【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
①事業環境と経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容当第3四半期連結累計期間(2022年12月1日~2023年8月31日)における我が国経済は、コロナ禍における行動制限・入国制限の解除等により経済活動の正常化が一段と進む中で、各種政策の効果も相まって緩やかな回復が続いています。一方、世界的な金融引締めや中国経済の停滞等による海外景気の下振れリスク、物価上昇等の影響には依然として留意が必要です。当社グループが属する不動産業界においては、2023年1月~6月の国内不動産投資額が2兆1,473億円(前年同期比52%増)となり、世界都市別投資ランキングでは東京は2位継続となっています。世界的には金融市場の不透明感等により不動産投資市場に停滞が見られるものの、日本においては低金利環境や円安などを背景とした国内不動産の優位性は高く、引き続き国内不動産への投資資金の流入が見込まれています(民間調査機関調べ)。首都圏分譲マンション市場は、用地価格の高止まりや建築費の高騰を背景とした供給量の減少により、2023年1月~7月の新築発売戸数は13,093戸と前年同期比12.6%減となりました。引き続き都心立地の高額物件が平均価格を押し上げており、足元2023年7月発売のマンション平均価格は9,940万円(前年同月比55.8%)と大幅に上昇しました。一方、首都圏中古マンション市場においては、2023年1月~7月の成約戸数が21,301戸(前年同期比0.4%減)と前年並みで推移しており、2023年7月時点の成約平均価格は4,563万円(前年同月比4.9%上昇)となりました。また、分譲戸建市場においては、2023年1月~7月の新設住宅着工戸数は3.4万戸(前年同期比0.05%減)となりました(民間調査機関調べ)。2023年1月~7月の建築費は、鉄骨鉄筋コンクリート造の平均坪単価が1,154千円/坪(前年同期比23.8%下落)、木造は平均654千円/坪(同13.4%上昇)となりました。堅調な建築需要に加え、人件費高騰等の影響から建築費は高止まりの状況が続く見通しとなっています。資材価格については、鋼材は依然として高水準で推移していますが、昨年まで高騰していた木材価格は需給が落ち着き、引き続き下落傾向となっています(国土交通省調べ)。東京都心ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場は、2023年7月時点の平均空室率は6.5%(前年同月比0.1ポイント上昇)、平均賃料は19,819円/坪(同2.2%下落)となりました。今年2023年と2025年に大量供給が予定されており、空室率は再び上昇の動きで、賃料も緩やかな下落傾向が続いています(民間調査機関調べ)。賃貸マンション市場は堅調に推移しており、首都圏賃貸マンションにおける2023年7月時点の平均募集賃料は11,633円/坪(前年同月比5.6%上昇)、J-REITが東京圏で保有するマンションにおける2023年4月末時点の平均稼働率は96.9%(前年同月比0.1ポイント上昇)となりました。都心部への人口回帰や分譲マンション価格高騰などを背景に、賃料・稼働率ともに緩やかな上昇が続いています(民間調査機関調べ)。首都圏物流施設賃貸市場では、2023年7月時点の賃貸ストックは930万坪(前年同月比17.0%増)、空室率は6.0%(同2.8ポイント上昇)と新規供給量が過去最大となったことから空室率は上昇しています。また、2023年7月時点の募集賃料は4,520円/坪(同3.4%下落)となり、空室増加による下押し圧力があるものの、建築コスト高騰などの影響により高止まり傾向となっています(民間調査機関調べ)。不動産ファンド市場は堅調に推移しており、引き続き市場規模は拡大しています。2023年7月時点のJ-REITの運用資産額は22.3兆円(前年同月比0.7兆円増加)、私募ファンドは運用資産額29.7兆円(2022年12月末時点、前年同月比5.6兆円増加)となり、両者を合わせた証券化市場の規模は52.0兆円まで拡大しています(民間調査機関調べ)。東京都のビジネスホテル市場では、2023年1~5月の平均客室稼働率は77.2%(前年同期比26.3ポイント増)、東京都の全施設タイプにおける同期間の延べ宿泊者数は3,699万人(前年同期比86.9%増)となりました。経済活動の正常化に伴う国内需要の増加に加え、水際対策の撤廃や円安が追い風となりインバウンド需要も拡大傾向にあるため、今後更なる需要増加が期待されています(観光庁調べ)。このような事業環境の中、当社グループは不動産ファンド・コンサルティング事業において、アセットマネジメント受託資産残高を伸長させるとともに、不動産再生事業や不動産開発事業において、物件販売ならびに将来の収益の源泉となる収益不動産や各種開発用地の取得を進めてまいりました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は66,710百万円(前年同四半期比21.4%増)、営業利益は14,449百万円(同29.5%増)、税引前四半期利益は13,679百万円(同30.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は9,364百万円(同30.5%増)となりました。
セグメント毎の業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業) 当第3四半期連結累計期間は、「大塚トーセイビルⅡ」(東京都豊島区)、「柏トーセイビル」(千葉県柏市)、「ステラコート東糀谷」(東京都大田区)等36棟のバリューアップ物件及び中古区分マンション90戸を販売いたしました。仕入につきましては、収益オフィスビル、賃貸マンション等を合わせて39棟、土地10件及び中古区分マンション68戸を取得しております。また、保有する収益不動産の評価を見直したことにより、棚卸資産評価損の戻入を348百万円計上しております。以上の結果、不動産再生事業の売上高は41,596百万円(前年同四半期比22.7%増)、セグメント利益は8,156百万円(前年同四半期比24.2%増)となりました。
(不動産開発事業) 当第3四半期連結累計期間は、賃貸マンション「THE PALMS町田」(東京都町田市)、賃貸アパート「T’s Cuore西荻窪」(東京都杉並区)を販売いたしました。また、戸建住宅では「THEパームスコート綱島」(神奈川県横浜市)、「THEパームスコート三鷹ヴェール」(東京都三鷹市)等において、49戸を販売いたしました。仕入につきましては、賃貸マンション開発用地6件、賃貸アパート開発用地3件、分譲マンション開発用地1件、190戸分の戸建住宅開発用地を取得しております。以上の結果、不動産開発事業の売上高は7,014百万円(前年同四半期比7.5%増)、セグメント利益は1,242百万円(前年同四半期比22.6%増)となりました。
