【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
①事業環境と経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容当第1四半期連結累計期間(2022年12月1日~2023年2月28日)における我が国経済は、ウィズコロナの下、緩やかに景気持ち直しの動きが見られています。下振れリスクとして世界的金融引き締め等を背景とした海外景気減退や、物価上昇がもたらす影響が指摘されており、留意が必要です。当社グループが属する不動産業界においては、2022年の国内不動産投資額は約3.2兆円(前年比27%減)となりました。投資用不動産の品薄状態が続いたことに加えて、主要プレイヤーであるJ-REITの物件取得が停滞したことが投資額減少の要因と見られています。なお、市場では近い将来に日銀が金融政策の修正を行うとの見方から様子見姿勢の投資家がいる一方で、その他多くの国内外不動産投資家の投資意欲は持続しており、足元の不動産価格は高値圏で推移しています。今後も引き続き、金融政策の動向等に注視が必要です(民間調査機関調べ)。首都圏分譲マンション市場は、用地仕入難や資材価格の高騰等を背景としたデベロッパーの供給抑制により、2022年の新築発売戸数は29,569戸(前年比12.1%減)、平均価格は最高値更新の6,288万円(同0.4%増)となりました。2023年の供給戸数は前年比8.2%増の32,000戸になると予想されていますが、今後さらなる価格転嫁が必至とされるなか、足元の2023年1月の初月契約率は54.6%(前年同月比3.8ポイント下落)と好不調の目安となる70%を大きく下回り、マンション価格高騰による購買意欲低下、販売期間の長期化が懸念されます。首都圏中古マンション市場は、2022年の成約戸数が35,429戸と前年比で11.0%減少となりましたが、販売価格は新築と同様に上昇が続いています。また、分譲戸建市場は、2022年の住宅着工戸数が59,425戸(前年比4.2%増)と堅調に推移しました(民間調査機関調べ)。2022年の建築費平均坪単価は、木造は582千円/坪(前年比2.3%上昇)、鉄骨鉄筋コンクリート造は1,436千円/坪(同28.4%上昇)となりました。昨年急騰した木材価格は徐々に下がり始めたものの依然として高値圏にあり、鋼材価格も高止まりしていることから、建築費は上昇が続いています(国土交通省調べ)。東京都心ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場は、2023年1月時点の平均空室率は6.3%(前年同月と変わらず)、平均賃料は20,026円/坪(同2.4%下落)となりました。オフィス需要は回復傾向にありますが、2023年は新築オフィスビルの大量供給が予定されているため、需給動向は引き続き注視が必要です(民間調査機関調べ)。一方、賃貸マンション市場は堅調に推移しており、首都圏賃貸マンションにおける2023年1月時点の平均募集賃料は11,209円/坪(前年同月比2.8%上昇)、J-REITが東京圏で保有するマンションの2022年10月末時点平均稼働率は96.6%(前年同月比0.1ポイントの上昇)となりました。コロナ禍で低迷した単身者向けマンションも足元では緩やかに賃料上昇が見られています(民間調査機関調べ)。首都圏物流施設賃貸市場では、2023年1月時点の賃貸ストックは859万坪(前年同月比15.8%増)、空室率は4.4%(同2.1ポイント上昇)、募集賃料は4,510円/坪(同4.0%下落)となりました。ハイペースな供給が続くなか、2023年には過去最大級となる約120万坪の供給が見込まれています。短期的に需給悪化が懸念されますが、中長期的には堅調に推移すると見られています(民間調査機関調べ)。不動産ファンド市場は、市場規模の拡大が続いています。2023年1月のJ-REITの運用資産額は21.9兆円(前年同月比0.6兆円の増加)、私募ファンドは運用資産額29.7兆円(2022年12月時点、前年同月比5.6兆円の増加)となり、両者を合わせた証券化市場の規模は51.6兆円まで拡大しました(民間調査機関調べ)。東京都のビジネスホテル市場では、2022年の平均客室稼働率は58.4%(前年比16.6ポイント増)、東京都の全施設タイプにおける2022年の延べ宿泊者数は5,868万人(前年比53.5%増)となりました。既に国内需要はコロナ禍前水準にまで回復しており、2023年はインバウンド客の回復も期待されています(観光庁調べ)。このような事業環境の中、当社グループは不動産ファンド・コンサルティング事業において、アセットマネジメント受託資産残高を伸長させるとともに、不動産再生事業や不動産開発事業において、物件販売ならびに将来の収益の源泉となる収益不動産や各種開発用地の取得を進めてまいりました。以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は31,052百万円(前年同四半期比18.0%増)、営業利益は6,781百万円(同19.3%増)、税引前四半期利益は6,488百万円(同19.7%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は4,416百万円(同21.8%増)となりました。
セグメント毎の業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)当第1四半期連結累計期間は、「大塚トーセイビルⅡ」(東京都豊島区)、「柏トーセイビル」(千葉県柏市)、「ステラコート東糀谷」(東京都大田区)等16棟のバリューアップ物件及び中古区分マンション39戸を販売いたしました。当第1四半期連結累計期間の仕入につきましては、バリューアップ販売物件として、収益オフィスビル、賃貸マンション等合わせて15棟、土地9件及び中古区分マンション28戸を取得しております。以上の結果、不動産再生事業の売上高は23,717百万円(前年同四半期比26.7%増)、セグメント利益は5,061百万円(前年同四半期比22.4%増)となりました。
(不動産開発事業)当第1四半期連結累計期間は、新築分譲マンションでは「THEパームス戸田マスターグレイス」(埼玉県戸田市)において、18戸を販売いたしました。戸建住宅では「THEパームスコート三鷹ヴェール」(東京都三鷹市)、「THEパームスコート氷川台」(東京都練馬区)等において、13戸を販売いたしました。当第1四半期連結累計期間の仕入につきましては、賃貸マンション開発用地2件、賃貸アパート開発用地2件、4戸分の戸建住宅開発用地を取得しております。以上の結果、不動産開発事業の売上高は1,752百万円(前年同四半期比44.2%減)、セグメント利益は215百万円(前年同四半期比65.0%減)となりました。
