【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年11月1日~2023年7月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の緩和等に伴い、社会経済活動の正常化が進展し、回復の兆しが見られたものの、ウクライナ情勢の長期化による原材料価格や原油価格の高騰、インフレ警戒から世界的な金融引き締め等による景気後退懸念等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループが事業を展開するITサービス業界及び金融サービス業界は、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、新たな生活様式が定着していく中で、さらなるデジタルトランスフォーメーションが進むことが予想されます。このような状況の下、ITサービス事業においては、大手SIer等の既存顧客からの受注の拡大に加え、一次請け比率の向上に努めました。金融サービス事業においては、ブロックチェーンや暗号資産交換所「Zaif」運営の知見を活かし、今後拡大が見込まれるWeb3事業の成長を図っております。第一弾である「NFT事業」に続き、Web3インフラサービス、ステーキングサービスの「Web3 BaaS事業」、ウォレット提供、投げ銭提供の「決済代行事業」、Web3コミュニティ支援の「Web3事業支援」を推進してまいります。また、これまで業績面、キャッシュ・フロー面で大幅なマイナスの影響をもたらしていた金融サービス事業の在り方を見直し、カイカ証券において業態転換を図るべく、現在、既存商品の早期終了を進めております。当第3四半期連結累計期間における売上高は3,950百万円(前年同四半期比21.6%減)となりました。CAICAテクノロジーズにおけるシステム開発が堅調であった一方、カイカ証券における既存商品のサービス終了や、暗号資産交換所「Zaif」を運営するカイカエクスチェンジ及び暗号資産レンディングサービスや暗号資産の投融資・運用を行う株式会社カイカキャピタル(以下、「カイカキャピタル」といいます。)においては、軟調となりました。利益面につきましては、前期にカイカエクスチェンジののれんの全額減損処理を行ったことにより、当期から当該のれんの償却額が発生しなくなったことに加え、グループ全体で経費の圧縮に努めたものの、売上高の減少を補いきれませんでした。この結果、営業損失は1,937百万円(前年同四半期は営業損失563百万円)となりました。経常損失は、当第3四半期連結累計期間に当社子会社が保有する投資有価証券のうち、将来の期間にわたって実質価額の低下の状態が続くと予想されるものについて減損処理を行い、投資有価証券評価損76百万円を営業外費用に計上したこと、また、当社子会社の長期貸付金及び長期未収利息について、貸付先の経営状況及び財務状況に関して検討した結果、当該債権に対する貸倒引当金繰入額79百万円を営業外費用に計上したこと等により、2,091百万円(前年同四半期は経常損失569百万円)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は1,904百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失13百万円)となりました。
セグメントごとの業績は以下のとおりであります。1)ITサービス事業システム開発を担うCAICAテクノロジーズの売上高は前年同四半期を上回っておりますが、利益面では主にシステム開発にかかる原価率の上昇により前年同四半期を下回って進捗しております。金融機関向けのシステム開発分野は引き続き順調であり、一次請けである保険会社向け案件の売上高が拡大するとともに、銀行向け案件において、一次ベンダーからのメガバンク案件を中心に引き合い、受注がともに拡大しております。非金融向けシステム開発分野は、顧客の事業拡大意欲が強く、IT投資も継続されており、大手SIer等の既存顧客からの受注は堅調に推移している一方で、新規受注の獲得はやや低調となりました。現在、業界を問わない先端技術の開発提案や、リソースの最適化による改善策を実施しております。フィンテック関連のシステム開発分野は、決済系の案件を中心に安定的に受注を獲得しております。また、受注には至っていないものの、既存顧客以外の暗号資産交換所システムの引き合いが複数件あり、現在商談を進めております。また、当第3四半期連結累計期間においては、エンドユーザーのセキュリティリテラシーを向上させる 「CAICA Security Training/標的型メール訓練サービス」の販売を開始いたしました。ニーズの急増に対応するため、7月にCAICAテクノロジーズのウェブサイトに特設ページを設け、ユーザーからのお問い合わせに迅速に対応するなど販売を強化しております。また、Web3事業に参入する企業を支援する、セミオーダー型NFTマーケットプレイス開発サービスの販売を開始いたしました。CAICAテクノロジーズでは、今後も引き続き自社ソリューションの提供を推進してまいります。一方、業界全体の課題でもありますが、優秀なエンジニアの獲得競争は激しさを増しております。CAICAテクノロジーズにおいても、人材獲得手法や採用体系の多角化に努め、一般とスペシャリストの処遇体系を整備するとともに、パートナー企業との連携にも注力しております。
これらの結果、ITサービス事業の売上高は、4,118百万円(前年同四半期比5.9%増)、営業利益は282百万円(前年同四半期比44.0%減)となりました。
