【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2021年12月1日から2022年11月30日まで)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策を継続しながら徐々に正常化している一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化やエネルギー価格、各種原材料の高騰、また急速な円安が進行するなど依然として不安定な厳しい環境下にあります。このような状況の中、当社グループはPhil=共存共栄を企業理念として、土地オーナー・入居者・地域にとって三方良しとなる企画である「空中店舗フィル・パーク」及びガレージ付賃貸住宅「プレミアムガレージハウス」を事業展開してまいりました。土地オーナーに土地活用商品の企画提案をする「請負受注スキーム(既存土地オーナー向けサービス)」と、不動産投資家に当社が土地を購入し土地活用商品の開発から販売までを行う「開発販売スキーム(不動産投資家向けサービス)」の両スキームでソリューションサービスを提供しております。
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,378,593千円(前年同期比19.4%減)、売上総利益1,028,090千円(前年同期比39.7%減)、営業利益169,840千円(前年同期比76.6%減)、経常利益200,100千円(前年同期比71.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益142,103千円(前年同期比65.1%減)となりました。
また、当連結会計年度における売上高、売上内訳、売上原価、売上総利益及び売上総利益率は下表のとおりです。
第1四半期連結会計期間
第2四半期連結会計期間
第3四半期連結会計期間
第4四半期連結会計期間
当連結会計年度
売上高
545,785
853,350
1,065,556
1,913,901
4,378,593
売上内訳
請負受注
企画・デザイン等(約90~100%)
37,022
42,634
60,881
76,464
217,003
設計・監理(約50~60%)
23,599
50,034
53,133
75,269
202,037
工事請負(約13~18%)
390,114
664,362
842,652
927,946
2,825,074
開発販売
―
―
―
717,781
717,781
その他
95,049
96,318
108,889
116,439
416,696
売上原価
431,980
661,241
810,556
1,446,725
3,350,502
売上総利益
113,804
192,110
255,000
467,176
1,028,090
売上総利益率
20.9%
22.5%
23.9%
24.4%
23.4%
※売上内訳の請負受注の( )内は、各業務の売上総利益率の目安を示しています。
a.「空中店舗フィル・パーク」の受注件数が前期比2.6倍に増加当連結会計年度における「請負受注スキーム」の請負受注件数は29件、受注高は2,734,241千円(前年同期は3,054,069千円)となりました。内訳は、空中店舗フィル・パークの請負受注件数が13件、受注高が1,632,649千円(前年同期は1,693,900千円)、プレミアムガレージハウスの請負受注件数が16件、受注高が1,101,591千円(前年同期は1,360,169千円)となっております。空中店舗フィル・パークにおいては、前連結会計年度より通期の受注件数が2.6倍に増加しました。通期の受注高については前連結会計年度よりほぼ横ばいとなっておりますが、前連結会計年度は上期にあった大型案件の受注が通期の受注高に大きく寄与した一方で、当連結会計年度は四半期ごとにコンスタントに受注を積み重ねることができております。ここ数年はコロナ禍の影響を鑑みた土地オーナーや金融機関の動きが慎重であったことから本格的な受注の回復に時間を要しておりました。しかし、社会全体にウィズコロナの意識が根付き、土地オーナーや金融機関の動きも正常化する中で、当第4四半期連結会計期間においては5件の空中店舗フィル・パークの受注があり、コロナ禍以前の勢いを徐々に取り戻しつつあります。プレミアムガレージハウスにおいても、当社独自の入居待ち登録システムによる入居率の高さや安心感を評価いただき、継続的に受注を積み重ねることができております。空中店舗フィル・パーク、プレミアムガレージハウスともに、建物の企画・設計から建築工事、竣工後のテナント誘致、入居者募集までをワンストップで担う当社の強みをより高いレベルで実現することで、来期以降も安定的な受注を積み重ねていけるよう努めてまいります。
また当連結会計年度における「開発販売スキーム」の販売引渡件数は4件で、内訳としては土地のみでの販売引渡が2件、土地建物での販売引渡が2件となりました。2022年1月に策定した中期経営計画に記載のとおり、当連結会計年度は優良な開発用地の仕入に注力し、計8件の用地取得契約を締結いたしました。これにより、将来の売上原価見込金額となる開発プロジェクト総額見込は計1,711,451千円(前期比324.2%増)となっております。来期も引き続き積極的な開発用地の仕入を行っていくとともに、現在進行中のプロジェクトについては販売を見据えた営業活動を継続してまいります。
b. 「プレミアムガレージハウス」の入居待ち登録数、土地活用問い合わせ数が増加プレミアムガレージハウスにおいて、当連結会計年度に新設された社内のデジタル基盤構築を担う部署の主導のもと、リブランディングに伴うサイトリニューアルや土地オーナー・入居検討者向けコンテンツの拡充、当社独自の入居待ち登録システム上のデータを統合した全社的なデータベースの構築を進めてまいりました。これにより、サイトやSNSを通じた情報の提供をより活発に行うことが可能となり、サイトへのアクセス数が増加するだけでなく、サイトからの土地活用に関する問い合わせも年間で119件(前年同期比43.3%増)となりました。また、入居待ち登録システムへの登録数も当連結会計年度末時点で5,099件となり、前連結会計年度末時点より31.4%増加しております。昨今のライフスタイルの多様化やコロナ禍によるテレワークの普及等により、単なる車庫としてだけでなく仕事・趣味の空間やセカンドハウス等幅広い用途で利用可能なガレージハウスへのニーズは高まっております。
