【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社グループが属するクラウドサービス市場においては、クラウドサービスを利用している企業の割合は引き続き上昇傾向にあります。総務省の令和3年「通信利用動向調査」によると、2021年度末におけるクラウドサービス利用企業の割合は70.4%(前年 68.7%)に拡大しています。また、同調査によると、資本金規模別のクラウドサービス利用状況においても、大企業を中心に引き続きその利用率は拡大傾向にあります。このように成長を続けるクラウドサービス市場の中で、当社が属するマーケティングオートメーション(SaaS)分野も例外ではなく、今後も10.1%(2021~2026年度の年平均成長率)の市場成長率が見込まれています(出展:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2022年版」)。
一方で、当社のマーケティング活動やイベントクラウド事業は、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴うまん延防止等重点措置の実施による各種経済活動の自粛の影響を受けていますが、ウェビナーを活用した自社マーケティング活動の実施やイベントクラウド事業におけるオンラインカンファレンス、バーチャルイベントへの取り組みによりこの状況に対処しています。
このような状況の中、当第1四半期連結累計期間における売上高については、サブスクリプション事業を中心に概ね順調に推移しました。また、費用面については、中期的な成長加速を実現するために積極的に採用を行ってきたことにより前年同期比では増加しておりますが、今期後半の成長を実現する役割を果たす見込です。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループの売上高は628,311千円(前年同期比17.8%増)、営業損失は150,381千円(前年同期は営業損失77,744千円)、経常損失は151,545千円(前年同期は経常損失75,826千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は151,892千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失76,213千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、前第2四半期連結累計期間より、報告セグメントを従来の単一セグメントから「サブスクリプション事業」「イベントクラウド事業」「メタバース事業」の3区分に変更しておりましたが、2022年6月30日付で後藤ブランド株式会社の全株式を取得したことに伴い、「その他」としておりました広告事業の重要性が増したため、前第3四半期連結累計期間より新たに「広告事業」を加えた4区分に変更しております。前年同期比については、前期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えて算出しております。
旧セグメント
新セグメント
マーケティングプラットフォーム事業
マーケティングオートメーションサービス
MA-サブスクリプション
MA-プロフェッショナル
CMS-サブスクリプション
CMS-プロフェッショナル
サブスクリプション事業
■サブスクリプション(年間契約)
MA、CMSのシステム利用料
MRR(月額契約金額)、従量課金、有償保守サービス、年間契約のBPOサービス
■プロフェッショナル
MA、CMSに関する初期導入サービス、BPOサービス、WEB制作、マーケティングコンサルティング等
EM(イベントマーケティングサービス)
イベントクラウド事業
SMPを用いたイベントのシステム支援(バーチャルイベントに関するシステム構築費を含む)、会期当日支援(機材レンタルを含む)
その他(広告)
広告事業
デジタル広告の運用、コンサルティング
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メタバース事業
株式会社ジクウが提供するメタバースイベントプラットフォームのシステム利用料、従量課金、初期導入サービス、BPOサービス等
①サブスクリプション事業
当セグメントは、「SHANON MARKETING PLATFORM」を中心とする年間利用契約に関する売上(サブスクリプション)とそれに付随する初期導入やコンサルティングサービス等の売上(プロフェッショナル)から構成されています。
当連結会計年度における売上高については、最重点方針として取り組んでいるサブスクリプション売上は、順調に推移しました。また、プロフェッショナル売上についても、比較的規模の大きい案件も多く、順調に推移しました。
この結果、当第1四半期連結累計期間におけるサブスクリプション売上は338,744千円(前年同期比12.4%増)、プロフェッショナル売上は80,097千円(前年同期比31.4%増)、サブスクリプション事業全体の売上高は418,841千円(前年同期比15.6%増)、営業損失は42,502千円(前年同期は営業損失24,798千円)となりました。また、当第1四半期連結会計期間末における契約アカウント数は、513アカウント(前期末比1.2%増)となりました。
②イベントクラウド事業
イベントクラウド事業は、昨年後半から徐々にリアルイベント開催への回帰の傾向が見受けられるようになってきており、当社のイベントクラウド事業を取り巻く状況にも改善の兆しが見えてきております。現状では前年同期に比べて大型の案件が少ない状況ではありますが、案件数では昨年を上回る状況となっております。
この結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は145,417千円(前年同期比10.9%減)、営業利益は7,475千円(前年同期比86.8%減)となりました。
③メタバース事業
メタバース事業は、プライベートショーや展示会、ウェビナーだけでなく、採用イベントやマッチングイベント、ショールームなどの案件や、現在商談中のものでは社内イベントや周年イベント、IRイベント、学会など活用シーンにも広がりが出てきており、受注済みの案件を含めると既に前期の売上実績を上回る状況となっております。また、多様化する活用シーンをしっかりと受注獲得機会に繋げられるように、積極的な事例公開や追加の機能開発、営業・マーケティング体制の強化にも引き続き取り組んでおります。
この結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は12,657千円、営業損失は16,435千円(前年同期は営業損失18,675千円)となりました。
④広告事業
広告事業は、前第3四半期連結会計期間より新たに連結範囲に含まれることとなった後藤ブランド株式会社の寄与もあり、大幅に売上高は増加しております。また、本格的な売上貢献はこれからという状況ではりますが、前期にリリースした国内初のサードパーティークッキーに依存しないクッキーレス型のダイナミックリターゲティング広告の受注も順調に推移しており、第2四半期連結会計期間以降の売上に貢献する予定です。
この結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は51,395千円(前年同期比551.9%増)、営業損失は6,840千円(前年同期は営業損失5,891千円)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、1,733,172千円(前連結会計年度末1,840,823千円)となり、107,650千円の減少となりました。このうち、流動資産は641,904千円(前連結会計年度末770,986千円)となり、129,081千円の減少となりました。この主な要因は受取手形、売掛金及び契約資産が66,858千円、現金及び預金が66,947千円それぞれ減少したことによるものであります。また、固定資産は1,083,613千円(前連結会計年度末1,064,921千円)となり、18,692千円の増加となりました。この主な要因は『SHANON MARKETING PLATFORM』の機能強化や『ZIKU』の開発等によるソフトウエア及びソフトウエア仮勘定の合計が23,420千円増加したことによるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、1,542,125千円(前連結会計年度末1,555,414千円)となり、13,288千円の減少となりました。このうち、流動負債は1,083,422千円(前連結会計年度末1,036,204千円)となり、47,218千円の増加となりました。この主な要因は、短期借入金が174,332千円、1年内返済予定の長期借入金が9,778千円それぞれ増加した一方で、前受金が85,091千円、支払手形及び買掛金が42,403千円、1年内償還予定の社債が15,000千円それぞれ減少したことによるものであります。また、固定負債は458,703千円(前連結会計年度末519,210千円)となり、60,507千円の減少となりました。この要因は長期借入金が40,507千円、社債が20,000千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、191,046千円(前連結会計年度末285,409千円)となり、94,362千円の減少となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が151,892千円減少したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
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