【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1)業績当期における我が国経済は、原材料価格やエネルギー価格の高騰、金利上昇リスクなどの影響により、経済の先行きは不透明な状況で推移したものの、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことなどにより、社会経済活動には緩やかな持ち直しの動きがみられました。このような状況のなか、当社グループにおいては、2021年度を始期とし、『変革』を基本方針とする中期3か年経営計画に基づき、足元の事業環境変化への対応と構造改革の推進による収益の復元に取り組んでまいりました。当連結会計年度の営業収益は、交通事業やホテル・リゾート事業を中心に、利用者数の回復が見られたことなどにより、9,312億9千3百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は446億3百万円(同41.4%増)、経常利益は473億6千9百万円(同35.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、持分法投資利益の増加などにより、259億9千5百万円(同196.0%増)となりました。セグメントの業績は以下のとおりであり、各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含んで記載しております。なお、各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。
(交通事業)東急電鉄㈱では、事業基盤の強靭化と安全・安心のさらなる追求をはじめとした社会的価値の持続的な提供のため、自然災害対策や環境性能の高い新型車両の導入、東横線ワンマン運転実現に向けた改修工事、東急新横浜線開業関連工事等の設備投資を行いました。これまで安全性・安定性の確保を目的に、業界水準を大きく上回る規模の設備投資を継続的に実施してきました。生活様式の変容により厳しい経営環境ではありますが、安全・安心な鉄道事業を継続し、多様化・複雑化する社会的要請に応じた価値を今後も提供していくため、さらなる経営努力を前提とした運賃改定を2023年3月に実施いたしました。また、2023年3月、東急電鉄㈱として39年ぶりの新線となる「東急新横浜線」を開業いたしました。神奈川県から埼玉県に至る7社局14路線を結ぶ広域な鉄道ネットワークを形成することで、所要時間の短縮や乗換回数の減少などの利便性向上とともに、東海道新幹線へのアクセス向上を実現いたしました。このほか、2022年10月、大田区と東急電鉄㈱は新空港線整備に向けて羽田エアポートライン㈱を設立しました。今後、新空港線の事業化に向けて、同社を中心として矢口渡~京急蒲田間の検討の深度化をしていきます。東急電鉄㈱の鉄軌道業における輸送人員は、行動制限が緩和されたことなどによる外出機会の増加を受け、定期・定期外ともに前年を上回り、定期で7.0%増加、定期外で14.5%増加し、全体では10.2%の増加となりました。連結子会社の輸送人員は、伊豆急行㈱で29.4%増加いたしました。バス業では、東急バス㈱の輸送人員が7.2%増加いたしました。この結果、交通事業全体の営業収益は1,840億5千4百万円(同10.5%増)、営業利益は85億3千8百万円(前年同期は39億3千7百万円の営業損失)となりました。
(東急電鉄㈱の鉄軌道業の営業成績)
種別
単位
第153期
第154期
2021.4.1~2022.3.31
2022.4.1~2023.3.31
営業日数
日
365
365
営業キロ程
キロ
104.9
110.7
客車走行キロ
千キロ
148,044
148,247
輸送人員
定期外
千人
389,396
445,985
定期
千人
507,606
542,898
計
千人
897,002
988,883
旅客運輸収入
定期外
百万円
63,266
73,422
定期
百万円
44,477
46,919
計
百万円
107,743
120,341
運輸雑収
百万円
14,565
15,056
収入合計
百万円
122,308
135,397
一日平均収入
百万円
335
371
乗車効率
%
38.1
42.2
(注)
乗車効率の算出方法
乗車効率
=
輸送人員
×
平均乗車キロ
×
100
客車走行キロ
平均定員
(不動産事業)不動産事業では、当社不動産賃貸業において、大型商業物件を中心に前年度の営業時間の短縮や一部店舗の休業からの反動があったものの、当社不動産販売業における前年度の大規模物件販売の反動などにより、営業収益は2,204億2千万円(同1.3%減)、営業利益は288億4千4百万円(同36.2%減)となりました。当社は、綱島駅周辺エリアにおいて、商業施設・公益施設・住宅が一体となった複合再開発プロジェクトを推進しております。東急新横浜線 新綱島駅と地下で直結する地上29階・地下1階建、総戸数252戸の分譲マンション「ドレッセタワー新綱島」は、2021年11月の販売開始以降好調に推移し、全住戸完売となりました。海外においては、2012年より新都市開発を進めてきたベトナム・ビンズン省において、557戸の分譲マンション「SORA gardensⅡ」が全戸完売いたしました。また、同地において、フードロスに配慮したレストランや太陽光発電施設を備えるなど環境に配慮した商業施設「Hikari」をリニューアルオープンいたしました。