<事業の状況>
単位
2022年11月期 下段[ ]内は前期数値
1Q
2Q
3Q
4Q
合計
請負受注スキ|ム
① 受注件数 空中店舗フィル・パーク
件
3[2]
2[2]
3[1]
5[0]
13[5]
② 受注件数(※1)プレミアムガレージハウス
件
2[4]
8 [3]
2[6]
4[9]
16[22]
③ 受注件数(※1) 合計
件
5[6]
10[5]
5[7]
9[9]
29[27]
④ 受注高(※2) 空中店舗フィル・パーク
千円
320,159[1,227,283]
346,374[370,721]
443,234 [78,328]
522,881[17,567]
1,632,649[1,693,900]
⑤ 受注高プレミアムガレージハウス
千円
193,510[236,390]
474,713[234,440]
158,890[311,869]
274,477[577,470]
1,101,591[1,360,169]
⑥ 受注高 合計
千円
513,669[1,463,673]
821,087[605,161]
602,125[390,197]
797,359[595,037]
2,734,241[3,054,069]
⑦ 期末時点受注残高(※3)
千円
2,400,320[2,915,120]
2,467,324[2,598,173]
2,113,663[2,681,707]
1,884,005[2,587,870]
―
⑧ 竣工引渡件数
件
3[0]
4[3]
8[4]
7[9]
22[16]
単位
2022年11月期 下段[ ]内は前期数値
1Q
2Q
3Q
4Q
合計
開発販売スキ|ム
⑨ 開発用地取得契約件数
件
5[0]
2-1(※4)[0]
2-1(※4)[1]
1[0]
8[1]
⑩ 開発プロジェクト(※5) 総額見込件数
件
8
[5]
9[4]
10[4]
7[3]
―
⑪ 開発プロジェクト(※5) 総額見込
千円
2,073,595[2,155,974]
1,883,301[1,405,904]
2,183,285[945,551]
1,711,451[403,381]
―
⑫ 販売引渡件数 土地
件
0[0]
0[0]
0[0]
2[0]
2[0]
⑬ 販売引渡件数 土地建物
件
0[0]
0[1]
0[1]
2[1]
2[3]
⑭ 従業員数
人
59[39]
59[52]
58[49]
52[48]
―
※1 プレミアムガレージハウスの受注件数について、2021年11月期までは、協力会社による受注を含めた件数を記載していましたが、プレミアムガレージハウス1件あたりの受注単価を適切に計算することができないため、2022年11月期からは協力会社による受注は件数に含めておりません。従って、2022年11月期と2021年11月期におけるプレミアムガレージハウスの受注件数の基準を揃えるため、表中の前期数値には2021年11月期第1四半期の1件、第4四半期の3件、計4件の協力会社による受注を除いた件数を記載しています。なお、受注高や受注残高については、2022年11月期も協力会社による受注の数値を引き続き含めています。※2 受注高とは、連結会計期間において新規に受注した工事やプロジェクトの合計(売価ベース)となります。※3 受注残高とは、期末時点において売上に計上されていない工事やプロジェクトの受注高の残高合計であり、将来の売上見込金額となります。※4 用地取得契約を締結していた案件のうち、引渡決済に至らなかった案件があったため、-1件としております。※5 開発プロジェクト総額見込とは、用地取得契約後にプロジェクトを開始した土地活用商品の、期末時点における土地および建物の完成にかかる見込額の合計であり、将来の売上原価見込金額となります。
なお、財政状態につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 c.財政状態の分析」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、2,250,657千円となり、前連結会計年度末と比較して1,942,673千円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動により使用した資金は1,663,383千円(前年同期は3,291,115千円の収入)となりました。これは主として、棚卸資産の増加1,069,856千円、前受金の減少523,692千円、法人税等の398,961千円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動により得られた資金は23,591千円(前年同期は6,229千円の支出)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入53,795千円、長期貸付による支出23,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動により使用した資金は302,881千円(前年同期は1,157,820千円の支出)となりました。これは主として、自己株式の取得による支出501,129千円、長期借入れによる収入340,000千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、単一セグメントであるため、生産実績及び受注実績については、スキームごとの実績を記載しております。
a. 生産実績当連結会計年度における生産実績については、土地の購入及び土地活用商品の開発から販売までを行う取り組みである「開発販売スキーム」の開発プロジェクト総額見込を記載しております。
開発プロジェクト総額見込(注)1(千円)
前年同期比(%)
開発販売スキーム
1,711,451
424.3
(注) 1.開発プロジェクト総額見込とは、用地取得契約後にプロジェクトを開始した土地活用商品の、期末時点における土地および建物の完成にかかる見込額の合計であり、将来の売上原価見込金額となります。
