【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績当事業年度(自2021年12月1日 至2022年11月30日)における日本経済は、長期化する新型コロナウイルス感染症による行動制限が順次緩和されたのに伴い、経済活動は正常化の動きが見られました。一方で、急速な円安の進行や原油高騰による各種産業のコスト上昇により、景気の不透明感が強まりました。このような状況の中、当社では収益改善に向けて取り組んだ結果、コロナ禍において需要が低迷していたアウトドア衣料を中心に回復が見られ、当事業年度の売上高は32億90百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益1億13百万円(前年同期 営業損失26百万円)、経常利益1億19百万円(前年同期 経常損失14百万円)となりました。また、今後の業績見通し等を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、回収可能性のある部分について繰延税金資産を計上することとし、当事業年度において法人税等調整額△26百万円を計上いたしました。その結果、当期純利益1億26百万円(前年同期 当期純損失9百万円)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は7,938千円減少しておりますが、営業利益、経常利益への影響はありません。
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。(フィッシング事業)
フィッシング事業に関しては、密を避けられるアクティビティとして釣りが注目されていた前年同期に比して、釣りに対する需要は平常に復し、販売は前年同期に比べ低調に推移いたしました。フライ用品に関しては、他の釣種に比べて需要が安定していたことから、販売は堅調に推移した一方、ルアー用品に関しては、対象魚種の釣果低迷に伴う釣行の減少により販売は苦戦いたしました。その結果、当事業年度におけるフィッシング事業の売上高は、10億29百万円(前年同期比3.3%減)、セグメント利益は1億60百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
(アウトドア事業)アウトドア事業に関しては、4月以降に新たな行動制限がなかったことを背景に、登山やトレッキング等の外出機会が増加し、百貨店やショッピングセンター等の商業施設の集客にも回復が見られ、1年を通してアウトドア衣料の販売が順調に推移いたしました。冬季の気温低下により防寒衣料の販売が伸びたほか、夏季以降は、感染拡大の波による集客の増減が見られたものの、透湿防水素材(ゴアテックス)の軽量ジャケットや、防虫素材(スコーロン)を使用した商品の販売が順調に推移いたしました。その結果、当事業年度におけるアウトドア事業の売上高は、22億39百万円(前年同期比20.5%増)、セグメント利益は1億25百万円(前年同期 セグメント損失24百万円)となりました。
(その他)
その他の主な内容は、不動産賃貸収入売上であります。賃貸面積の縮小により当事業年度に関しては、その他売上高は20百万円(前年同期比24.5%減)となりました。また、セグメント利益は13百万円(前年同期比33.8%減)となりました。
② 財政状態当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ2億66百万円増加し、57億27百万円となりました。当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ1億50百万円増加し、11億29百万円となりました。当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ1億15百万円増加し、45億97百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ2億52百万円増加し、8億82百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は2億21百万円(前年同期の得られた資金は1億95百万円)となりました。これは主に税引前当期純利益1億23百万円や減価償却費61百万円、仕入債務の増加1億49百万円、その他の流動負債の増加55百万円などによる資金の増加の一方、売上債権の増加41百万円や棚卸資産の増加10百万円、未払消費税等の増加47百万円やその他の流動資産の増加38百万円、法人税等の支払額28百万円などによる資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果得られた資金は46百万円(前年同期の使用した資金は1億27百万円)となりました。これは主に、定期預金の払戻と預入による差額収入80百万円や有価証券の償還による収入1億円などによる資金の増加の一方、有形固定資産の取得による支出28百万円や無形固定資産の取得4百万円、投資有価証券の取得による支出1億円などによる資金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、19百万円(前年同期の使用した資金は19百万円)となりました。これは主に、前事業年度決算の剰余金処分の配当支出13百万円とリース債務の返済による支出6百万円によるものです。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報(資金需要)当社の事業活動における運転資金需要は、主として商品仕入の他、販売費及び一般管理費にかかるものです。また、設備投資資金は直営店等の什器内装工事やルアー等の金型製作等に支出しております。