2)金融サービス事業当社におきましては、当第3四半期連結累計期間は、特筆すべき暗号資産の投融資・運用は行っておりません。当社発行の暗号資産であるカイカコインにつきましては、先般立ち上げを発表したCAICA Verseにて、カイカコインを活用してブロックチェーンゲームを楽しめる予定であり、Zaifにてカイカコインを売却することによりシームレスな現金化が可能となる予定です。また、カイカコインホルダーがブロックチェーンゲームに参加することで新規ユーザーが増加することを見込んでおります。CAICA Verseは、ゲーム運営企業にとって、独自のトークンを発行することなく、ブロックチェーンゲームを運営することができる革新的なビジネスモデルです。カイカフィナンシャルホールディングスが運営するZaif INOの売上高は、NFTの販売高に応じた販売手数料を収益源としております。第1四半期連結会計期間にスタートした事業でありますため、連結業績への寄与は、しばらく時間を要しますが、NFTの販売は着実に実績を積み重ねております。また、2023年5月に、凸版印刷株式会社とWeb3領域におけるNFT活用の連携を発表いたしました。凸版印刷株式会社には「Zaif INO」の認定代理店として法人向け新規出品者の開拓から出品NFTのPRまでをワンストップでサポートして頂きます。カイカ証券におきましては、これまで独自のワラント商品に加え、暗号資産関連商品の取り扱いを拡充してまいりましたが、海外の大手暗号資産交換所の経営破綻などを発端とする暗号資産相場の乱調をはじめ、デリバティブ派生商品に対する投資家の意欲の衰退などからカイカ証券の提供する商品の拡充ができなかったうえ、取引量も伸び悩んでおりました。こうした外部環境やカバードワラント事業の高コスト体質を考慮した結果、業態転換を図るべく、現在、既存商品の早期終了を進めております。カイカエクスチェンジの売上高は主に暗号資産交換所「Zaif」における受入手数料や暗号資産売買の損益で構成されております。当第3四半期連結累計期間においては、暗号資産市場全体の取引高が低迷している影響を受け、厳しい環境が続いており、手数料・暗号資産売買ともに軟調となりました。カイカエクスチェンジでは現在、暗号資産市場の影響を受けづらいストック型収益の比率を上げることで安定基盤の構築を図っております。なかでも「自動売買おてがるトレード」が好調であり、利用者が増加しております。また、2023年7月に「暗号資産FX」のサービスを廃止いたしました。これによりサービス維持のためのコストが圧縮できる見込みです。加えて、2023年1月に、暗号資産トロン(TRX)、3月にポリゴン/ マティック(MATIC)、4月に、ゲンソキシメタバース(MV)及びロンドコイン(ROND)の取り扱いを開始いたしました。また、8月にクレイトン(KLAY)、10月にマーブレックス(MBX)の取り扱いを開始することを決定いたしました。今後も、GameFi領域に特化したものなど、取り扱う暗号資産を厳選し、他社との差別化を図ってまいります。カイカキャピタルにおきましては、レンディングサービスを活発化させており、現在、ビットコイン(BTC)、シンボル(XYM)、カイカコイン(CICC)の募集を定期的に行っております。暗号資産の投融資・運用につきましては、暗号資産の価格の推移を見極め、慎重にトレーディングを行ってまいりましたが、当第3四半期連結累計期間においては、保有する暗号資産の評価損を計上しております。
これらの結果、金融サービス事業の売上高は△151百万円(前年同四半期は1,338百万円)、営業損失は1,939百万円(前年同四半期は営業損失789百万円)となりました。
3)その他その他につきましては、暗号資産コンテンツの提供を行うメディア事業で構成されており、売上高は4百万円(前年同四半期比57.6%減)、営業利益は4百万円(前年同四半期比57.6%減)となりました。
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末における総資産は65,334百万円(前連結会計年度比10.7%増)となりました。これは主に、利用者暗号資産が10,285百万円増加したことなどによるものであります。当第3四半期連結会計期間末における負債は61,468百万円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。これは主に、預り暗号資産が10,285百万円増加したことなどによるものであります。当第3四半期連結会計期間末における純資産は3,866百万円(前連結会計年度比25.0%減)となりました。これは主に、当第3四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純損失により利益剰余金が減少したこと、行使価額修正条項付株式会社CAICA DIGITAL第3回新株予約権の一部権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ429百万円増加したことなどによるものであります。以上のとおり、当第3四半期連結会計期間末においては、自己資本比率が5.9%(前連結会計年度末8.3%)となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費はありません。
(5) 従業員数① 連結会社の状況当第3四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
② 提出会社の状況当第3四半期累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。 (6) 生産、受注及び販売の実績当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。 (7) 主要な設備当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。
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