b. 受注実績当連結会計年度における受注実績については、「請負受注スキーム」の受注高及び受注残高を記載しております。
受注高(注)2(千円)
前年同期比(%)
受注残高(注)3(千円)
前年同期比(%)
請負受注スキーム
2,734,241
89.5
1,884,005
72.8
(注) 1.受注高とは、当連結会計年度において新規に受注した工事やプロジェクトの合計(売価ベース)となります。2.受注残高とは、当連結会計年度末時点において売上に計上されていない工事やプロジェクトの受注高の残高合計であり、将来の売上見込金額となります。
c. 販売実績当連結会計年度における販売実績については、「空中店舗フィル・パーク」等、空間ソリューション事業の単一セグメントであるため、次のとおりであります。
金額(千円)
前年同期比(%)
「空中店舗フィル・パーク」等、空間ソリューション事業
4,378,593
80.6
合計
4,378,593
80.6
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度(自 2020年12月1日 至 2021年11月30日)
当連結会計年度(自 2021年12月1日 至 2022年11月30日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
A社
-
-
1,043,360
23.8
B社
1,365,127
25.1
-
-
C社
1,031,775
19.0
-
-
D社
756,807
13.9
-
-
E社
656,360
12.1
-
-
2.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。3.A社、B社、C社、D社及びE社との間で守秘義務を負っているため、社名の公表は控えさせていただきます。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は4,378,593千円(前期比19.4%減)となりました。これは主に、「請負受注スキーム」において受注高が当初の想定を下回ったことと、「開発販売スキーム」において当連結会計年度に販売を見込んでいた一部のプロジェクトの販売引渡が2023年11月期にずれ込んだことによるものであります。(営業利益)販売費及び一般管理費858,250千円の計上により、当連結会計年度における営業利益は169,840千円(前期比76.6%減)となりました。販売費及び一般管理費の主な内訳は、役員報酬185,232千円、給料及び手当231,903千円、業務委託費83,146千円であります。(経常利益)営業外収益52,092千円、営業外費用21,831千円計上により、当連結会計年度における経常利益は200,100千円(前期比71.9%減)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)当社が保有する投資有価証券の一部を売却したことによる投資有価証券売却益18,953千円を特別利益に計上しました。その計上に伴い当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は221,626千円となりました。法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を加減した、親会社株主に帰属する当期純利益は142,103千円(前期比65.1%減)となりました。 b. 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、経済情勢の変動や各種法規制等による影響、自然災害の発生、感染症等の影響などが外的要因として挙げられます。また、内的要因としては、物件の竣工引渡時期の変動や、組織体制の充実に充分な対応ができない場合の事業展開への影響などが挙げられます。詳細については、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」をご参照ください。
c. 財政状態の分析(資産)当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて700,263千円減少し、4,750,048千円になりました。これは主として、現金及び預金等の減少、販売用不動産及び仕掛販売用不動産等の増加により流動資産が689,218千円減少したことによるものであります。(負債)当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて369,884千円減少し、2,306,313千円になりました。これは主として、前受金が523,692千円、未払法人税等が170,769千円減少し、買掛金が289,962千円、長期借入金が236,428千円増加したことによるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて330,379千円減少し、2,443,735千円になりました。これは主として、自己株式の取得による自己株式の増加499,879千円、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加142,103千円によるものであります。なお、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の当期首残高は48,657千円増加しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2〔事業の状況〕3〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。当社グループは、「開発販売スキーム」における土地仕入資金の機動的な調達を行うため、株式会社みずほ銀行と特別当座貸越契約(借入極度額1,000百万円)を締結しております。なお、当連結会計年度末において、当座貸越契約の借入枠については使用しておりません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
