【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
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業績の状況当社グループを取り巻く日本経済は、新型コロナウイルス感染症の流行と収束を繰り返す中で依然として見通しが不透明なことに加え、ウクライナ情勢の長期化や世界的なインフレ進行の影響を受け、不安定な状況が継続しております。一方、引き続き社会全体のデジタル化が加速するで、インターネットの利用率やトラフィック量、SNSの利用率は高まり、ソーシャルメディアは社会基盤として定着し、マーケティングや採用活動などの企業活動においても重要な役割を担っています。そのため、社会のデジタル化に伴い、新たに発生する多様なリスクへのソリューションを提供する、当社グループのサービスへのニーズはより一層高まっているものと認識しております。株式会社MM総研が実施したデジタルリスク市場に関する調査(※1)によると、デジタルリスクの脅威を理解し、何らかの対策を取る企業は未だ少数派であり、対策を講じていない企業は8割にのぼり、新規開拓余地の大きな市場と考えています。また当社グループの事業セグメントの一つであるAIセキュリティ事業がデジタル化を進める警備業界は、日本国内の警備員構成比の64%を50歳以上が占める(※2)など、高齢化等の問題に直面しています。さらにDX推進事業の対象領域では、デジタルデバイド(情報格差)の解消が喫緊の課題となっており、ICT等を活用した地域のデジタル化推進が求められております。このような環境下、当社グループは「健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会を守り、デジタル社会にとってなくてはならない存在になること」というビジョンを掲げ、デジタル化に伴うさまざまな社会課題の解決に取り組んできました。今後は、2021年に策定した中期経営計画「The Road To 2024」において再定義した3つの事業セグメントを基盤に企業提携等の手法を活用しながら、一層の事業体制の拡充と新領域への挑戦に取り組んでまいります。
※1:ICT市場調査コンサルティングのMM総研公開資料「デジタルリスクサービスに関する利用動向調査(2022年6月時点)」※2:警察庁公開資料「令和3年における警備業の概況」
当第3四半期連結累計期間において、デジタルリスク事業は、ソーシャルリスクに関わるWebリスクモニタリングサービスに加えて、営業秘密持ち出しを早期検知する内部脅威検知サービス等、多様化するリスク要因と様々な業界の顧客需要に合わせたサービス提供に注力しました。AIセキュリティ事業は、「警備業界を変革するための“デジタル”プロダクト創出」と「セキュリティDXを推進するため“フィジカル”な警備サービスの成長」を目標とし、フィジカルな警備サービスの運営効率向上と営業体制強化に取り組みと、警備サービスの運営で培った経験をもとに警備事業のDX化プロダクトの開発・普及に注力しました。またDX推進事業では、デジタル田園都市国家構想を追い風に行政の住民サービスのデジタル化を支援するプロダクトの開発・普及に注力しました。
さらに、2022年9月1日付けで株式会社メタウンを連結子会社化し、不動産領域での事業展開の足がかりを得ました。今後当社グループは、2022年5月に発表した「メタシティ構想」の実現を目指し、3つの事業それぞれの拡張に取り組み、各事業が相互にシナジーを生み出せる形へと昇華することを目指します。一方グループ全体としては、M&A諸費用(72,250千円)計上による一時的な影響を受けているものの、既存事業の伸長、グループ参画企業のPMI推進により、第3四半期連結累計期間において過去最高の売上高となっています。また、営業利益に関しても前年同期を132,462千円上回る大幅な増加となっています。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は3,230,017千円(前年同四半期比70.0%増)となり、EBITDAは226,311千円(前年同四半期比34.2%増)、営業利益は94,887千円(前年同四半期は営業損失37,574千円)、経常利益は35,698千円(前年同四半期は経常損失17,282千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,167千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益52,771千円)になりました。また、当第3四半期連結累計期間に計上した5社のM&A諸費用など一時費用を除く営業利益は167,137千円、経常利益は107,948千円となりました。
(注)当社グループの業績の有用な比較情報として、EBITDAを開示しております。EBITDAは、税引前当期純損益から非現金支出項目(減価償却費及び償却費)等の影響を除外しております。EBITDAの計算式は以下のとおりです。・EBITDA=税引前四半期純損益+支払利息+減価償却費及び償却費
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当第2四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントの区分方法を変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
①デジタルリスク事業