また、2023年4月に「東急歌舞伎町タワー」が開業いたしました。「好きを極める」というコンセプトのもと、趣向を凝らしたイベントを実施し、多くのお客さまにご来場いただいております。配信や仮想空間等による新たな世界観の共有、ホテルを含む多様なエンターテインメント施設が融合した商品提供、外部コンテンツとのコラボレーション施策等を通して、ライフスタイルが変容する中でも新たな体験価値を提供してまいります。このほか、2027年度の竣工を目指し、2023年1月末に営業を終了した東急百貨店本店の跡地再開発計画「Shibuya Upper West Project」を始動しました。ルイ・ヴィトンを提供するLVMHグループの不動産開発投資会社「L Catterton Real Estate」と共同し、リテール、ホテル、レジデンス等を有し、文化施設が融合した渋谷の新しいランドマークを目指します。
(生活サービス事業)当社は、生活サービス事業を街の生活基盤として沿線価値の向上に寄与するものと位置づけるとともに、収益力の向上に取り組んでまいりました。同事業は、魅力ある施設づくりに加えて、お客さまの期待を上回る商品やサービスの提供に努めるとともに、交通事業、不動産事業をはじめとする各事業との相乗効果を発揮するため、グループ間連携をさらに促進しております。リテール事業においては、マーケットの変化に対応するため構造改革を推進するとともに、お客さまのニーズの多様化などに対応した新業態開発を進めております。2023年1月、55年に渡りご愛顧いただいた東急百貨店本店の営業を終了いたしました。同店跡地の再開発に伴い、同年4月に複合文化施設Bunkamuraはオーチャードホールを除き休館いたしましたが、渋谷および東急線沿線の周辺施設やグループ各施設を中心にシネマやギャラリー事業などを継続してまいります。ICT・メディア事業においては、「美しい時代へ」というスローガンのもと、「楽しさ」「豊かさ」「美しさ」を感じて頂けるまちづくりを目指し、文化関連事業の強化、拡大を推進しております。2023年1月、文化とエンターテインメントを活かしたまちづくりを一層推進するため、㈱東急レクリエーションを完全子会社化いたしました。生活サービス事業では、㈱東急百貨店や㈱東急レクリエーションをはじめ、前年度に一部の店舗を臨時休業・時短営業した反動などにより、営業収益は5,172億2千5百万円(同2.9%増)、営業利益は110億7千8百万円(同67.8%増)となりました。(ホテル・リゾート事業)ホテル・リゾート事業では、ホテル業の㈱東急ホテルズにおいて、上半期はコロナの影響が残ったものの、国内の行動制限の緩和や全国旅行支援等の効果、2022年10月以降の海外からの入国者制限の順次緩和等により、利用者数の回復があり、稼働率は70.6%(同+26.5ポイント)となりました。この結果、営業収益は708億円(同62.7%増)、営業損失は41億1千9百万円(前年同期は167億3千6百万円の営業損失)となりました。2023年4月、ホテル事業において、経営・運営機能の分化による再成長と収益性向上を企図した事業子会社の再編を行いました。ホテル経営機能は当社と㈱東急ホテルズが、運営は新会社「東急ホテルズ&リゾーツ㈱」が担う体制といたしました。あわせて、ブランドポートフォリオも拡充し、従来の東急ブランドのホテルの他に、より個性の際立ったホテル群「DISTINCTIVE SELECTION」の新設や、会員制滞在型リゾート「東急バケーションズ」も同社に加えるなど、価値観の多様化するお客さまや、ホテル経営・投資を検討するクライアントのニーズにお応えし、新たな事業成長を実現します。また、2023年5月、東急歌舞伎町タワー内に「BELLUSTAR TOKYO」、「HOTEL GROOVE SHINJUKU」の2ホテルが新たに開業いたしました。
(2)キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は685億1千6百万円となり、前連結会計年度に比べて168億8千万円増加いたしました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益413億8千5百万円に減価償却費829億7千3百万円、法人税等の支払額188億5千8百万円などを調整し、954億4百万円の収入となりました。前連結会計年度に比べ、税金等調整前当期純利益の増益等により、98億2千6百万円の収入増となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出1,523億4千5百万円等があり、1,544億3千1百万円の支出となりました。前連結会計年度に比べ、固定資産の取得による支出が増加したこと等により、756億2千万円の支出増となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金や社債の発行による資金調達等により、746億8百万円の収入となりました。
(3)財政状態当連結会計年度末の総資産は、当社や連結子会社である東急電鉄㈱における有形固定資産の取得等により、2兆6,140億1千2百万円(前期末比1,348億2千9百万円増)となりました。負債は、有利子負債(※)が、1兆2,875億1千9百万円(同917億6千2百万円増)となったこと等により、1兆8,346億3千9百万円(同1,083億9千9百万円増)となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、7,793億7千2百万円(同264億3千万円増)となりました。
