【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、2023年10月期第2四半期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2022年10月期第3四半期及び2022年10月期に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が第5類に分類され、経済社会活動の正常化が進み、企業収益は総じて緩やかに改善の動きがみられました。一方で、ウクライナ情勢の長期化に伴う世界的な資源・エネルギー価格の高騰、世界的な金融引き締めに伴う円安の進行に起因する国内の物価上昇など、先行き不透明な状況は継続しております。
当社グループの属する不動産市場におきましては、主に実需物件の価格高騰により首都圏中古マンション成約件数は前年比で減少傾向が続いておりますが(公益財団法人 東日本不動産流通機構 統計情報)、当社グループの主力とする中古コンパクトマンション投資の市場は拡大傾向にあると想定しております。
新型コロナウイルス感染症の影響については、中華圏の投資家向け不動産プラットフォーム事業において、国境を越えた取引の困難化に伴う販売活動の停滞が継続しておりますが、2023年度以降徐々に回復見込みであること、それ以外の事業に関しては早期に対応を行ってきたことにより現状ではほぼ影響はなく、当社グループの業績への影響は限定的であると考えております。
このような環境の中、当社グループは、RENOSYマーケットプレイス事業※1及びITANDI事業にリソースを集中させ、マーケットシェア拡大による将来の利益最大化のため、成長投資を行うとともに、販管費のコストコントロール等、収益構造改革も実施してまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益98,971百万円(前年同期比27.4%増)、EBITDA※2 5,519百万円(前年同期比32.2%増)、事業利益1,604百万円(前年同期比127.9%増)、営業利益1,644百万円(前年同期比136.5%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益620百万円(前年同期比287.0%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
①RENOSYマーケットプレイス事業
マーケットリーダーとして引き続き規律を持って投資を行い、デジタルマーケティングを活用した効率的な集客を図るとともに、売却DXの推進、商品ラインアップの拡充による手数料改善施策により粗利額の最大化を図ってまいりました。また、サブスクリプションにおいて管理戸数増加によるスケールメリットを活かすとともに、複数プラン提供やDX活用による業務効率化を進めてまいりました。これらにより主なKPIは売上収益成長率約27%、売上総利益成長率約38%、RENOSY会員数※3 37.6万人(前年同期比約22%増)、購入DX成約件数※4 3,811件(前年同期比約24%増)、売却DX成約件数※5 1,434件(前年同期比約49%増)、サブスクリプション16,962戸(前年同期比約34%増)となり、好調に進捗しております。その結果、RENOSYマーケットプレイス事業の業績は、売上収益96,358百万円(前年同期比27.1%増)、セグメント利益4,489百万円(前年同期比39.5%増)となっております。
②ITANDI事業
改正宅建業法施行による市場ニーズの高まりの中、SaaS事業に対する費用対効果の高い投資を行ってまいりました。継続的な引き合いの強さや、バーティカルSaaSのネットワーク効果により、ARR※624.5億円(前年同期比約42%増)、顧客数2,474社(前年同期比約48%増)、チャーンレート※7 0.50%(前年同期0.48%)、ユニットエコノミクス※8 24.1倍(前年同期30.6倍)の達成など、黒字を確保しながら、高い成長率を実現しました。その結果、ITANDI事業の業績は、売上収益2,399百万円(前年同期比67.8%増)、セグメント利益639百万円(前年同期比159.5%増)となっております。
※1 RENOSYマーケットプレイス事業は、主に投資不動産の買取再販事業、不動産の売買・賃貸仲介・管理事業
※2 EBITDA=事業利益+減価償却費(営業費用)
※3 RENOSY会員数は2023年7月末時点での会員ストック数(会員登録した累計の人数)
※4 購入DX成約件数はRENOSYマーケットプレイス内の投資、実需の購入成約件数の当第3四半期3ヶ月累計
※5 売却DX成約件数はRENOSYマーケットプレイス内の売却成約件数の当第3四半期3ヶ月累計
※6 Annual Recurring Revenue。2023年7月末時点でのITANDI BB+の月額利用料金、従量課金、ライフラインサービスの収益に12を乗じて算出
※7 ITANDI BB+の月次チャーンレートについて、2023年7月末時点での直近12ヶ月の平均値
※8 1顧客当たり経済性。LTVをCACで除して算定した倍率、2023年7月末時点での直近12ヶ月の平均値
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ4,249百万円増加し27,112百万円となりました。これは主に棚卸資産が3,401百万円増加し11,457百万円となったこと及び、その他の金融資産が752百万円増加し1,734百万円となったことによるものであります。また、非流動資産は前連結会計年度末に比べ1,533百万円減少し30,775百万円となりました。これは主に投資不動産が2,445百万円減少し12,161百万円となったこと及び、のれんが487百万円増加し7,952百万円となったことによるものであります。
この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ2,715百万円増加し57,888百万円となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,109百万円増加し19,360百万円となりました。これは主に社債及び借入金が1,001百万円増加し6,920百万円となったこと及び、その他の金融負債が1,279百万円増加し3,173百万円となったことによるものであります。また、非流動負債は前連結会計年度末に比べ1,248百万円減少し18,365百万円となりました。これは主に社債及び借入金が1,993百万円増加し4,930百万円になったこと及び、リース負債が3,202百万円減少し11,878百万円となったことによるものであります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ1,860百万円増加し37,725百万円となりました。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ855百万円増加し20,162百万円となりました。これは主に利益剰余金が631百万円増加し599百万円となったことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ475百万円減少し11,366百万円となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と主な増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、2,105百万円(前年同期は1,418百万円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費及び償却費3,915百万円、棚卸資産の増加額3,401百万円、税引前四半期利益1,200百万円、金融費用456百万円及び法人所得税の支払額403百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1,555百万円(前年同期は1,826百万円の使用)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出978百万円及び企業結合による支出449百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、1,074百万円(前年同期は1,982百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入3,697百万円、リース負債の返済による支出3,670百万円及び長期借入金の返済による支出955百万円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、130百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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