【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析当第3四半期連結累計期間(2022年12月1日~2023年8月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化が進みましたが、資材・エネルギー価格の高騰や円安の進行、ロシア・ウクライナ情勢の長期化など、依然として先行き不透明な状況が続きました。住宅業界におきましては、建築コストの高騰や物価上昇により住宅取得マインドが低下するなか、住宅需要は弱含みの状態が続いており、持家や分譲戸建ての新設住宅着工戸数が前年同期比で減少いたしました。また、国内の木材需給が緩和するなか、合板についても荷動きが低迷し、国内合板相場は期初から調整局面で推移いたしました。このような厳しい事業環境において当社グループは、収益確保のため、固定費のコントロールや生産性の向上、原材料の見直しなど各種コストダウンの徹底に取り組みました。また、全面リニューアルした内装建材の新シリーズ「カナエル」(1月先行発売、4月本格発売)の拡販に注力するとともに、合板やMDF(中質繊維板)など素材については、需要動向に即した適切な仕入・生産・販売に努めました。しかし、住宅の着工減により販売量が伸び悩むなか、原材料や副資材、物流など様々なコストアップも重なり、収益性が低下いたしました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上高53,482百万円(前年同期比10.0%減)、営業利益3,511百万円(前年同期比53.8%減)、経常利益3,684百万円(前年同期比54.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,062百万円(前年同期比57.5%減)となりました。報告セグメントの業績は次のとおりであります。
〔住宅建材事業〕 住空間に対するニーズの多様化に応えるため、意匠性や機能性を高めた高付加価値製品の提案を強化するとともに、リフォーム・リノベーションや非住宅分野の需要獲得に向けて、各種防音フロアやバリアフリー商品群「ユニバーサル ディレクト」の拡販に注力し、シェアの確保に努めました。 また、これらの取り組みと並行して、“あなたらしさを新しくする”をコンセプトに、自分らしい暮らしをかなえるための提案を盛り込んだ新シリーズ「カナエル」拡販のため、全国各地での展示会開催やWeb・SNSの活用など各種提案活動を徹底し、既存顧客への早期浸透や新規顧客の獲得を図りました。 しかし、原材料コスト等が高騰するなか建材・MDF製品全般の販売価格を改定し、収益の確保に努めましたが、コストアップの吸収には至らず採算性が著しく低下いたしました。また、住宅需要が弱含みで推移するなか、製品全般の販売量が大幅に減少いたしました。 この結果、住宅建材事業の売上高は30,966百万円(前年同期比6.9%減)、セグメント利益は244百万円(前年同期比88.2%減)となりました。
〔合板事業〕合板については、国産・輸入いずれも需要の減少が顕著に表れ、国内合板相場が調整局面で推移するなか、販売量は大幅に減少いたしました。国産針葉樹合板は、期初から国内出荷量が低迷し、販売価格は値下がり傾向で推移するなか、当社グループを含めた合板メーカー各社は生産調整を継続いたしました。その効果もあり、当第3四半期に入ると荷動きは徐々に回復し、値下げ幅も縮小傾向となりましたが、販売量の本格的な回復には至りませんでした。輸入南洋材合板は、入荷量の減少により港頭在庫の調整が進み、当第3四半期には販売価格に底値感が出始め、販売量も緩やかな回復傾向となりました。しかしながら、期初から続いた販売価格の下落や販売量の低迷、円安の進行により採算性は低下いたしました。この結果、合板事業の売上高は22,516百万円(前年同期比13.9%減)、セグメント利益は4,665百万円(前年同期比32.6%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、45,976百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,418百万円減少しました。その主な要因は、現金及び預金の減少1,986百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少4,244百万円、製品の増加781百万円、仕掛品の増加342百万円、原材料及び貯蔵品の減少577百万円などによるものです。
② 固定資産当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、27,475百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,238百万円増加しました。その主な要因は、有形固定資産の増加1,308百万円、無形固定資産の減少178百万円、投資有価証券の増加1,364百万円、繰延税金資産の減少236百万円などによるものです。
③ 流動負債当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、21,685百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,694百万円減少しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の減少3,484百万円、未払法人税等の減少2,548百万円、賞与引当金の増加512百万円、その他に含まれる未払費用の減少1,260百万円などによるものです。
④ 固定負債当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、8,651百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,129 百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金の増加1,306百万円、長期未払金の減少71百万円、リース債務の減少140百万円などによるものです。
⑤ 純資産当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、43,115百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,384百万円増加しました。その主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益による利益剰余金の増加2,062百万円及び配当による利益剰余金の減少963百万円、その他有価証券評価差額金の増加564百万円、為替換算調整勘定の増加193百万円、非支配株主持分の増加442百万円などによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、138百万円であります。
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