【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。(1)業績の状況当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、世界的な金融引き締め、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、資源エネルギー価格の高止まりなどの影響により景気回復ペースに鈍化が見られます。米国では、個人消費や労働市場の増加傾向を背景に景気が底堅く推移しているものの、景気の回復ペースは鈍化しました。中国においては、不動産をはじめとした耐久消費財の需要低迷、不安定な米中関係が長引く中、先行きの不透明感により景気回復は鈍化しました。日本経済は、個人消費や設備投資、インバウンド需要の回復、円安の長期化により輸出を中心に緩やかな回復基調が継続しています。当社グループに関係の深い自動車産業においては、国内自動車生産は前年を上回る状況にありますが、中国、欧州におけるEV車需要の加速によるガソリン車販売の低迷が日系自動車業界にとって懸念事項となっています。このような環境の中、当社グループは2022年を起点とする中期経営計画(第121期「2022」から第125期「2026」まで)をスタートし、企業価値向上に向け、その中で設定した目標の実現に向けて、経営資源の選択と集中を進め経営基盤の強化を推進し、これまで培ってきた合成技術を活用し、受託合成品の拡大、品質・技術に優位性を持つ医療用ゴム用途製品、医療用途脱水縮合剤、電子材料用途製品の製造販売に注力、成長分野での市場拡大を積極的に進めました。一方、原材料価格、エネルギーコスト及び物流コストが高止まりする中、生産においては採算性を重視し、より一層の経営資源の効率化とコストダウンに全社規模で取り組みました。また、コスト上昇に応じた製品への価格転嫁を、総力を挙げて推進致しました。ゴム薬品の販売は、自動車関連を中心に国内外の顧客における在庫調整が進みましたが、医療用ゴム用途製品の顧客での在庫調整、低迷する中国市場の影響を強く受け、売上は前年同期を下回りました。中間体、その他薬品については、売上は前年同期を上回りましたが、樹脂薬品の売上は前年同期を下回りました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は61億71百万円(前年同期比1.4%増)、営業利益は2億16百万円(同34.6%減)、経常利益は2億8百万円(同39.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億58百万円(同40.4%減)となりました。セグメント業績の概況は次のとおりであります。①化学工業薬品事業売上高は61億42百万円(同1.4%増)、セグメント利益(営業利益)は1億93百万円(同37.3%減)となりました。②不動産賃貸事業売上高は28百万円(同0.8%増)、セグメント利益(営業利益)は23百万円(同1.0%増)となりました。
(化学工業薬品事業の部門別の概況) <ゴム薬品> ゴム薬品の分野において、国内の工業用品向け製品は、半導体不足が緩和され自動車生産が回復基調となりました。その結果、工業用品向け製品の売上は増加しました。また、医療用ゴム用途製品は、顧客での在庫調整の影響を強く受け、販売が減少、売上は前年同期を大きく下回りました。タイヤ向け製品は、主力製品の販売数量が減少しましたが、原料エネルギーコスト上昇分の製品価格への転嫁により、売上は前年同期並みを確保しました。合成ゴム向けは、顧客要望に迅速な対応をした結果、前年同期に販売できなかった製品の販売を復活させたことにより売上は前年同期を上回りました。海外向けは、中国での景気低迷の影響を強く受け、自動車産業向けを中心に販売数量は減少しましたが、円安の影響に加え、需要が回復し販売が復活した製品もあり売上は増加しました。この結果、国内・輸出合わせてのゴム薬品部門合計の売上高は33億10百万円(前年同期比2.7%減)となりました。
<樹脂薬品> 樹脂薬品の分野は、当社の合成技術を活用し機能性受託製品を受注することが出来ました。国内向け海外向け共に、主要顧客であるアクリル酸・アクリル酸エステルの需要が低迷し、主要製品である重合防止剤の売上は前年同期を下回りました。海外向けの電子材料関連向け製品、ナイロン向け主要製品の需要が低迷、売上は、いずれも前年同期を下回りました。この結果、樹脂薬品部門合計の売上高は6億66百万円(同19.2%減)となりました。
<中間体>中間体部門においては、農薬中間体は、ほとんどの製品の販売が好調に推移し売上は前年同期を大きく上回りました。医薬中間体は、主力製品である医療用途脱水縮合剤は年間での販売予定が後半に集中、当第3四半期での売上は前年同期を下回りましたが、年間を通しては前年を上回る見通しです。界面活性剤中間体は、顧客の需要が堅調に回復、売上は前年同期を上回りました。染顔料向けは、主要製品の需要変動に対応し売上を大きく伸ばしました。この結果、中間体部門合計の売上高は9億28百万円(同10.7%増)となりました。
<その他> 品質・技術に優位性を持つ電子材料用途脱水縮合剤の販売は、顧客需要の変化に柔軟に対応した結果、前年同期を上回りました。環境用薬剤については、需要増に迅速に対応したことにより販売を増やし売上は前年同期を上回りました。レンズ用途向け特殊添加剤は堅調な需要の伸びに対応し売上を増やしました。また、電子材料向け中間体においても当社が得意とする合成技術を基盤とする製品の販売に注力し売上を大きく伸ばしました。この結果、この部門合計の売上高は12億35百万円(同24.6%増)となりました。
(2)財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末における資産につきましては82億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ96百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が1億5百万円増加したことに対し、受取手形及び売掛金が1億63百万円、流動資産その他が43百万円減少したことによります。 負債につきましては56億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億16百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が2億18百万円減少したことによります。 純資産につきましては25億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億19百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が97百万円増加したことによります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は176,353千円(前年同四半期は176,213千円)であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