(財務政策)現在、主として内部資金を活用し金融機関からの借入れに依存しておりませんが、一部の投資についてはリース契約等により外部資金調達を行い、金融機関からの借入れも含め幅広い資金調達手段の確保に努めております。
⑤ 生産、受注及び販売の状況
1) 商品仕入実績当事業年度の仕入実績は、フィッシング事業においては、前事業年度に商品在庫が不足気味となった商品を中心に積極的に仕入れを行ったことや、円安や物流経費の高騰による仕入原価の上昇等により増加いたしました。一方のアウトドア事業に関しては、販売が好調に推移した影響や秋冬物衣料を中心に仕入原価の上昇等により増加いたしました。それらの結果、全社の仕入実績は前年同期比24.4%増と増加いたしました。なお、当事業年度の仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(千円)
前年同期比(%)
フィッシング事業
646,011
19.6
アウトドア事業
1,143,351
27.2
その他
―
―
合計
1,789,363
24.4
2) 販売実績当事業年度の販売実績は、フィッシング事業に関しましては、釣りが注目された前年同期に比して、釣りに対する需要は平常に復し、販売は前年同期に比して低調に推移いたしました。アウトドア事業に関しては、4月以降新型コロナウイルス感染症による行動制限が発出されなかったこと等が登山やトレッキング等の外出機会の後押しとなり、1年を通してアウトドア衣料品の販売が順調に推移いたしました。それらの結果、全社売上高は、前年同期比11.5%増と回復いたしました。なお、当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(千円)
前年同期比(%)
フィッシング事業
1,029,506
△3.3
アウトドア事業
2,239,605
20.5
その他
20,917
△24.5
合計
3,290,029
11.5
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況の分析経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等や財務諸表作成時に入手可能な情報を合理的に判断しておりますが、これら見積りは当事業年度末現在において判断したもので、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため異なる場合があります。当社の財務諸表作成にあたって採用した重要な会計方針は「第5 経理の状況
注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響の仮定に関する情報は「第5 経理の状況
注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
1) 繰延税金資産の回収可能性当社は、繰延税金資産のうち、回収可能性に不確実性があり、将来において回収が見込まれない金額は、評価性引当額に計上しております。回収可能性の判断では、将来の課税所得の生じる可能性とタックスプランニングを考慮し、将来税金負担を軽減する効果を有するものと判断できる範囲で繰延税金資産を計上することとしております。将来の課税所得見込額は、その時の業績等により、変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が生じた場合は、回収可能性の見直しを行うため、繰延税金資産等に影響を与える可能性があります。また、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産等に影響を与える可能性があります。
2) 固定資産の減損当社は、固定資産のうち、減損の兆候がある資産又は、資産グループについて、その資産又は、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、減少額を減損損失に計上しています。減損の兆候の把握、減損の認識、減損損失の測定等にあたっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境等に変化が生じ、将来キャッシュ・フローの見積り額の前提条件や仮定に変更が生じた場合には、減損処理が必要になる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
1) 経営成績の分析当社では、アウトドア・アクティビティに関連する事業を行っていることから、比較的気象や天候の影響を受けやすい状況にあります。また、当事業年度に関しては、新型コロナウイルス感染症の国内における感染拡大により一部においては販売に影響が出たものの、行動制限が順次緩和されたことに伴い、その影響は限定的となりました。
(売上高)当事業年度においては、フィッシング事業の売上高は前事業年度を下回ったものの、アウトドア事業の売上高は前事業年度より大きく伸長いたしました。まず、フィッシング事業については、コロナ禍において3密を避けられるアクティビティとして「釣り」が注目された前事業年度までと異なり、釣りに対する需要は平常に復しました。フライ用品については他の釣りに比べて需要が安定していたため売上高は前年より微増となりましたが、対象魚種の釣果低迷に伴う釣行回数の減少を受けたルアー用品について売上が減少し、フィッシング事業の売上高は、10億29百万円(前年同期比3.3%減)と前事業年度を下回りました。一方、アウトドア事業については、冬季の気温低下により防寒衣料の販売が伸びたほか、春夏期においても軽量ジャケットや防虫素材(スコーロン)を使用した商品の販売が好調に推移いたしました。特に4月以降新たな行動制限が無かったことが登山やトレッキング等の外出機会の後押しとなり、コロナ禍において集客に影響を受けた百貨店やショッピングセンター等の商業施設の集客も回復が見られました。その結果、アウトドア事業の売上高は22億39百万円(前年同期比20.5%増)と前期を大きく上回る結果となりました。上記により、全社売上高は前事業年度に比べて3億38百万円増加し32億90百万円(前年同期比11.5%増)となりました。
