【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績の状況当社グループは、近年SDGs(※1)に始まり、世界中で大きくクローズアップされている廃棄ロス問題(※2)に対して正面から向き合い解決すべく「RE-INFRA COMPANY」をIDENTITYとして定義しております。
※1 Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。2015年に国連で採択された2030年までに達成すべき目標※2 日本では年間約22兆円(平成28年度法人企業統計(財務省)などを基に当社試算)の商品が、そして世界では年間100兆円の商品が廃棄されております。
「RE」とは、すでにあるものを捉え直し、より良く組み替え、再構成するという意味を含んでおり、当社グループは「RE」に関する様々な機能を繋げ統合することで、モノとそれに関わるヒトの価値を、再配分・最適配分し、廃棄ロスという深刻な社会問題を解決することに挑んでおり、祖業であるネットオークション・ショッピングの価格比較メディア『aucfan.com(オークファンドットコム)』の運営、BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』、EC一括運営効率化ツール『タテンポガイド』、寄付型ショッピングサイト『Otameshi(オタメシ)』などを運営することにより、廃棄ロス問題の解決へ向けた取り組み・事業拡大を行ってまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は4,643,374千円(前年同四半期比68.4%増)、営業利益は793,610千円(前年同四半期比992.6%増)、経常利益は807,320千円(前年同四半期比826.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は525,349千円(前年同四半期比2,630.5%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(在庫価値ソリューション事業)当セグメントは、データを基にAI技術を活用し在庫の価値を可視化し、企業が保有する在庫価値の可視化・最適化等を推進するソリューションを提供する当社グループの基盤の一つとなるセグメントであります。主なサービスとしては当社が保有する流通相場データを活用した『aucfan.com(オークファンドットコム)』、複数のECショップへの同時出品・在庫連動等の一元管理を可能とするEC販売支援サービス『タテンポガイド』があり、主たる収益源は有料課金収入となります。2021年2月には、専門知識がなくても直感的に操作できるRPAツール『オークファンロボ』の提供を新たに開始いたしました。一方、小売業の経営課題を解決する在庫管理AIソリューション『zaicoban(ざいこばん)』は、ターゲットとする大手企業への導入にリードタイムを要し売上見込が遅延していることを受け、当社グループの強みである中小・SMB向けに活用する戦略に変更いたしました。その結果、売上高907,308千円(前年同期比16.6%減)、営業利益172,867千円(前年同期比21.4%減)となりました。
(商品流通プラットフォーム事業)当セグメントは、企業の在庫・滞留商品等の流通を支援しており、複数のマーケットプレイスの運営や流通を加速させる人材育成スクールの運営等を実施しております。主なサービスとしては、BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』、滞留在庫・返品・型落ち品などの流動化支援を行う『リバリューBtoBモール』及びBtoCの寄付型ショッピングサイト『Otameshi(オタメシ)』、副業・複業として物販ビジネスを行なう事業主を対象とするスクール形式の副業支援サービス『good sellers(グッドセラーズ)』がございます。主たる収益源は、流通手数料収入・商品販売収入及び有料課金収入となります。
『NETSEA』及び『リバリューBtoBモール』を中心として、流通量・利用者の増加が好調に推移しておりますが、さらなる『NETSEA』の流通額最大化を狙い、営業・開発体制の強化及び積極的なプロモーションを実施いたしました。その結果、売上高2,440,637千円(前年同期比42.6%増)、営業利益28,105千円(前年同期比22.7%減)となりました。
(インキュベーション事業)当セグメントは、事業投資及び投資先企業の支援を通じて、当社が中長期にわたり競合優位性を構築・維持していくための知見とネットワークを得ることを目的とした事業セグメントであります。営業投資有価証券の売却及び、投資先企業へのコンサルティング等を実施しており、第1四半期連結会計期間には前期に引き続き大型の営業投資有価証券の一部売却を行うとともに、当第2四半期連結会計期間においては不透明な経済情勢を踏まえ、一部の営業投資有価証券については保守的に評価損を計上しております。これらの結果、売上高1,382,046千円(前年同期比4,502.2%増)、営業利益777,998千円(前年同期は営業損失11,167千円)となりました。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況とそれらの要因は次のとおりです。
① 資産当第2四半期連結会計期間末における総資産は、10,140,721千円(前連結会計年度末は13,131,075千円)となりました。流動資産は、9,016,126千円(前連結会計年度末は11,918,031千円)となりました。主な要因といたしましては、現金及び預金が795,382千円増加、商品が248,009千円増加、その他(流動資産)が19,248千円減少、営業投資有価証券が3,547,137千円減少、受取手形及び売掛金が261,822千円減少した結果であります。固定資産は1,124,594千円(前連結会計年度末は1,213,044千円)となりました。主な要因といたしましては、ソフトウエア仮勘定が27,645千円増加、ソフトウエアが60,942千円減少、繰延税金資産が19,613千円減少、のれんが17,996千円減少した結果であります。
② 負債当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、3,694,802千円(前連結会計年度末は5,041,564千円)となりました。流動負債は、2,509,465千円(前連結会計年度末は2,651,702千円)となりました。主な要因といたしましては、未払金が77,584千円増加、その他(流動負債)が53,226千円増加、買掛金が34,532千円減少、未払法人税等が127,360千円減少、短期借入金が100,002千円減少した結果であります。固定負債は、1,185,337千円(前連結会計年度末は2,389,861千円)となりました。主な要因といたしましては、繰延税金負債が1,043,635千円減少、長期借入金が159,988千円減少した結果であります。
③ 純資産当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、6,445,919千円(前連結会計年度末は8,089,511千円)となりました。主な要因といたしましては、利益剰余金が525,349千円増加、その他有価証券評価差額金が2,126,046千円減少した結果であります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より795,382千円増加し、3,500,377千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前四半期純利益734,385千円、減価償却費125,297千円、減損損失107,619千円、売上債権の減少額269,184千円、営業投資有価証券の減少額452,666千円などの計上に対し、棚卸資産の増加額250,075千円、仕入債務の減少額35,810千円、法人税等の支払額379,891千円などにより、営業活動の結果獲得した資金は1,284,738千円(前年同四半期は275,775千円の使用)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)貸付金の回収による収入6,142千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入5,902千円の計上に対し、無形固定資産の取得による支出167,714千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出20,435千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出19,969千円などにより、投資活動の結果使用した資金は197,292千円(前年同四半期は134,779千円の使用)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)短期借入金の返済による支出100,002千円、長期借入金の返済による支出167,798千円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出43,200千円などにより、財務活動の結果使用した資金は291,294千円(前年同四半期は123,406千円の獲得)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,200千円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C3674JP #オークファン #情報通信業セクター