【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期累計期間(2022年4月1日から2022年12月31日まで)のわが国経済は、3月の「新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置」の解除を契機に、個人消費中心での持ち直しを見せました。欧米など海外経済の減速、また、国内物価上昇による家計の購買力低下などが懸念される一方、中国の「ゼロコロナ」政策見直しの動きや、水際対策の緩和による訪日外国人の増加などが下支え要因となりました。そうした中、12月の日銀による金融緩和策修正の動きをきっかけに、金利上昇が家計や企業部門を圧迫するとの懸念も出始めています。
海外経済については、欧米を中心にインフレが長期化、各国・地域の中央銀行はインフレ抑制のための利上げを継続しており、特に、ユーロ圏や英国経済の景気後退入りの可能性はさらに高まっています。中国での「ゼロコロナ」政策緩和の動きは今後の同国経済の回復を期待させるものですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大など、短期的には経済の混乱につながる懸念も指摘されています。
国内株式市場では、4月に27,600円台で始まった日経平均株価は、6月上旬に円安等を背景に一時28,000円台に乗せたものの、インフレ懸念による世界的株安を受け、同月中頃には期中最安値となる25,500円台まで下落しました。その後は米株主導での「サマーラリー」により、日経平均株価は8月半ばに29,000円を突破しましたが、欧米株式市場の下落などにより9月下旬には再び26,000円割れとなりました。10月以降は米利上げ幅縮小期待等から再度上昇に転じましたが、12月の日銀の金融緩和策修正を受けて急落、結果26,000円台で12月の取引を終えています。
米国株式市場では、4月に34,700ドル台で始まったダウ平均株価が利上げへの警戒等から下落基調を継続、6月半ばには一時30,000ドルを割り込みました。その後8月半ばにかけては「サマーラリー」により、一時34,000ドル台を回復しましたが、9月発表の米消費者物価指数が予想を上回ったことで利上げへの懸念が台頭し株価は下落、ダウ平均株価は9月末に一時29,000ドルを下回りました。その後はインフレのピークアウトやFRBの利上げ幅縮小期待から株価は大きく上昇し、11月末に再び34,000ドル台に乗せましたが、12月末にかけてやや上げ幅を縮小させ、最終的には33,100ドル台で12月の取引を終えています。
このような状況のもと、当社では地域に密着した対面による営業をビジネスの柱とし、お客様のニーズに合わせた提案営業を推進するため、国内株式、米国株式、投資信託および外国債券など、商品ラインナップの拡充を図っております。また、お客様の堅実な資産形成を実現していただくため、投資信託の積立てキャンペーンを行うなど、新型コロナ感染への対策に十分留意しながら、お客様本位の業務運営を行っております。
以上の結果、当第3四半期累計期間の業績は、営業収益18億89百万円(前年同期比12.3%減)、純営業収益18億84百万円(同12.3%減)、営業利益1億12百万円(同67.1%減)、経常利益1億24百万円(同67.9%減)、四半期純利益62百万円(同76.5%減)となりました。
また、業績の概要は以下のとおりであります。
①受入手数料
当第3四半期累計期間の受入手数料は、12億83百万円(前年同期比13.4%減)となりました。その内訳は以下のとおりであります。
(委託手数料)
「委託手数料」は、10億3百万円(同1.1%増)となりました。これは主に、株式の委託手数料が9億30百万円(同1.2%増)になったことによるものです。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、1億87百万円(同47.6%減)となりました。これは主に、投資信託の販売手数料の減少によるものです。
(その他の受入手数料)
「その他の受入手数料」は、93百万円(同27.5%減)となりました。これは主に、投資信託の信託報酬の減少によるものです。
②トレーディング損益
「トレーディング損益」は、5億36百万円(同13.2%減)となりました。その内訳は以下のとおりであります。
(株券等トレーディング損益)
「株券等トレーディング損益」は、2億77百万円(同29.7%減)となりました。これは主に、外国株式の取引による収益が減少したことによるものです。
(債券等トレーディング損益)
「債券等トレーディング損益」は、2億58百万円(同16.3%増)となりました。これは主に、仕組債の取引による収益が増加したことによるものです。
③金融収支
金融収支は、64百万円の利益(同32.4%増)となりました。これは、「金融収益」が68百万円(同29.0%増)、「金融費用」が4百万円(同7.1%減)となったことによるものです。
④販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、17億72百万円(同2.0%減)となりました。これは主に、「人件費」が1億11百万円減少し9億83百万円(同10.2%減)「不動産関係費」が37百万円増加し1億56百万円(同31.8%増)、「事務費」が24百万円増加し3億46百万円(同7.5%増)となったことによるものです。
⑤営業外損益
営業外損益は、12百万円の利益となりました。これは主に、「受取配当金」によるものです。
⑥特別損益
特別損益は、12百万円の損失となりました。これは主に、「投資有価証券評価損」によるものです。
(2)財政状態の状況
①資産
当第3四半期会計期間末の総資産は、2022年3月末(以下、前事業年度末)と比べ6億4百万円増加し103億5百万円となりました。これは主に、「投資有価証券」が8億25百万円増加、「現金・預金」が2億62百万円増加、「有形固定資産」が1億1百万円増加、「トレーディング商品」が6億44百万円減少、「信用取引資産」が2億24百万円減少、したことによるものです。
②負債
負債は、前事業年度末と比べ7億31百万円増加し29億82百万円となりました。これは主に、「預り金」が9億45百万円増加、「未払法人税等」が63百万円減少したことによるものです。
③純資産
純資産は、前事業年度末と比べ1億26百万円減少し73億22百万円となりました。これは、「四半期純利益」により62百万円増加、「その他有価証券評価差額金」の変動により29百万円減少、「剰余金の配当」により1億59百万円減少したことによるものです。
(3) 経営方針・経営戦略等
当社は、2022年度から2024年度までの3ヵ年を対象とした新たな中期経営計画を策定いたしました。本中期経営計画は、当社がお客様と共に発展していくための「進むべき方向」とその「戦略」を示すものとなっております。
なお、詳細につきましては、2022年9月30日プレスリリース「中期経営計画の策定に関するお知らせ」をご参照ください。
(中期経営計画)
①経営戦略
当社は、お客様の「投資パフォーマンスの向上」を最重要事項と位置づけ、次の3点の実現を目指し、展開いたします。
1)営業基盤の拡大
地域に密着した店舗展開と人員配置により、お客様との対面を中心としたハートフルな対応による満足度向上に努めます。
2)推進体制の強化
IT、DXの更なる活用を通して、お客様にとっての利便性向上による満足度向上に努めます。
3)収益構造の安定
社員の資質向上に努め、社員ひとりあたりの生産性向上を図ること、また費用構造の見直しから収益構造の安定化に努めます。
②重点施策
1)資産運用の高度化
2)資産形成支援の強化
3)世代間の円滑な資産承継
4)自己資金運用の効率的活用
③数値目標
2025年3月末において、次の目標の達成を目指します。
なお、カッコ内の数値は、2022年3月末時点のものとなっております。
1)預り資産 240,000百万円(197,734百万円)
2)投資信託積立月額 150百万円 (28百万円)
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
(6) 資本の財源および資金の流動性についての分析
当第3四半期末の現金・預金残高は42億48百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行5行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しております。
なお、現在重要な資金の支出の予定はございません。
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