△28.2
小計(千円)
6,467,552
6,647,579
2.8
その他(千円)
564,720
595,143
5.4
合計(千円)
7,032,273
7,242,723
3.0
(注)1.当社グループの製品、商品は多品種、多規格であり、同一数量でも品種により価格の差が著しいため、数量表示を省略し、金額で表示しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2020年12月1日
至 2021年11月30日)
当連結会計年度
(自 2021年12月1日
至 2022年11月30日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
全国農業協同組合連合会
1,908,631
27.1
1,958,880
27.0
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、役員退職慰労引当金、返金負債、税金費用等の見積りはそれぞれ適正であると判断しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、80億66百万円で、前連結会計年度末に比べ4億25百万円の増加となりました。
流動資産が1億28百万円増加し、固定資産が2億97百万円増加しました。流動資産の増加は主に電子記録債権ならびに商品及び製品の増加が現金及び預金の減少を上回ったことによるものであります。固定資産の増加は主に土地及び投資有価証券の増加がリース資産及びその他の減少を上回ったことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は48億60百万円で、前連結会計年度末に比べ2億15百万円の増加となりました。
流動負債が5百万円増加し、固定負債が2億9百万円増加しました。流動負債の増加は主に返金負債の増加によるものであります。固定負債の増加は主に長期借入金の増加によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は32億6百万円で、前連結会計年度末に比べ2億10百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は72億42百万円で、前連結会計年度に比べ2億10百万円(3.0%)増となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は56億72百万円で、前連結会計年度に比べ4億60百万円(8.8%)増となりました。販売費及び一般管理費は13億37百万円で、前連結会計年度に比べ90百万円(6.4%)減となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は2億12百万円で、前連結会計年度に比べ1億1百万円(32.3%)減となりました。
なお、当連結会計年度の経営成績の概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、公的規制、気象条件、事故・災害等があります。
市場動向については、当社グループの事業が関係する国内市場においては、市場規模の縮小傾向がある中で大手企業との厳しい競争が今後も展開されると予想されることから、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。このような状況のもと、当社グループは、大手にできない地域に密着したキメ細かな普及・営業活動を徹底し、地域のニーズの動向を把握して迅速に対応し、販売と収益力の拡大に努めることで競争力を強化してまいります。
公的規制については、農薬の製造販売において規制を受ける農薬取締法や環境に関する法律に抵触した場合は業績に影響を及ぼす可能性があるものと認識しております。このため法令遵守は当然のこと、品質、安全、環境への配慮が重要と考え、ISO9001を維持する等、管理体制の強化に努めてまいります。
気象条件については、農薬や防除事業においては、気象条件の変化に伴う病害虫の種類・発生状況の変化が業績に影響を及ぼす可能性があるものと認識しております。このため地域のニーズを的確に把握し、研究開発の迅速化に努め、迅速に事業化を図るとともに農薬以外の関連資材、生活環境の改善に関連する事業などの育成に注力してまいります。
事故・災害については、当社グループの主要な拠点がある鹿児島及び関東においては大規模な火山の噴火あるいは地震の発生の可能性があるものと認識しております。このため当社グループは事業継続計画を策定しており、主要拠点間で相互の役割を補完できる体制の強化に努めてまいります。
当社グループの主たる事業である農薬製造、販売及び防除事業につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響は限定的であると考えております。
c.目標とする経営指標の達成状況等
当連結会計年度においては、計画数値として売上高6,930百万円及び営業利益230百万円を設定し、業績向上に努めて参りました。売上高については、売上の中心をなす殺虫剤をはじめ、殺菌剤、除草剤の売上が増加し計画値を上回りました。営業利益については、「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用した影響で売上総利益は減少しましたが、自社製造品の販売比率が上がったことで計画値を上回りました。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用、販売する取扱商品の仕入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、継続的な新製品開発及び既存製品の改良のための外部委託試験費用であります。また、長期性の資金需要は、製造工場の稼働維持のための設備更新、受託加工生産の増強のための設備投資等であります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。短期運転資金は自己資金を基本としておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,084百万円であり、借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は2,258百万円となっております。