※ 有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計
(生産、受注及び販売の状況)当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (1)業績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容2022年度は、9月に創立100周年を迎えるなど当社にとって記念すべき1年であり、事業環境変化への対応と構造改革の推進による収益の復元を掲げた、中期3か年経営計画の2年目でありました。この1年を振り返ると、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格の高騰などの影響を受けながらも、社会経済活動の正常化により、企業収益には持ち直しの動きが見られました。当社においても、交通事業やホテル・リゾート事業を中心に、利用者数の回復が見られたことなどにより、期首に掲げた利益目標を達成することができました。施策面では、各事業で掲げた重点戦略や構造改革が確実に進捗しております。交通事業では、東急電鉄㈱において、2023年3月18日に運賃改定を実施しております。また同日には、東横線・目黒線と相鉄線を結ぶ東急新横浜線の開業に加え、技術革新による効率化の取り組みとして、東横線のワンマン運転も開始しております。不動産事業では、新宿区歌舞伎町における「東急歌舞伎町タワー」が2023年1月に竣工を迎えるなど、2023年4月の開業に向けて順調に進捗したほか、東急百貨店本店跡地で行う、「Shibuya Upper West Project」についても、2027年度の開業に向けて着実に準備が進んでおります。また、生活サービス事業、ホテル・リゾート事業についても㈱東急百貨店、㈱東急ホテルズの構造改革をはじめ各グループ会社の重点施策を確実に進捗させており、特に㈱東急ホテルズについては、固定費の削減や、店舗見直しなどの「収支構造改革」に加えて、市場変動リスクへの対応と、再成長を目指し、経営機能と運営機能の整理をした「事業機能再編」の取り組みにより、収益性を改善させております。2022年度の業績は、営業収益は、新型コロナウイルス感染症の収束に伴う、行動制限や海外からの入国規制の緩和により、交通事業、ホテル・リゾート事業において好調に推移したものの、不動産事業の不動産販売業における一部売却物件の引き渡し時期の遅れなどにより、連結全体では期首に掲げた目標(以下、期首に掲げた目標値との比較とする)から58億円減収の9,312億円となりました。営業利益は、各事業における需要回復や構造改革による費用削減などが寄与し、46億円増益の、446億円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、持分法投資利益の増加などにより、39億円増益の259億円となりました。中期3か年経営計画最終年度となる2023年度は、事業の収益回復に継続して努めるとともに、本年開業を迎えた「東急新横浜線」、「東急歌舞伎町タワー」をはじめとする新たな成長に向けた取り組みを着実に進めてまいります。数値目標としては、営業収益は、東急電鉄㈱の運賃改定効果や不動産販売業におけるマンションの販売増など、前年度から全事業で増収となり10,306億円、営業利益は前年度から253億円増益の700億円を見込みます。また、営業利益の増益に伴い、親会社株主に帰属する当期純利益については140億円増益の400億円、東急EBITDA、有利子負債/東急EBITDA倍率についても、回復を見込んでおり、現中期3か年経営計画において目標として掲げていた「収益の復元」および、「有利子負債/東急EBITDA倍率7倍台」については達成の見通しが立っております。
(2)資本の財源及び資金の流動性2021年度を始期とする中期3か年経営計画では、最終年度である2023年度末時点での有利子負債/東急EBITDA倍率7倍台への回復を財務健全性の目標として掲げております。長期視点での財務戦略においては、健全性の確保を重視しております。当社の事業は、長期間にわたるプロジェクトを推進することに加え、大規模な施設を保有・運営・管理することに依拠するため、有利子負債の適切な管理が重要となります。中期3か年経営計画における有利子負債の金額は1兆2,000億円程度を目線とし、設備投資などの投資計画は、業績の動向に応じて一定の選別を行うものの、安全・維持更新投資、進行中の大規模プロジェクトや各事業の構造改革に関連する投資は着実に実施することとしております。2022年度は、進行中の大規模プロジェクトの一つである東急歌舞伎町タワーの竣工などに伴い、前年度末から402億円増加の1,576億円の設備投資を実施しました。この結果、2022年度末の有利子負債は1兆2,875億円となり、前年度末からは917億円の増加となったものの、東急EBITDAについて営業利益が想定を上回るなど、目標数値を超えて復元が進んだことにより、有利子負債/東急EBITDA倍率については、前年度末の9.3倍から8.9倍に改善しております。2023年度は、設備投資について前年度から減少し1,370億円を予定しております。有利子負債水準は1兆2,908億円を想定するなど前年度から金額規模に変動はございませんが、営業利益の向上に伴う東急EBITDA増加などにより、有利子負債/東急EBITDA倍率については7.2倍と中期3か年経営計画の目標の7倍台を確保できる見通しとなっております。
