【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2021年11月1日~2022年10月31日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、経済活動が制限される厳しい状況が続きましたが、ワクチン接種促進等感染拡大防止の下で、段階的にではありますが様々な緩和策が実施されたことで、明るい兆しが見えてきております。一方で、ウクライナ情勢等を受けた原材料価格の上昇や米国のたび重なる金融引き締めからの円安の進行など、供給面での制約等による下振れリスクや個人消費の動向等、依然厳しい状況が続くものと思われます。
このような状況のもと、当社におきましては、第2四半期会計期間までの好調な冬季商戦の業績に加え、第3四半期会計期間以降の各タイヤメーカーの値上げによる値上げ前特需もあり、好調な業績を残すことができました。
この結果、当事業年度の売上高は43,080百万円(前事業年度比4,233百万円、10.9%増)となりました。売上高を商品別に見ますと、タイヤ・ホイールは売上金額37,092百万円(前事業年度比4,445百万円、13.6%増)、売上本数3,198千本(前事業年度比88千本、2.8%増)となりました。用品は売上金額3,080百万円(前事業年度比278百万円、9.9%増)、作業料は売上金額2,907百万円(前事業年度比490百万円、14.4%減)となっております。売上構成比は、タイヤ・ホイール86.1%(前事業年度84.0%)、用品7.2%(前事業年度7.2%)、作業料6.7%(前事業年度8.7%)となりました。また、販路別売上高の状況は、店舗売上高26,541百万円(前事業年度比2,153百万円、8.8%増)、本部売上高16,538百万円(前事業年度比2,079百万円、14.4%増)となっております。 当事業年度の経営成績を総括いたしますと、営業利益5,055百万円(前事業年度比1,255百万円、33.0%増)、経常利益5,379百万円(前事業年度1,165百万円、27.7%増)、当期純利益3,691百万円(前事業年度比827百万円、28.9%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末比1,581百万円減少の809百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は1,308百万円となりました。(前事業年度は4,313百万円の獲得)主な内訳は、税引前当期純利益5,378百万円、減価償却費1,161百万円、売上債権の増加額71百万円、棚卸資産の増加額3,003百万円、未収入金の減少額253百万円、仕入債務の減少額626百万円、未払消費税等の減少額452百万円、法人税等の支払額1,559百万円などによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は1,214百万円となりました。(前事業年度は730百万円の使用)主な内訳は、有形固定資産の取得による支出775百万円、無形固定資産の取得による支出89百万円、建設協力金の支払による支出300百万円などによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は1,675百万円となりました。(前事業年度は3,696百万円の使用)主な内訳は、自己株式の取得による支出1,186百万円、配当金の支払額459百万円などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況当社は、カー用品等販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
a. 売上実績(単位:千円、%)
品種
第49期(自 2020年11月1日至 2021年10月31日)
第50期(自 2021年11月1日至 2022年10月31日)
売上実績
構成比
売上実績
構成比
タイヤ・ホイール
32,647,363
84.0
37,092,647
86.1
用品
2,802,354
7.2
3,080,575
7.2
作業料
3,397,437
8.8
2,907,188
6.7
合計
38,847,155
100.0
43,080,410
100.0
(注) 1 金額は売上価格で表示しております。2 用品の内訳は、シート、ステアリング、エアロ、サスペンション等であります。3 作業料の内訳は、タイヤ廃棄料、送料、バランス料、取付料等であります。
b. 受注の状況該当事項はありません。
c. 販売の状況売上実績を販売経路別に示すと次のとおりであります。(単位:千円、%)
形態
第49期(自 2020年11月1日至 2021年10月31日)
第50期(自 2021年11月1日至 2022年10月31日)
売上実績
構成比
売上実績
構成比
店舗売上
24,388,048
62.8
26,541,686
61.6
本部売上
14,459,106
37.2
16,538,724
38.4
合計
38,847,155
100.0
43,080,410
100.0