(売上総利益)当事業年度においては、フィッシング事業においては売上高が前事業年度を下回ったものの、その主な要因であるルアー用品に比べて比較的売上総利益率の高いフライ用品の売上が微増であったことから、売上総利益率は若干向上いたしました。また、アウトドア事業においては売上高が前期を大きく上回ったことに加え、前期より滞留商品の値引き販売が少なかったこと等も影響し売上総利益率も向上いたしました。これらにより、当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べて1億95百万円増加し、15億10百万円(前年同期比14.9%増)となりました。
(営業利益)売上高及び売上総利益が増加し前事業年度より良化した一方で、収益改善に取り組んだ結果、販売費及び一般管理費が前事業年度より50百万円増加の13億97百万円にとどまったことから、当事業年度の営業利益は1億13百万円(前事業年度 営業損失26百万円)となりました。
(売上総利益率、営業利益率について)当社が重要な指標と位置づけております、当事業年度の「売上総利益率」につきましては、主にアウトドア事業において前期より滞留商品の値引き販売が少なかったこと等により、前事業年度より1.3ポイント増加し45.9%となりました。次に「営業利益率」につきまして、前事業年度より改善したことにより3.4%(前事業年度 営業利益率△0.9%)となりました。引き続き事業の効率化と経営資源の集中を念頭に置き、この指標についてより一層改善されるよう取り組んでまいります。
このほか、セグメント別など詳細な経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に具体的に記載しておりますので、こちらをご参照ください。
2) 財政状態の分析資産、負債、純資産の状況(資産)当事業年度末の資産は、資産合計57億27百万円と前事業年度末に比べ2億66百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加1億72百万円や有価証券の増加99百万円、売掛金の増加28百万円、流動資産の「その他」に含まれる返品資産の増加36百万円、投資その他の資産に含まれる繰延税金資産の増加25百万円等の一方、投資有価証券の減少95百万円等によるものです。(負債)当事業年度末の負債は、負債合計が11億29百万円と前事業年度末に比べ1億50百万円の増加となりました。これは主に、支払手形の増加83百万円や買掛金の増加59百万円、未払法人税等の増加10百万円、未払費用の増加10百万円、返金負債の増加78百万円、資産除去債務の増加8百万円等の一方、未払金の減少19百万円や未払消費税等の減少47百万円、返品調整引当金の減少29百万円等によるものです。(純資産)当事業年度末の純資産は、45億97百万円と前事業年度末に比べ1億15百万円の増加となりました。これは主に、当期純利益1億26百万円の発生やその他有価証券評価差額金の増加2百万円等の一方、前事業年度決算の配当支出13百万円等によるものです。
3) キャッシュ・フローの分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当事業年度のキャッシュ・フローの分析については「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
2018年11月期
2019年11月期
2020年11月期
2021年11月期
2022年11月期
自己資本比率 (%)
81.8
82.5
81.3
82.1
80.3
時価ベースの自己資本比率 (%)
23.9
24.4
33.0
31.7
34.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (%)
―
―
―
―
―
インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍)
―
―
―
―
―
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。※営業キャッシュ・フロー及び利払いは、キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。※「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年11月期の期首から適用しており、当事業年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。
当社は事業経営上必要な流動性資金と、その財源を安定的に確保することを、極めて重要であると考えております。なお、運転資金は現状自己資金でありますが、新型コロナウイルス感染症の再びの急拡大による行動制限や急激な為替変動等により、当社事業に影響を与え続けた場合には、スポット的に借入など最適な方法により資金調達に対応してまいります。
