【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は1,261,718千円となり、前事業年度末に比べ396,483千円増加いたしました。これは主に新規上場に伴う公募増資等による現金及び預金の増加297,096千円、売上高の増加による売掛金の増加53,201千円及び流動資産のその他の増加29,371千円によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は782,512千円となり、前事業年度末に比べ54,825千円増加いたしました。これは主に買掛金の増加44,239千円、未払法人税等の増加42,262千円があった一方で、約定弁済等により長期借入金(1年内返済予定含む)の減少59,865千円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は479,205千円となり、前事業年度末に比べ341,658千円増加いたしました。これは主に新規上場に伴う公募増資等による資本金の増加132,165千円、資本準備金の増加132,165千円及び当期純利益を計上したことによる利益剰余金の増加77,686千円によるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大があったものの、行動制限を行わない方針が掲げられたこと等に伴い、国内の経済活動に回復の動きが見られつつありました。一方で依然としてロシア・ウクライナ情勢の長期化及び原材料高騰等の影響による物価の高騰など、引き続き先行き不透明な状況が続いております。
当社のDX推進事業を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により多くの企業でDXの必要性が高まっており、株式会社電通デジタルの調査では日本企業の84%がすでにDXに着手しているというデータがあります(出所:「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2022年度)」)。また、今後も引き続きDXに取り組む企業は増加することが見込まれ、時代の変化に対応したビジネスモデルの変革などでITニーズはさらに高まるものと判断しております。
このような環境の下で、当社ではミッションである「日本の全世代を活性化する」を推進すべく、前事業年度より継続して全国のITエンジニア等の人材を積極的に採用及び教育するとともに外部協力企業及びフリーランスエンジニアの開拓を行い、開発体制の強化及びネットワーク強化に努めました。また既存顧客との取引継続及び新規顧客の獲得に注力してまいりました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高3,548,534千円(前期比16.7%増)となりました。売上総利益は、従業員数増加に伴う人件費の増加及び外部協力企業等が増加したことに伴う外注費の増加があったものの、自社エンジニアを含めた総稼働案件数が増加したことで595,043千円(前期比22.7%増)となりました。営業利益は従業員数増加に伴う人件費の増加及び人材採用が順調に進んでいることから採用に関する費用が増加しているものの、売上高が伸長したことにより、131,342千円(前期比90.2%増)となりました。経常利益は支払利息、上場関連費用等の計上により115,073千円(前期比70.9%増)となりました。当期純利益は法人税、住民税及び事業税の計上及び法人税等調整額を計上したため77,686千円(前期比18.5%増)となりました。
なお、当社はDX推進事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ327,096千円増加し、当事業年度末には696,113千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、営業活動の結果獲得した資金は132,144千円(前事業年度は76,231千円の獲得)となりました。これは主に売上債権及び契約資産の増加57,501千円の計上があった一方で、税引前当期純利益115,073千円及び仕入債務の増加44,239千円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、投資活動の結果支出した資金は7,778千円(前事業年度は5,069千円の支出)となりまし
た。これは主に敷金及び保証金の差入による支出6,798千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、財務活動の結果獲得した資金は202,730千円(前事業年度は98,529千円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出109,865千円があった一方で、株式の発行による収入262,954千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略してお
ります。
b.受注実績
当事業年度の受注実績は次のとおりであります。
なお当社は、DX推進事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称
受注高(千円)
前期比(%)
受注残高(千円)
前期比(%)
DX推進事業
3,544,461
117.1
4,460
52.3
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
なお当社は、DX推進事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高(千円)
前期比(%)
DX推進事業
3,548,534
116.7
(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は、3,548,534千円(前期比16.7%増)となりました。これは主に、DXソリューションサービスにおける人員を中途採用等により増加させたこと及び外部協力企業の積極的な利用により、新規顧客数の獲得等による稼働率が増加した結果によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、2,953,491千円(前期比15.5%増)となりました。これは主に、売上規模拡大に伴い、主に外部協力企業利用等の割合が増加したことに伴い外注費が増加しております。この結果、売上総利益は595,043千円(前期比22.7%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、463,700千円(前期比11.5%増)となりました。これは主に、従業員数の増加による人件費の増加があった一方で、コスト削減を進めたことによるものであります。この結果、営業利益は131,342千円(前期比90.2%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外損益については、営業外収益は、受取利息及び助成金収入等の計上により1,625千円(前期比65.5%減)となりました。営業外費用は、上場関連費用及び支払利息の計上により17,894千円(前期比178.4%増)となりました。この結果、経常利益は115,073千円(前期比70.9%増)となりました。
(特別損益、法人税等、当期純利益)
特別利益及び特別損失については、発生がありませんでした。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した法人税等は37,387千円(前期比2,655.2%増)となりました。この結果、当期純利益は77,686千円(前期比18.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要のうち主なものは、外部協力企業及びフリーランスエンジニアに対する外注費及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。運転資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
なお、当事業年度末において、現金及び現金同等物は696,113千円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択や適用、資産・負債や収益・費用の計上に際し、合理的な基準による見積りが含まれており、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りによる数値と異なる場合があります。詳細は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
当社は、「日本の全世代を活性化する」をミッションに掲げ、事業を拡大してまいりました。
当社がこの理念の下、長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の経営方針を立案していくことが必要であると認識しております。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、主な経営指標として売上高、売上総利益、売上総利益率、営業利益、営業利益成長率、外部協力企業の営業担当等のアカウント数、ITエンジニアリングサービスの顧客企業との平均取引継続期間を重視しております。
各指標の推移は以下のとおりであります。
2022年3月期
(前事業年度実績)
2023年3月期
(当事業年度実績)
前期比
売上高
3,041,657千円
3,548,534千円
116.7%
売上総利益
485,095千円
595,043千円
122.7%
売上総利益率
15.9%
16.8%
+0.8ポイント
営業利益
69,057千円
131,342千円
190.2%
営業利益成長率
-
90.2%
-
アカウント数
5,209件
6,464件
124.1%
顧客企業との平均取引継続期間
16.4ヶ月
14.9ヶ月
△1.5ヶ月
(注)2021年3月期が営業損失であるため、前期比及び2022年3月期の営業利益成長率は記載しておりません。
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