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じて一定の会計基準の範囲内で見積り及び判断を行っておりますが、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 財政状態の分析(流動資産)当事業年度末における流動資産は16,388百万円(前事業年度末比1,729百万円、11.8%増)となりました。主な要因は、現金及び預金1,580百万円の減少、売掛金378百万円の増加、商品3,003百万円の増加、前払費用150百万円の増加、未収入金253百万円の減少などによるものであります。(固定資産)当事業年度末における固定資産は15,140百万円(前事業年度末比432百万円、2.9%増)となりました。主な要因は、有形固定資産56百万円の増加、無形固定資産12百万円の減少、投資その他の資産389百万円の増加などによるものであります。(流動負債)当事業年度末における流動負債は7,638百万円(前事業年度末比273百万円、3.5%減)となりました。主な要因は、買掛金626百万円の減少、未払金126百万円の増加、未払法人税等191百万円の増加、未払消費税等452百万円の減少、前受金307百万円の増加、前受収益164百万円の増加などによるものであります。(固定負債)当事業年度末における固定負債は1,362百万円(前事業年度末比336百万円、32.8%増)となりました。主な要因は、リース債務291百万円の増加、退職給付引当金33百万円の増加などによるものであります。(純資産)当事業年度末における純資産合計は22,528百万円(前事業年度末比2,099百万円、10.3%増)となりました。主な要因は、資本剰余金57百万円の減少、利益剰余金2,507百万円の増加などによるものであります。
③ 経営成績の分析(売上高)当事業年度における売上高は、43,080百万円(前事業年度38,847百万円)となり、前事業年度比10.9%増加しました。店舗売上高は、26,541百万円(前事業年度比8.8%増)、本部売上高は、16,538百万円(前事業年度比14.4%増)となりました。全国的な大雪によるスタッドレスタイヤの需要増加、及び長期化する新型コロナウイルス感染症による外出自粛で通信販売が増加したことに加え、緊急事態宣言解除後の需要回復により増収増益を達成いたしました。なお、当事業年度において、1店舗の移転出店により、店舗数は48店舗となっております。(売上総利益)当事業年度における売上総利益は、14,243百万円(前事業年度12,671百万円)となり、前事業年度比12.4%増加しました。売上総利益率は、33.1%(前事業年度32.6%)となりました。(営業利益)当事業年度における営業利益は、5,055百万円(前事業年度3,799百万円)となり、前事業年度比33.0%増加しました。販売費及び一般管理費は、9,188百万円(前事業年度8,871百万円)となりました。その結果、営業利益率は、11.7%(前事業年度9.8%)となりました。(経常利益)当事業年度における経常利益は、5,379百万円(前事業年度4,214百万円)となり、前事業年度比27.7%増加しました。営業外収益は、374百万円、営業外費用は、49百万円となり、経常利益率は、12.5%(前事業年度10.8%)となりました。(当期純利益)当事業年度における税引前当期純利益は、5,378百万円(前事業年度4,188百万円)となりました。税効果会計適用後の法人税等負担額は、1,686百万円(前事業年度1,324百万円)となり、当期純利益は、3,691百万円(前事業年度2,864百万円)となり、前事業年度比28.9%の増加となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析前掲の「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。なお、キャッシュ・フロー指標等のトレンドは以下のとおりであります。
2018年10月期
2019年10月期
2020年10月期
2021年10月期
2022年10月期
自己資本比率(%)
57.8
63.8
62.2
69.4
71.3
時価ベースの自己資本比率(%)
89.2
97.2
73.7
83.6
78.6
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
1.1
3.3
0.7
―
―
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
898.3
318.0
440.0
604.2
239.9
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い(注) 有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
⑤ 戦略的現状と見通し当社では、新規に店舗を出店することで、店舗販売の強化はもちろんのこと、その近隣のカーディーラー等新規取引先の開拓による業者販売の増強、ネット販売等における信用性向上による通信販売の増加と、相乗的に成長してまいりました。これからも店舗展開を軸に、業者販売の積極的展開と、通信販売では常に最新のインターネット技術を導入していくことで、日本国内のアフターマーケットにおける販売シェアを伸ばしていけるものと考えております。店舗出店には、経験を積んだ社員の配置や人員獲得が必要不可欠であります。東京証券取引所プライム市場上場を大きな訴求力として人材獲得を実現するとともに、最新システムやRPAの導入、物流システムのさらなる改善により作業効率を向上させることで、人材不足や働き方改革等の諸問題をクリアし、さらなる業績向上に努めてまいる所存であります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に掲げたとおり、さまざまな事象や状況が存在しておりますが、今後、新たなリスクとなる可能性のある事象をいかに早く取り上げ、対応していくかが重要であると認識しております。我が国の経済状況や当社を取り巻く事業環境等を常に注視し、迅速に対応するための危機管理体制を構築してまいります。
#C7605JP #フジコーポレーション #小売業セクター