【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績の状況当社グループは、「あらゆる人が、あらゆる場所で、あらゆるモノを売り買いできる新たな時代を創る」というミッションを掲げ、「グローバルな循環型消費社会の先駆者であり続ける」というビジョンのもとに、在庫に悩む企業の「主治医」として流通を最適化するべく、AIと膨大な蓄積データを用いて在庫価値を可視化・最適化する在庫価値ソリューション事業、滞留商品の流通を支援する商品流通プラットフォーム事業及び、事業投資活動等を行うインキュベーション事業を展開しております。当社グループは、消費者に届けられることなく廃棄される約22兆円の法人在庫(※)に着目し、創業来蓄積した大量の商品実売データを基に、これらの在庫を「適切な価格で」「適切なマーケットに」お届けする支援を行ってまいりました。EC関連企業を子会社化したことにより、相場データのみならず自ら積極的に流通に関与するマーケットプレイス市場への本格展開も果たしてまいりました。このような中、商品在庫廃棄年間22兆円の巨大市場の攻略に向け、当連結会計年度より在庫価値ソリューション事業の本格的展開・加速に向け、一層の事業推進を行ってまいります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は2,757,412千円(前年同四半期比18.0%減)、営業利益は72,633千円(前年同四半期比88.7%減)、経常利益は87,162千円(前年同四半期比86.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は19,239千円(前年同四半期比96.0%減)となりました。
また、在庫に悩む企業の「主治医」として流通の最適化を行なう在庫価値ソリューションの提供及び流通の最適化を目的とした組織運営・経営管理体制の構築に伴いまして、2020年9月期より報告セグメントをこれまでの「メディア事業」「マーケットプレイス事業」「ソリューション事業」「インキュベーション事業」の4セグメントから、「在庫価値ソリューション事業」「商品流通プラットフォーム事業」「インキュベーション事業」の3セグメントへ変更いたしました。そのため、前年同四半期比については、前第2四半期連結累計期間の数値を報告セグメント変更後の数値に組み替えて比較を行っております。
セグメントの業績は次のとおりであります。(在庫価値ソリューション事業)当セグメントは、企業が保有する在庫価値の可視化・最適化等を推進するソリューションを主として提供する当社グループの基盤の一つとなるセグメントであります。当社が保有する流通相場データを活用した「オークファンプロPlus」や、複数のEマーケットプレイスへの同時出品・在庫連動等が可能なASPサービス「タテンポガイドNEXT」等においては引き続き在庫価値の可視化・最適化ソリューションとして拡販を継続した一方で、事業投資を継続的に実施している影響により、売上高1,088,148千円(前年同期比16.0%増)、営業利益220,020千円(前年同期比8.6%減)となりました。
(商品流通プラットフォーム事業)当セグメントは、企業の在庫・滞留商品等の流通を支援しており、複数のマーケットプレイスの運営や流通を加速させる人材育成スクールの運営等を実施しております。
法人向け商品流動化支援事業「リバリュー」、国内最大級のBtoB仕入れサイト「NETSEA」、社会貢献型サンプリングサービス「Otameshi」及びオークション教育・個別サポートサービス「オークファンスクール」それぞれにおいて積極的な投資・成長に向けた施策の実行を継続しており、2020年1月30日には新サービス「horidashi powered by netprice」をリリースいたしました。BtoC向けECサイト「ネットプライス」においては事業内容の見直しを実施することにより一時的なコスト増加となりました。これらの結果、売上高1,711,468千円(前年同期比9.0%減)、営業利益36,374千円(前年同期比62.4%減)となりました。
(インキュベーション)当セグメントは、事業投資活動を通じて、当社が中長期に亘り競合優位性を構築・維持していくための知見とネットワークを得ることを目的とした事業セグメントであります。営業投資有価証券の売却及び、投資先企業へのコンサルティング等を実施いたしましたが、前年同期には大型の営業投資有価証券の売却があったものの、当期では前期ほどの売却には至りませんでした。これらの結果、売上高30,030千円(前年同期比94.6%減)、営業損失11,167千円(前年同期は営業利益485,653千円)となりました。
※ 出所:平成28年度法人企業統計(財務省)などを基に当社試算
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況とそれらの要因は次のとおりです。
① 資産当第2四半期連結会計期間末における総資産は、8,501,693千円(前連結会計年度末は5,496,096千円)となりました。流動資産は、7,166,505千円(前連結会計年度末は4,023,070千円)となりました。主な要因といたしましては、営業投資有価証券が3,523,032千円増加、商品が169,450千円増加、現金及び預金が287,066千円減少、受取手形及び売掛金が8,086千円減少、未収入金が52,737千円減少した結果であります。固定資産は1,334,877千円(前連結会計年度末は1,472,093千円)となりました。主な要因といたしましては、ソフトウエア仮勘定が51,554千円増加、繰延税金資産が109,568千円減少、のれんが57,567千円減少、長期貸付金が5,102千円減少した結果であります。繰延資産は310千円(前連結会計年度末は931千円)となりました。要因といたしましては、社債発行費が620千円減少した結果であります。
② 負債当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、3,025,050千円(前連結会計年度末は2,294,615千円)となりました。流動負債は、1,628,288千円(前連結会計年度末は1,717,945千円)となりました。主な要因といたしましては、短期借入金が400,000千円増加、1年内返済予定の長期借入金が108,668千円減少、未払法人税等が96,327千円減少、買掛金が175,461千円減少、未払金が73,539千円減少した結果であります。固定負債は、1,396,762千円(前連結会計年度末は576,670千円)となりました。主な要因といたしましては、繰延税金負債が940,556千円増加、長期借入金が122,860千円減少した結果であります。
③ 純資産当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、5,476,642千円(前連結会計年度末は3,201,480千円)となりました。主な要因といたしましては、その他有価証券評価差額金が2,254,161千円増加、利益剰余金が19,239千円増加した結果であります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より287,066千円減少し、1,067,430千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前四半期純利益72,463千円、減価償却費115,528千円、のれん償却額57,567千円、売上債権の減少額8,086千円などの計上に対し、営業投資有価証券の増加額232,781千円、棚卸資産の増加額170,990千円、仕入債務の減少額185,216千円、法人税等の支払額90,365千円などにより、営業活動の結果使用した資金は275,775千円(前年同四半期は438,571千円の獲得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)差入保証金の回収による収入13,893千円、貸付金の回収による収入5,102千円の計上に対し、無形固定資産の取得による支出144,744千円、有形固定資産の取得による支出5,873千円などにより、投資活動の結果使用した資金は134,779千円(前年同四半期は155,113千円の使用)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)短期借入れによる収入1,200,000千円などの計上に対し、短期借入金の返済による支出800,000千円、長期借入金の返済による支出231,528千円、社債の償還による支出62,500千円などにより、財務活動の結果獲得した資金は123,406千円(前年同四半期は97,428千円の使用)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,200千円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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