当社における資金調達については、米国をはじめとする諸外国の量的緩和の縮小、金利上昇など、今後の金融市場の動向に留意が必要な局面の中で、中長期的な安定調達手段の確保とともに、固定比率上昇と調達年限長期化の推進による調達金利の上昇抑制、市場性調達の活用による調達コストの極小化に引き続き努めてまいります。また、運転資金の調達については、短期社債(コマーシャル・ペーパー)及びキャッシュマネジメントシステムでの調達枠を設定しており、積極的に活用することで調達コストの削減を図るとともに、危機対応型のコミットメントラインを設定し、不測の事態へも対応可能な状況にあります。また、当社はグループスローガン「美しい時代へ」のもと「未来に向けた美しい生活環境の創造」および「事業を通じた継続的な社会課題の解決」を進めており、資金調達においても「サステナブル経営」に紐づいた調達を行っております。当社グループのサステナブル経営を推進する資金調達手段として、「サステナブルファイナンス・フレームワーク」を策定し、本枠組みに基づき、鉄道業界初の「サステナビリティ・リンク・ボンド」を発行したほか、金融機関からサステナビリティ・リンク・ローンによる資金調達を実施いたしました。2022年3月公表の「環境ビジョン2030」で掲げた、2050年CO2排出量実質ゼロに向けたCO2排出量削減目標をKPI(キー・パフォーマンス・インディケーター)及びSPI(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット)として設定しております。また、東急線沿線のお客さまを含めた個人投資家の方々へ当社の社会課題、環境問題双方への取り組みを訴求していくことを目的に、前年度から引き続き「個人向けサステナビリティボンド」を発行しております。調達した資金はサステナビリティ・ビルディング(歌舞伎町一丁目地区開発計画“東急歌舞伎町タワー”)、クリーンな輸送(新型車両の導入など)、安全・安心のための鉄道関連インフラ、気候変動対応(鉄道事業に関する自然災害対策)、サテライトシェアオフィス(NewWorkなど)、nexus(ネクサス)構想に要した支出のリファイナンスに充当しております。サステナブルな幅広い資金調達により、「次の100年」に向けたサステナブル経営を推進し、社会とともに持続的に成長することを目指してまいります。
株主還元については、安定配当を継続するとともに、中長期的には配当性向30%以上を目安とし、総還元性向も意識して取り組んでまいります。2023年度については、この考え方に基づき年間15円の配当を予定しており、総還元性向や資本効率の向上を意識した自己株式の取得についても約300億円、16,524,300株の取得を2023年6月に実施しております。
※1 有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計※2 設備投資・投融資の金額については、投資計画の進捗説明を主眼とし一部組替を行っており、「キャッシュ・フロー計算書」とは数値が異なります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社は、創業以来、事業を通じて社会課題の解決に取り組み、時代の変化に適合しながら、国や都市・地域の発展とともに着実に成長してまいりました。今後も、社会環境の変化に対応しながらサステナブル経営を行うべく、2021年度を始期とする中期3か年経営計画を推進しております。当社および連結子会社では、交通、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートの各セグメントにおいて多様な事業展開を行っており、多額の固定資産を保有するとともに、設備投資・投融資等、継続的な投資を実施しております。したがって、当社および連結子会社においては、固定資産を中心とした資産ポートフォリオの管理、とりわけ減損損失の判定が、重要な会計上の見積りに該当いたします。減損損失の判定にあたっては、事業や物件ごとに資産のグルーピングを行い、収益性や市場性、用途変更や除売却等の意思決定の有無等により兆候判定を行っております。また減損損失の認識・測定においては、将来キャッシュ・フローを直近の実績や事業計画等の意思決定に基づいて合理的に見積りを行うほか、不動産等の時価のある資産については必要に応じ鑑定等の外部評価に基づく適正な価額を用い、投資額や帳簿価額の回収可否について判定を行っております。加えて、当社グループでは、当社および交通セグメントに属する連結子会社において、多額の繰延税金資産が計上されております。繰延税金資産の回収可能性の判断については、テレワークを始めとした働き方の変化による鉄道輸送人員の大幅な減少や新型コロナウイルス感染症の収束時期等の高い不確実性により、主として交通事業における繰延税金資産の回収可能性の判断に係る重要性が高まったことから、重要な会計上の見積りに該当いたします。繰延税金資産の回収可能性は、将来の収益力に基づく課税所得及びタックス・プランニングに基づき判断をしております。課税所得の見積りは翌連結会計年度の予算および中期経営計画を基礎としております。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
