【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残るものの、感染対策と経済活動の両立が進み、回復基調が続きました。一方で、世界経済の先行きは、ロシア・ウクライナ情勢、中国国内のロックダウン、世界的なインフレの加速や半導体不足などの影響により、不透明な状況が続いております。当社グループの光事業の関連市場については、デジタルカメラは、ミラーレスカメラ向け交換レンズを中心に需要の持ち直しが見られ、堅調に推移しました。また、エレクトロニクス事業の関連市場については、FPD露光装置は横ばい、半導体露光装置は堅調に推移しました。なお、当連結会計年度における平均為替レートは、米ドルが127.39円、ユーロが135.64円となり、前年度に比べて米ドルが約17.7%の円安、ユーロは約5.0%の円安で推移しました。このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。売上高は、光学機器向けレンズ材や半導体露光装置向け高均質光学ガラスの販売が増加したことなどから、28,304百万円(前年同期比20.3%増)となりました。損益面では、売上総利益は、高付加価値品の販売が増加したことや生産設備の稼働率が改善したことなどから、9,190百万円(同41.8%増)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費や人件費が増加したことなどから、6,213百万円(同21.5%増)となり、営業利益は2,976百万円(同117.6%増)となりました。経常利益は、為替差益が増加したことなどから、3,665百万円(同111.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、在外子会社において特別損失を計上したことなどから、2,116百万円(同44.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(光事業)当事業の売上高は、ミラーレスカメラのレンズラインナップ拡充などにより、光学機器向けレンズ材の販売が増加したことなどから、16,900百万円(前年同期比21.2%増)となりました。損益面では、光学ガラスの需要増加により、生産設備の稼働率が改善したことなどから、営業利益は1,156百万円(同55.0%増)となりました。
(エレクトロニクス事業)当事業の売上高は、旺盛な半導体需要により、半導体露光装置向け高均質光学ガラス、石英ガラスの販売が堅調に推移したことなどから、11,404百万円(前年同期比19.1%増)となりました。損益面では、高付加価値品の販売が増加したことなどから、営業利益は1,820百万円(同192.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、棚卸資産の増加による支出や有形固定資産の取得による支出があったものの、税金等調整前当期純利益を計上したほか、現金及び現金同等物に係る換算差額などにより、前連結会計年度末に比べて1,167百万円増加し、当連結会計年度末には14,134百万円(前連結会計年度末比9.0%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は2,303百万円(前年同期比18.8%増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益3,524百万円(同89.2%増)や売上債権の減少による収入476百万円(前年度は2,812百万円の増加)があったものの、棚卸資産の増加による支出2,122百万円(前年度は713百万円の減少)があったことなどが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は1,993百万円(前年同期比155.3%増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,405百万円(同74.9%増)があったことなどが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は760百万円(前年同期比40.0%減)となりました。これは、配当金の支払額366百万円(同49.9%増)や割賦債務の返済による支出343百万円(同4.2%増)があったことなどが主な要因であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2021年11月1日至 2022年10月31日)
前年同期比(%)
光事業(千円)
18,222,259
128.8
エレクトロニクス事業(千円)
11,618,363
130.5
合計(千円)
29,840,623
129.5
(注) 金額は、販売価格によっております。
b. 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2021年11月1日至 2022年10月31日)
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
光事業
18,801,010
124.2
5,700,055
150.0
エレクトロニクス事業
15,305,823
128.2
8,139,058
192.1
合計
34,106,833
126.0
13,839,113
172.2
c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2021年11月1日至 2022年10月31日)
前年同期比(%)
光事業(千円)
16,900,232
121.2
エレクトロニクス事業(千円)
11,404,380
119.1
合計(千円)
28,304,613
120.3
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自 2020年11月1日至 2021年10月31日)
当連結会計年度(自 2021年11月1日至 2022年10月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
キヤノン株式会社
4,591,588
19.5
4,792,660
16.9
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析・売上高
売上高は、28,304百万円(前年度比20.3%増)となり、前年度と比較して4,782百万円の増収となりました。売上高をセグメントごとに分析すると、光事業の売上高は、16,900百万円(前年同期比21.2%増)となり、エレクトロニクス事業の売上高は、11,404百万円(前年同期比19.1%増)となっております。これは、光事業において、ミラーレスカメラ向け交換レンズのラインナップ拡充により光学機器向けレンズ材の販売が増加したことに加え、エレクトロニクス事業において、旺盛な半導体需要により、半導体露光装置向け高均質光学ガラス、石英ガラスの販売が増加したことが主な要因であります。
・売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は、19,114百万円(同12.2%増)となり、前年度と比較して2,073百万円の増加となりました。売上原価率は67.5%となり、前年度比4.9ポイント減少しております。これは、生産量の増加に伴う生産設備の稼働率改善が主な要因であります。販売費及び一般管理費は、6,213百万円(同21.5%増)となりました。これは、研究開発費や人件費が増加したことなどが主な要因であります。なお、売上高販売管理費比率は22.0%と前年度比0.2ポイント増加しております。・営業利益営業利益は、2,976百万円(同117.6%増)となりました。これは、生産量の増加により、生産設備の稼働率が改善したことに加え、半導体露光装置向けなどの高付加価値品の販売が増加したことが主な要因であります。・営業外損益営業外収益は、746百万円(同79.8%増)となりました。これは、受取配当金や為替差益が増加したことなどが主な要因であります。営業外費用は、57百万円(同14.1%増)となりました。これは、固定資産除却損が増加したことなどが主な要因であります。
・親会社株主に帰属する当期純利益在外子会社において特別損失を計上したことにより、税金等調整前当期純利益は、3,524百万円(同89.2%増)となり、法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,116百万円(同44.9%増)となりました。
b. 財政状態の分析当連結会計年度末における総資産は60,678百万円(前連結会計年度末比13.2%増)となりました。これは、現金及び預金や原材料及び貯蔵品が増加したことなどが主な要因であります。流動資産の残高は36,635百万円(同16.6%増)となりました。これは、現金及び預金や原材料及び貯蔵品が増加したことなどが主な要因であります。固定資産の残高は24,043百万円(同8.3%増)となりました。これは、投資有価証券が増加したことなどが主な要因であります。流動負債の残高は9,494百万円(同13.2%増)となりました。これは、支払手形及び買掛金が増加したことなどが主な要因であります。固定負債の残高は5,921百万円(同15.9%増)となりました。これは、繰延税金負債が増加したことなどが主な要因であります。当連結会計年度末における純資産の残高は45,262百万円(同12.8%増)となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより利益剰余金が増加したことや為替換算調整勘定が増加したことなどが主な要因であります。
c. キャッシュ・フローの分析当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、生産量の増加に伴う棚卸資産の増加や有形固定資産の取得による支出があったものの、税金等調整前当期純利益の改善や現金及び現金同等物に係る換算差額を計上したことなどから前連結会計年度末に比べて1,167百万円増加し、14,134百万円(前連結会計年度末比9.0%増)となりました。詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d. 資本の財源及び資金の流動性当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入等の製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資目的の資金需要は、設備投資等によるものであります。これらの資金につきましては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については主に銀行借入にて必要な資金を調達しております。
② 重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。なお、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。a.
固定資産の減損当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価に当たり、事業等を基礎としてグルーピング行い、収益性が著しく低下した資産グループにつきまして、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。固定資産の回収可能価額につきまして、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の見積りに重要な変更があった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。
b. 繰延税金資産の回収可能性当社グループは、繰延税金資産につきまして、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、事業環境等の変化により課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
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