(不動産賃貸事業) 当第3四半期連結累計期間は、保有する賃貸物件のリーシングに注力しました。当第3四半期連結累計期間末の賃貸物件数は、物件取得36棟及び賃貸開始6棟、物件売却26棟及び賃貸終了3棟に伴い、前連結会計年度末の91棟より、13棟増加し104棟となりました。以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は4,820百万円(前年同四半期比7.3%増)、セグメント利益は2,397百万円(前年同四半期比4.9%増)となりました。
(不動産ファンド・コンサルティング事業) 当第3四半期連結累計期間は、前連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)1,722,896百万円から、ファンドの物件売却により144,390百万円の残高が減少した一方で、新たにアセットマネジメント契約を受託したことにより764,596百万円の残高が増加し、当第3四半期連結会計期間末のアセットマネジメント受託資産残高は、2,343,102百万円となりました。以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は5,617百万円(前年同四半期比42.2%増)、セグメント利益は3,644百万円(前年同四半期比50.9%増)となりました。 (注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。
(不動産管理事業) 当第3四半期連結累計期間は、新規契約の獲得及び既存契約の維持に努めました。当第3四半期連結会計期間末での管理棟数は、オフィスビル、ホテル及び物流施設等で504棟、分譲マンション及び賃貸マンションで338棟、合計842棟(前年同四半期末比46棟増加)となりました。以上の結果、不動産管理事業の売上高は4,835百万円(前年同四半期比2.2%増)、セグメント利益は675百万円(前年同四半期比16.7%減)となりました。
(ホテル事業) 当第3四半期連結累計期間は、行動制限の緩和や全国旅行支援の実施による国内需要の回復、入国制限や水際対策の緩和によるインバウンド需要の回復が見られました。これに伴い、客室単価、客室稼働率がほぼコロナ禍前の水準まで改善し、売上高、セグメント損益ともに前年同期を上回りました。以上の結果、ホテル事業の売上高は2,826百万円(前年同四半期比111.2%増)、セグメント利益は565百万円(前年同四半期はセグメント損失316百万円)となりました。
②経営成績等に関する分析、検討内容当社グループの主力市場である国内不動産投資市場は、低金利政策の維持により良好な資金調達環境が継続しており、堅調に取引が継続しています。また、日本を訪れる外国人旅行者数は、新型コロナ関連の水際対策の撤廃や円安効果によって順調に増加しており、ホテル市場は急速に回復が進んでいます。このような事業環境のなか、当第3四半期累計期間の当社グループの業績は売上高667億円(前年同期比21.4%増)、営業利益144億円(同29.5%増)、税引前利益136億円(同30.1%増)となり、通期計画に対する進捗率は売上高で78.5%、税引前利益で97.7%となりました。事業セグメント別では、不動産再生事業や不動産開発事業における1棟物件販売や区分マンション販売が好調に推移し、これらの売買事業がグループ全体の収益を牽引しました。なお、売買事業においては、将来の収益の源泉となる仕入活動に注力しています。独自の再生ノウハウを用いて他社が手掛けにくい案件を商品化できることや、M&Aによって企業保有不動産を一括で取得できることが当社の強みであり、当期も吸収分割の手法を用いた仕入を実施しております。また、当社が安定収益事業と位置付けるストック・フィービジネスは各事業が順調に推移しており、なかでも受託資産残高が2.3兆円規模となった不動産ファンド・コンサルティング事業や、需要回復が進むホテル事業が期初計画を上回る推移となっております。なお、ホテル事業においては、ココネシリーズ初のプレミアを冠するホテル「トーセイホテル ココネ築地銀座プレミア」が9月に開業し、自社グループ運営ホテルは計8棟となりました。ビジネス宿泊利用だけでなく、インバウンド顧客や国内観光、研修利用など、幅広い宿泊需要を取り込めるホテルブランドとして、事業成長を目指してまいります。
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ19,645百万円増加し、230,601百万円となりました。負債は10,575百万円増加し、149,240百万円となりました。総資産が増加した主な要因は、営業債権及びその他の債権が減少したものの、現金及び現金同等物及び棚卸資産が増加したことによるものであります。負債が増加した主な要因は、営業債務及びその他の債務及び有利子負債の増加によるものであります。また資本は9,070百万円増加し、81,361百万円となりました。これは主に利益剰余金の積み上げと配当金の支払によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,111百万円増加し、41,878百万円となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により獲得した資金は、10,492百万円(前年同四半期比475.4%増)となりました。これは主に、税引前四半期利益13,679百万円、営業債権及びその他の債権の減少5,122百万円、法人所得税の支払額4,574百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、4,939百万円(前年同四半期比41.7%減)となりました。これは主に、子会社の取得による支出2,453百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により獲得した資金は、4,553百万円(前年同四半期比15.4%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出29,497百万円及び配当金の支払額2,408百万円等があったものの、長期借入れによる収入37,823百万円等があったことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、前事業年度の有価証券報告書提出日後、当四半期累計期間において重要な変更ありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。
