【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、政府が新型コロナウイルス感染症に関する行動制限をしない方針や水際措置の見直しが発表される等、経済活動の水準引き上げが進みつつあります。しかしながら、ロシア・ウクライナによる紛争が継続していることや原油価格が依然として高い水準にあること、原材料の高騰や為替相場において急激に進む円安等により国内における経済状況は非常に厳しく、引き続き不透明な状況が継続しております。当社グループに係る不動産業界及び投資業界においても、国内景気と同様、為替相場の急変等による影響により先行きは不透明な状況です。このような状況下、不動産事業においては、東京等の大都市圏を中心とするビジネスモデルに転換することを目的に固定資産から販売用不動産に振り替えた自社物件は全て売却し資金化いたしました。投資事業においては、保有する上場会社株式の売却を進めたこと、上場会社の親会社が発行する社債を取得し利息を売上計上したこと、投資したファンド案件の一部償還を受けたことが寄与しました。また、前連結会計年度から継続となりますが本業として継続的に営む予定はないスポットな事業として、いわゆる兄弟会社から業務の委託を受けました。更に、2013年4月30日に締結した債権回収に係る債務者の資産状況調査等について助言するコンサルティング契約(業務受託)に基づく報酬を請求、内容について合意し、和解金を受領いたしました。その結果、当連結会計年度におきましては、売上高は20億2千6百万円(前年同期比85.8%増)、営業損失は6千9百万円(前連結会計年度は営業利益2億6百万円)、経常損失は6千7百万円(前連結会計年度は経常利益2億4千3百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は3百万円(前年同期比98.8%減)となりました。セグメントの業績は、次のとおりであります。a.不動産事業固定資産から販売用不動産に振り替えた自社物件については、全物件で売買契約を締結し、期末までに引き渡しを完了いたしました。また、保有していた物件から得られる家賃収入や賃貸物件の管理等から得られる手数料等を売上計上いたしました。この結果、当連結会計年度の売上高は19億7千1百万円(前年同期比163.8%増)、営業利益は2億3千9百万円(前年同期比45.0%増)となりました。b.投資事業これまでの投資実績は6社8件です。そのうち、㈱フルッタフルッタに関しては新株予約権を適宜行使し、燦キャピタルマネージメント㈱に関しては社債を適宜転換し、市場の動向を鑑みながら売却を進めており、東証スタンダード市場に上場する㈱レッド・プラネット・ジャパンの親会社が発行する社債については全て償還され利息を、投資したJAPAN ALLOCATION FUND SPC,Segregated Portfolio Bから投資した一部を償還されたことによる利益をそれぞれ売上として計上いたしました。金地金寄託事業は、寄託内容や業者との提携検討等の準備を完了し、営業活動をスタートいたしましたが実績はありません。また、投資運用業、投資助言代理業開始に向け、関東財務局に対して申請手続きを行い、質疑応答を進めております。この結果、当連結会計年度の売上高は5千4百万円(前年同期比84.0%減)、営業損失は2百万円(前連結会計年度は営業利益3億1千1百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、11億8千6百万円(前年同期比62.8%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは7億1千2百万円の支出(前年同期は1億4千9百万円の収入)となりました。これは、棚卸資産の増加による支出5億5千3百万円、営業投資有価証券の増加による支出3億7千7百万円などによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは4千3百万円の支出(前年同期は1億2百万円の収入)となりました。これは、主として敷金及び保証金の差入による支出5千5百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは12億1千3百万円の収入(前年同期は3百万円の支出)となりました。これは、主として短期借入金による収入10億円、長期借入れによる収入4億円などによるものです。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社は、安定した収益と成長性を確保するために必要な運転資金及び事業資金について、自己資金及び金融機関等からの借入金を充当しております。
⑤ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績該当事項はありません。
b.受注実績不動産事業において、住宅リフォームや賃貸物件の営繕工事等の受注を行っておりますが、いずれも受注から売上高計上までの期間が短期であることから、受注実績は省略しております。なお、投資事業は受注活動を行っておりません。
c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称
前連結会計年度(自
2020年11月1日 至
2021年10月31日)
当連結会計年度(自
2021年11月1日 至
2022年10月31日)
比較増減
金額(千円)
金額(千円)
金額(千円)
前年同期比(%)
不動産事業
747,137
1,971,116
1,223,979
263.8
投資事業
343,493
54,900
△288,593
16.0
合
計
1,090,630
2,026,016
935,386
185.8