(不動産賃貸事業)当第1四半期連結累計期間は、保有する賃貸物件のリーシングに注力しました。当第1四半期連結累計期間末の賃貸物件数は、物件取得18棟、物件売却10棟及び賃貸終了1棟に伴い、前連結会計年度末の91棟より、7棟増加し98棟となりました。以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は1,556百万円(前年同四半期比7.6%増)、セグメント利益は759百万円(前年同四半期比3.4%増)となりました。
(不動産ファンド・コンサルティング事業)当第1四半期連結累計期間は、前連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)1,722,896百万円から、ファンドの物件売却等により25,620百万円の残高が減少した一方で、新たにアセットマネジメント契約を受託したことにより558,360百万円の残高が増加し、当第1四半期連結会計期間末のアセットマネジメント受託資産残高は、2,255,636百万円となりました。以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は1,655百万円(前年同四半期比41.8%増)、セグメント利益は1,060百万円(前年同四半期比51.9%増)となりました。(注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。
(不動産管理事業)当第1四半期連結累計期間は、新規契約の獲得および既存契約の維持に努めました。当第1四半期連結会計期間末での管理棟数は、オフィスビル、ホテル及び物流施設等で487棟、分譲マンションおよび賃貸マンションで325棟、合計812棟(前年同四半期末比47棟増加)となりました。以上の結果、不動産管理事業の売上高は1,586百万円(前年同四半期比6.8%増)、セグメント利益は263百万円(前年同四半期比6.3%減)となりました。
(ホテル事業)当第1四半期連結累計期間は、ウィズコロナへの適応により社会経済活動の正常化が進んだことに伴い、客室稼働率、客室単価が改善し、売上高・セグメント損益ともに前年同期を上回りました。セグメント損益については、新型コロナウイルス感染症拡大以降、損失が続いておりましたが、黒字化いたしました。以上の結果、売上高は783百万円(前年同四半期比119.9%増)、セグメント利益は142百万円(前年同四半期はセグメント損失188百万円)となりました。
②経営成績等に関する分析、検討内容当社グループの主力市場である国内不動産投資市場は、国内外の不動産投資家の投資姿勢に大きな変化は見られず、堅調に取引が継続しています。また、入国制限緩和以降、外国人旅行客が戻り始めており、ホテル市況も回復フェーズに入りました。このような事業環境のなか、当第1四半期累計期間の当社グループの業績は売上高310億円(前年同期比18.0%増)、営業利益67億円(同19.3%増)、税引前四半期利益64億円(同19.7%増)となり、通期計画に対する進捗率は売上高で36.5%、税引前利益で46.3%と、当期も好調なスタートを切りました。事業セグメント別では、不動産再生事業において、大型収益物件3棟の売却が計画通りに進捗したほか、再生区分マンションや中小型物件の販売も好調に推移し、不動産再生事業がグループ全体の収益を牽引しました。また、当社が安定収益事業と位置付けるストック・フィービジネスは各事業が順調に進捗しており、なかでもホテル事業は当社想定以上に稼働率や客室単価に回復が見られました。また不動産ファンド・コンサルティング事業は、国内で過去最大規模の不動産取引となった大型物件「大手町プレイス」のアセットマネジメント業務受託を12月より開始し、受託資産残高は総額2.2兆円超(前期末比5,327億円増)に拡大しました。なお、足元では、資源価格の高騰や世界経済の減速懸念、日銀の金融政策の修正予測などで事業環境の不透明感が増しています。当社は不動産市場の動向を注視しつつ、引き続き事業活動を積極的に推進してまいります。
(2) 財政状態の分析当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ763百万円減少し、210,192百万円となりました。負債は2,642百万円減少し、136,022百万円となりました。 総資産が減少した主な要因は、現金及び現金同等物が増加したものの、営業債権及びその他の債権及び棚卸資産が減少したことによるものであります。負債が減少した主な要因は、営業債務及びその他の債務が増加したものの、有利子負債が減少したことによるものであります。また資本は1,879百万円増加し、74,170百万円となりました。これは主に利益剰余金の積み上げと配当金の支払によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,307百万円増加し37,074百万円となりました。 当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により獲得した資金は、13,386百万円(前年同四半期比36.1%増)となりました。これは主に、税引前四半期利益6,488百万円、棚卸資産の減少4,361百万円、営業債権及びその他の債権の減少4,455百万円、法人所得税の支払額2,780百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、2,383百万円(前年同四半期比18.3%減)となりました。これは主に、子会社の取得による支出1,581百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により使用した資金は、5,694百万円(前年同四半期比31.3%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入12,918百万円があったものの、長期借入金の返済による支出15,845百万円及び配当金の支払額2,370百万円等があったことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、前事業年度の有価証券報告書提出日後、当四半期累計期間において重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。
