【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が徐々に弱まり、経済活動の正常化の動きがみられましたが、ウクライナ情勢の長期化やサプライチェーンの混乱に伴う資源価格の高騰、金融資本市場の変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
わが国経済は、個人消費の増加など緩やかな回復傾向にあるものの、不安定な世界情勢の影響や急激な円安進行に伴う物価の上昇、繰り返される感染症の拡大など景気の先行きについては予断を許さない状況となっております。
当社グループが属する住宅・不動産業界におきましては、新設住宅着工戸数の「持家」は11か月連続で前年同月比を下回り、弱含みで推移し、物価高による実質賃金の低下、建築費及び住宅用地の高騰による住宅取得費の上昇など、消費マインドへの影響が懸念され、厳しい事業環境が続いております。
このような状況において、当社グループは、2024年10月期を最終年度とした中期経営計画を公表し、計画達成に向けた取組みを推進してまいりました。当社グループの企業使命感「豊かさの人生を創造する」を基に、北海道の厳しい気象環境で鍛え上げられた、木の特性を活かした高断熱・高気密・高耐久の住宅建築技術を日本全国に広め、事業を通じて脱炭素社会の実現に貢献することを目指しております。当期において、中期経営計画達成に向け、木造賃貸住宅事業への参入に向けた木造4階建てマンション「LAPEACE(ラピス)」の発売開始、ドミナント戦略による重要拠点への集中的な拠点展開を行うなど各種取組みに注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の財政状態のうち、総資産は、固定資産の減少(主に機械装置及び運搬具の減少)により、216億46百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億51百万円の減少となりました。
負債につきましては、流動負債の減少(主に未成工事受入金の減少)により95億52百万円となり、前連結会計年度末と比較して7億円の減少となりました。
純資産につきましては、利益剰余金の増加等により120億93百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億48百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の経営成績は、売上高につきましては、347億16百万円(前連結会計年度比11.8%増)となりましたが、原価率の上昇や販管費の増加などから、営業利益1億48百万円(前連結会計年度比74.9%減)、経常利益2億28百万円(前連結会計年度比64.7%減)、固定資産の譲渡に伴う特別利益3億38百万円の計上及び法人税等調整額(益)2百万円を計上しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は2億30百万円(前連結会計年度比51.8%減)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(住宅事業)
住宅事業の売上高は、建築コストの上昇に伴い住宅価格への転嫁を進めたこと及び非住宅物件の引合いが増加したことから222億18百万円(前年同期比3.7%増)と増加しましたが、営業損失は価格転嫁を進めたものの建築コストの上昇が先行したことによる売上総利益率の低下及び業容拡大に向けた人材投資や販促活動による販管費の増加から2億49百万円(前年同期は営業利益3億25百万円)となりました。
(リフォーム事業)
リフォーム事業の売上高は、受注残高が前年同期比で増加し、受注においても住宅性能向上リフォームを中心として順調に推移したことから43億79百万円(前年同期比12.6%増)、営業利益は59百万円(前年同期比42.0%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業の売上高は、新規拠点の展開及び取扱単価の増加により住宅用地をはじめとした不動産売買事業が順調に推移し、分譲住宅の販売も売上高に寄与したことから74億93百万円(前年同期比47.7%増)、営業利益は売上総利益が大幅に増加したことから5億49百万円(前年同期比49.3%増)となりました。
(賃貸事業)
賃貸事業の売上高は、前期に計上した大型の営繕工事売上高の反動減により6億24百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益は1億42百万円(前年同期比10.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ28億54百万円減少し、25億43百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、22億41百万円(前連結会計年度は24億47百万円の獲得)となりました。
これは主に、販売用不動産の増加額15億34百万円及び未成工事受入金の減少額3億26百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、4億43百万円(前連結会計年度は2億43百万円の使用)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出4億70百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、1億71百万円(前連結会計年度は45百万円の使用)となりました。
これは主に、配当金の支払額1億50百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
建設業における生産実績は、施工監理、施工技術、機械力、資金力及び資材調達力等の総合によるものであり、工事内容が多様化しており、当社グループは外注に依存している割合が高く、具体的に表示することが困難であるため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
住宅事業
22,700,667
99.7%
7,791,915
106.6%
リフォーム事業
4,366,782
101.6%
1,107,550
98.8%
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2021年11月1日
至 2022年10月31日)
前年同期比(%)
住宅事業(千円)
22,218,195
103.7%
リフォーム事業(千円)
4,379,811
112.6%
不動産事業(千円)
7,493,929
147.7%
賃貸事業(千円)
624,717
94.4%
合計(千円)
34,716,654
111.8%
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、118億61百万円(前連結会計年度比0.3%減)となり、45百万円の減少となりました。これは主に現金預金の減少(前連結会計年度56億84百万円から当連結会計年度28億30百万円へ28億53百万円の減少)等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、97億82百万円(前連結会計年度比4.8%減)となり、4億97百万円の減少となりました。これは主に機械装置及び運搬具(純額)の減少(前連結会計年度6億5百万円から当連結会計年度53百万円へ5億52百万円の減少)等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、79億42百万円(前連結会計年度比6.6%減)となり、5億59百万円の減少となりました。これは主に未成工事受入金の減少(前連結会計年度30億39百万円から当連結会計年度27億13百万円へ3億26百万円の減少)等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、16億10百万円(前連結会計年度比8.1%減)となり、1億41百万円の減少となりました。これは主に退職給付に係る負債の減少(前連結会計年度7億98百万円から当連結会計年度6億88百万円へ1億9百万円の減少)等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高につきましては、住宅事業は、222億18百万円(前連結会計年度比3.7%増)、リフォーム事業は、43億79百万円(前連結会計年度比12.6%増)、不動産事業は、74億93百万円(前連結会計年度比47.7%増)、賃貸事業は、6億24百万円(前連結会計年度比5.6%減)となり、その結果、347億16百万円(前連結会計年度比11.8%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価につきましては、住宅事業は、176億47百万円(前連結会計年度比7.9%増)、リフォーム事業は、29億6百万円(前連結会計年度比14.9%増)、不動産事業は、59億41百万円(前連結会計年度比65.2%減)、賃貸事業は、1億75百万円(前連結会計年度比23.2%減)となり、調整額△8億151百万円を加味した結果、258億55百万円(前連結会計年度比14.8%増)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、主に支払手数料の増加により、87億12百万円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。
(営業損益、経常損益、親会社株主に帰属する当期純損益)
営業損益、経常損益、親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、営業利益は1億48百万円(前連結会計年度比74.9%減)、経常利益は2億28百万円(前連結会計年度比64.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億30百万円(前連結会計年度比51.8%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本方針としております。
当社グループの資本の財源及び流動性につきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は25億円保有しており、運転資金を機動的に調達するため金融機関と当座貸越の約定を締結していることから、十分な財源及び流動性を確保していると考えております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「売上高営業利益率5%以上」を中期的な当面の目標として掲げておりましたが、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、中期経営計画(2022年10月期~2024年10月期)において、計画の最終年度となる2024年10月期に売上高380億円、営業利益12億円、ROE6.0%、売上棟数900棟を定量目標として掲げております。達成状況に関しては、2022年度10月期からの記載となります。
なお、当連結会計年度の売上高は347億16百万円、営業利益1億48百万円となり、売上高営業利益率は0.4%となりました。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に係る当連結会計年度の会計上の見積りについては、「第5 経理の状況1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。