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先は、次の通りであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
緑都開発株式会社
–
–
(注)2
(注)2
(注)1 前連結会計年度は販売実績が10%未満のため、記載を省略しております。2 当連結会計年度は販売実績が10%以上ですが、緑都開発株式会社との契約上守秘義務を負っているため、金額及び割合の公表は控えさせていただきます。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所存等の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項は、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況
1
連結財務諸表等
(1)連結財務諸表
注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
② 財政状態の分析
a.流動資産当連結会計年度末における流動資産は34億8千4百万円となり、前連結会計年度末に比べて24億9千9百万円増加しました。現金及び預金の増加5億5千万円、販売用不動産の増加16億2千7百万円が主な要因であります。
b.固定資産当連結会計年度末における固定資産は1億1千3百万円となり、前連結会計年度末に比べて10億9千8百万円減少しました。保有目的の変更に伴う土地の減少5億7千7百万円、建物及び構築物の減少5億4千1百万円が主な要因であります。また、投資その他の資産として計上している破産更生債権等の減少2億3百万円については、約18年前に事業活動費用として貸し付けた企業の事業継続について確認が取れないため回収可能性が無いとして全額貸倒引当金と相殺処理をしました。本件は、固定資産の見直しを行う中で整理対象となり、当連結会計年度末で処理することとなりました。なお、損益に与える影響はありません。
c.流動負債当連結会計年度末における流動負債は14億4千8百万円となり、前連結会計年度末に比べて11億6千2百万円増加しました。短期借入金の増加10億円が主な要因であります。
d.固定負債当連結会計年度末における固定負債は4億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億1千7百万円増加しました。長期借入金の増加2億2千2百万円が主な要因であります。
e.純資産当連結会計年度末における純資産は16億7千7百万円となり、前連結会計年度末に比べて1千7百万円増加しました。その他有価証券評価差額金2千万円の計上が主な要因であります。この結果、当連結会計年度末の総資産は35億9千8百万円となり、前連結会計年度末に比べて13億9千8百万円増加しました。
③ キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2
事業の状況
3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④ 経営成績の分析
a.売上高当連結会計年度における売上高は、主に不動産事業の販売用不動産の売却及び家賃収入、投資事業の有価証券運用益により20億2千6百万円となりました。なお、セグメントの詳細につきましては、「第2
事業の状況
3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
b.売上原価、売上総利益当連結会計年度における売上原価は、主に販売用不動産の販売に係る原価及び賃貸事業に係る原価により、16億6千1百万円となりました。この結果、当連結会計年度における売上総利益は3億6千4百万円となり、売上総利益率は18.0%となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、主に支払手数料や給与等の労務費用により、4億3千4百万円となりました。この結果、当連結会計年度における営業損失は6千9百万円となり、営業利益率は△3.4%となりました。
d.営業外損益、経常利益当連結会計年度における営業外収益は業務受託収入等により、9千1百万円となりました。また、営業外費用は業務受託費用等により、9千万円となりました。この結果、当連結会計年度における経常損失は6千7百万円となり、経常利益率は△3.4%となりました。
e.特別損益、税金等調整前当期純利益当連結会計年度における特別利益は和解金により、1億2千7百万円となりました。また、特別損失は減損損失等により、5千3百万円となりました。この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は6百万円となりました。
f.法人税等(法人税、住民税及び事業税)、親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額の合計は3百万円となりました。この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は3百万円となりました。
⑤ 戦略的現状と見通し戦略的現状と見通しにつきましては、「第2
事業の状況
1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載したとおりであり、セグメント別に取り組んでまいります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2
事業の状況
1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであり、特に投資事業に注力する方針です。
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