【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2022年11月1日~2023年7月31日)における我が国経済は、2023年4-6月期のGDP成長率が、前期比で実質1.2%増(年率換算4.8%増)と3四半期連続のプラス成長となりました。国内においては、新型コロナウイルスの分類が5類に見直されたことにより行動制限がなくなり、観光やインバウンド需要は回復しましたが、日米の金利差による円安を主因とする物価上昇が続き、これに賃金上昇が追いつかず、個人消費の回復は力強さに欠けるものとなっております。また、欧米においては金融引締め策が継続され、中国においては、不動産不況、コロナ後の経済回復の遅れが顕在化しており、世界経済の下振れリスクが増大しつつあります。
このような環境の中、情報・印刷事業におきましては、社会経済活動の正常化が進み、飲食や観光需要は回復しつつありますが、広告宣伝媒体におけるWEB媒体の比重が高まり、フリーペーパーやチラシ等の受注が減少しました。一方で、注力しているECサイト経由のデジタル印刷の受注は堅調に推移しましたが、フリーペーパーやチラシ等の売上高減少を補うまでには至らず、セグメント売上高は6,183百万円(前年同期比3.3%減)となりました。利益面においては、印刷用紙の値上や電力料金高騰等受け、製品価格是正交渉を精力的に進めた結果、一定の目処が立つまでには至ったものの、価格競争が激化する状況下での交渉において、コスト上昇と価格改定にはタイムラグが生じざるを得ないこともあり、コスト増を当該期末までに全てカバーするまでには至らず、セグメント利益は253百万円(前年同期比32.3%減)となりました。ECサイト経由のデジタル印刷の受注については引き続きサイトの充実を図り、更なる受注拡大を目指してまいります。また、少ロット多品種・短納期生産が強みであるデジタル印刷とオフセット印刷の最適組み合わせの事例を横展開させていくとともに、一部のSDGs先進企業に既に採用を頂いている従来のプラスチック製ファイルに代わる半透明性の紙製ファイルの拡販を図ってまいります。
知育事業におきましては、当第3四半期はほぼ計画通りに推移しましたが、第1四半期の出版事業における予想外の返本と在庫評価損をカバーするには至らず、セグメント売上高は713百万円(前年同期比10.6%減)、セグメント利益は13百万円の損失(前年同期は26百万円の利益)となりました。幼保事業は、幼稚園・保育園向け卒入園用品の販売が予定通りに推移し、新商品の販売も比較的順調に進んでおります。また、出版事業については、昨年の中学の部に続き、小学校高学年の部の課題図書に児童書「5番レーン」が選定され、短期間に売上・利益を確保しました。なお、8月は幼保事業の主要販売先である幼稚園が夏休みに入り、例年売上が大幅に落ちるため、9月・10月対策として新商品やサービス等をいち早く投入し、秋・冬商品のカタログ販売に最注力すると同時に、引き続き経費削減と効率化に努め、利益の改善を図ってまいります。
報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」を構成していた通信販売事業は、量的な重要性が増したため、当第3四半期連結会計期間より報告セグメントの通信販売事業としております。同事業におきましては、複数の販売チャネルで食品と化粧品の販売を行い、顧客基盤強化のための先行投資として広告宣伝費を投入するとともに、アウトバウンドによるフォローを進めた結果、セグメント売上高は36百万円(前年同期のセグメント売上高は0百万円)、セグメント利益は33百万円の損失(前年同期は12百万円の損失)となりました。引き続き、アウトバウンドの活用を図りつつ、成功報酬型のインフルエンサーサービス及びSNSを新たに活用し、定期顧客継続率の向上を図るとともに、販促費を費用対効果の高い媒体に集中させ、コストの抑制を図ってまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は6,720百万円(前年同期比4.4%減)、営業損失は37百万円(前年同期は営業利益142百万円)、経常損失は33百万円(前年同期は経常利益215百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は44百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益181百万円)となりました。
当社印刷製品関連情報提供サイトからのリード獲得、外部の営業支援会社の活用等を通じ、新規先との取引拡大を図ってまいります。また、生成AI技術を利用し、ECサイトの「プリントモール」、情報発信サイトの「賢者の販促」のより効率的な運営を進めてまいります。更に、デザイン面においては、画像生成AI技術を利用し、お客様の要望に素早く・効率的に印刷デザインの提案ができるよう、業務形態の早期一新に努めてまいります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は12,423百万円と、前連結会計年度末に比べて114百万円減少いたしました。これは主として、受取手形及び売掛金の減少226百万円、リース資産の減少177百万円、投資有価証券の増加389百万円によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は6,243百万円と、前連結会計年度末に比べて294百万円減少いたしました。これは主として、リース債務の減少193百万円、長期借入金の減少175百万円、支払手形及び買掛金の減少125百万円、電子記録債務の増加213百万円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は6,179百万円と、前連結会計年度末に比べて180百万円増加いたしました。これは主として、その他有価証券評価差額金の増加281百万円、利益剰余金の減少93百万円によるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
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