デジタルリスク事業は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上のソーシャルメディアに起因するリスク対策を支援するソーシャルリスク対策と営業秘密情報の持ち出しなどの社内に潜むリスクを検知するインターナルリスク対策から構成されております。 「ソーシャルリスク対策」については、リスク検知時の初動対応コンサルティングを含むWebリスクモニタリングを主力サービスとして提供しています。デジタル上の情報量の増加や影響力の高まりによって、IPO検討企業や既存コンテンツへのリスク対策など、多種多様な課題解決を目的に活用が進んでいます。また、社内規程作成支援や従業員向け研修の提供など、幅広い形で企業のSNSリスク対策サービスを支援致しました。 「インターナルリスク対策」については、昨今話題となっている営業秘密等の機密情報持ち出し対策や、経済安全保障の観点による情報管理強化支援を目的に製造業・金融業を中心に新規導入が進みました。さらに国内大手企業から中小企業まで幅広い企業へのアプローチを目的に、パートナーシップ制度の運営に取り組んでまいります。今後、より多様かつ高精度なリスク分析の実現に向けて、自然言語処理機能の実装の動きも加速してまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるデジタルリスク事業の売上高は1,704,675千円(前年同四半期比25.1%増)、セグメント利益は624,524千円(前年同四半期比38.2%増)となりました。 また、M&A諸費用などの一時費用を除くセグメント利益は653,224千円となりました。
②AIセキュリティ事業AIセキュリティ事業は、フィジカルな警備事業を運営しつつ、その課題解決のためにAIやIoTを組み合わせた警備業界のDXを推進しております。株式会社AIKの主要サービスである「AIK order」については、登録者数拡大が続いており、11月には登録企業警備員数が20,000人を突破しました。また、建設業や小売店を依頼者としたマッチングによる案件成約事例も増加しており、既存サービスの改善活動やカスタマーサクセス活動の成果に繋がっております。また、PMI推進本部を中心に、警備事業を提供する株式会社And Security、ISA株式会社、SSS 株式会社の営業体制強化に取り組んでおり、高利益率案件の受注という成果にも繋がっています。その結果、売上高、営業利益の大幅増加を達成し、当第3四半期会計期間において、セグメント別営業利益の黒字化を達成しました。引き続き警備サービスの営業体制強化に取り組むとともに、警備DXサービスの早期黒字化を目指した事業運営に注力いたします。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間のAIセキュリティ事業の売上高は985,448千円(前年同四半期比85.1%増)、セグメント損失は21,034千円(前年同四半期は31,051千円のセグメント損失)となりました。また、M&A諸費用などの一時費用を除くセグメント損失は11,934千円となりました。
③DX推進事業DX推進事業は、行政の住民サービスのデジタル化支援、エンジニアなどのDX人材の派遣サービスを展開しています。行政の住民サービスのデジタル化支援では、住民総合ポータルアプリや健康増進アプリなどの提供に注力しました。9月には岩手県紫波町のホームページリニューアル業者に選定され、11月には奈良県田原本町と包括連携協定を締結するなど、着実に事業を前進させております。株式会社GloLingは、事業体制と戦略を明確化し、上期に引き続き営業活動の強化に取り組み、売上高の拡大につながっています。さらに、株式会社メタウンのPMIを推進しつつ、当社グループが掲げる「メタシティ構想」への動きも着実に推し進めております。 一方で、 株式会社メタウンのM&Aなどの諸費用の影響により、セグメント別営業利益の赤字は拡大しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるDX推進事業の売上高は577,590千円(前年同四半期比7978.2%増)、セグメント損失は100,803千円(前年同四半期は57,085千円のセグメント損失)となりました。 また、M&A諸費用などの一時費用を除くセグメント損失は66,353千円となりました。
(2) 財政状態の分析(資産)当第3四半期連結会計期間末における総資産は5,946,945千円となり、前連結会計年度末に比べ、3,476,487千円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金の増加573,165千円、受取手形及び売掛金の増加112,057千円、のれんの増加2,427,617円であります。(負債)当第3四半期連結会計期間末における負債は3,665,497千円となり、前連結会計年度末に比べ、2,595,149千円増加いたしました。主な要因は、短期借入金の増加520,243千円、未払金の増加41,302千円、長期借入金の増加1,665,125千円であります。(純資産)当第3四半期連結会計期間末における純資産は2,281,448千円となり、前連結会計年度末に比べ881,337千円増加いたしました。主な要因は、資本金の増加402,600千円、資本剰余金の増加477,529千円であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、12,765千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 従業員数 ① 連結会社の状況 デジタルリスク事業では、当第3四半期連結累計期間において、当社がアクター株式会社を連結子会社としたため、4名増加しております。 AIセキュリティ事業では、当第3四半期連結累計期間において、株式会社AIKが、ISA株式会社及びSSS株式会社を連結子会社としたため、166名増加しております。 DX推進事業では、当第3四半期連結累計期間において、当社が株式会社GloLing及び当社連結子会社である株式会社JAPANDXが株式会社メタウンを連結子会社としたため、31名増加しております。
② 提出会社の状況 当第3四半期連結累計期間において、当社の従業員数の著しい増減はありません。
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