【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の「5類感染症」への移行に伴い、経済活動の正常化による個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられるものの、原材料・エネルギー価格の高騰や人件費等の上昇による物価上昇、ウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引き締めによる世界経済の下振れがわが国経済の景気を下押しするリスクなど、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する住宅・不動産業界におきましては、新設住宅着工戸数の持家及び分譲住宅の一戸建て住宅は前年同月割れが続き、木材価格は下落している一方で、建材・住設機器の価格上昇等による住宅価格の上昇から、取得マインドの低下など厳しい事業環境が続いております。また、住宅ローン変動金利は低水準を維持しているものの、今後の動向については注視していく必要があります。一方で、脱炭素社会の実現を背景に、建築物省エネ法改正により、断熱等性能等級の厳格化、2025年度以降に建築する建築物について省エネ基準への適合義務化など、政府による省エネ住宅の普及が推進されております。併せて、エネルギー価格高騰に伴う光熱費の上昇などから省エネ住宅へのニーズが高まっております。また、省エネ化等に伴う建築物の重量化に伴い、2025年4月から4号特例の縮小が予定されており、戸建住宅を始めとした小規模建築物に対しても構造検査を義務付けられ、構造安全性の確保が図られるなど、事業環境が大きく変化しております。
このような状況において、当社グループは、企業使命感である「豊かさの人生を創造する」を経営の軸に据え、2024年10月期を最終年度とする中期経営計画の方針に沿って、北海道中心に積雪寒冷地での「NO.1住生活総合企業」へ向け、環境課題と事業を一体的に推進することで、脱炭素社会の実現に貢献し、カーボンニュートラルのリーディングカンパニーとなるべく、各種施策に取組み、2022年12月に2022年度省エネ大賞(製品・ビジネス部門)最高賞「経済産業大臣賞(ZEB・ZEH分野)」を受賞いたしました。これまでの省エネ住宅供給や一貫施工管理体制、自社大工育成への取組み、断熱性能基準において最高基準の新製品「CARDINAL HOUSE BES-T019」の開発などが評価されました。事業環境の変化に先行した、省エネ住宅の普及、全棟構造計算実施による耐震強度の確保など、付加価値の高い商品の展開及び商品価値に基づいた適正価格での受注に努めております。
また、当社グループは2023年3月に「サステナビリティ経営方針」を策定し、激甚化する環境問題、変動する社会課題や企業の社会的責任の重要性の高まりに対応すべく、サステナビリティへの取組みを一層強化しております。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
①住宅事業
住宅事業においては、受注棟数は前年同期を下回りましたが、戸建て注文住宅の1棟当たり販売単価が上昇したことから売上高は142億69百万円(前年同期比0.3%増)、利益面では、売上総利益率の改善及び販管費の抑制に努めたことから営業損失は4億96百万円(前年同期は営業損失11億27百万円)となりました。
②リフォーム事業
リフォーム事業においては、受注高が前年同期を下回りましたが、住宅性能向上リフォームを中心とした大型リフォーム及びマンションリフォームの引渡が順調に推移したことから売上高は27億41百万円(前年同期比4.9%増)、営業損失は2億8百万円(前年同期は営業損失2億16百万円)となりました。
③不動産事業
不動産事業においては、前年同期は分譲マンションを第2四半期に売上計上しておりましたが、当期は第4四半期に予定していることに加え、不動産売買事業において前年同期の大型物件計上の反動減等により売上高は37億24百万円(前年同期比28.8%減)、利益面では、不動産売買による売上高及び仲介手数料収入の減少に伴う売上総利益の減少から営業損失が1億41百万円(前年同期は営業利益3億42百万円)となりました。
④賃貸事業
賃貸事業においては、売上高は4億4百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は1億31百万円(前年同期比10.8%減)となりました。
以上の結果、売上高は206億73百万円(前年同期比4.1%減)、売上総利益率の改善により、営業損失は9億17百万円(前年同期は営業損失11億48百万円)、経常損失は8億83百万円(前年同期は経常損失10億86百万円)、法人税等調整額(益)2億40百万円を計上したことから、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億82百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失8億31百万円)となりました。
なお、当社グループの売上高は、通常の営業の形態として、冬期間の影響により第1四半期及び第2四半期に比べ第3四半期及び第4四半期に完成する工事の割合が大きいため、業績に著しい季節変動があります。また、法人税等調整額(益)につきましても同様の理由から、第1四半期及び第2四半期は増加傾向にあり、第3四半期及び第4四半期は減少傾向にあります。
財政状態の状況は次のとおりであります。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、未収入金の減少、現金預金、販売用不動産及びその他流動資産の増加により前連結会計年度末と比較して62億53百万円増加し、279億円となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は、工事未払金等の減少、短期借入金、長期借入金及び未成工事受入金の増加により前連結会計年度末と比較して70億15百万円増加し、165億67百万円となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、季節的要因による利益剰余金の減少により前連結会計年度末と比較して7億61百万円減少し、113億32百万円となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、19百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。